【派遣先大学について】 (1) 基本情報 ・設立年 1897年 ・学生数 121739人 ・設置学部 芸術学部、農林科学部、天文学・地球物理学部、経済学部、精密科学学部、法律社会学部、医学部、自然科学・博物館学部、獣医学部、人文教育学部、情報学部、工学部、歯学部、ジャーナリズム・ソーシャルコミュニケーション学部、心理学部、ソーシャルワーク学部 ・その他 各学部それぞれ異なる場所にある (2) 所属した学部、コース、プログラム等(原語および日本語訳) Facultad de Humanidades y Ciencias de la Educación (人文教育学部) Licenciatura en Ciencias de la Educación (教育学課程) (3) プログラムの概要 ・履修可能な授業、所属学部選択の制限など 人文教育学部で行われている全ての授業が選択可能 ・学部留学の場合:選択した学部・学科以外の授業を履修できるか 同じ学部で異なる学科の授業は履修可能 他学部の履修については担当職員に要相談 ・学部留学の場合:語学コースを並行履修できるか 語学コースあり 有料(1学期4800ペソ、当時のレートで約2086円) インターネットで申し込みが必要 週に2回の授業 (4) 大学の雰囲気、留学生や日本からの学生の割合や人数 人文教育学部は3つの棟があり、小さな食堂や庭がある。天気がいい日には庭にはたくさんの人がいる。 また、月に1回ほどバザーのようなものがあったり、出店があったりして多くの人でにぎわう。 ラプラタの中心地からは少し離れていることと、貧しい地域が近くにあるため夜間は危ないと言われている。 メキシコ、スペイン、ペルー、コロンビアなどのスペイン語圏からの留学生が多かった。 日本人は全員で6人いた。 (5) 課題や試験 課題は問題を解くものやレポートや感想文などではなく、指定された本を次の授業までに読んでくるものがメインだった。多いときには100ページほどの資料をスペイン語で読まなければいけなくて大変だった。 試験はレポート形式のものとペーパーテストのものがある。レポートは約2週間前に概要が渡され、期限までに提出するものだった。ペーパーテストにおいては問題数は多くないが1問が複雑で難しく感じ、神田外語大学のものよりも試験勉強に時間をかけた。 (6) 困ったときに相談できたか、相談窓口はどこか、どのようなサポートを受けられたか 学生課の中に留学生担当の職員がいて、メールでやり取りをしたり直接窓口に行って相談したりできた。 (7) オリエンテーション 授業が始まる1~2週間前に留学生向けのオリエンテーションがあり、授業や成績認定の仕組みの説明があった。留学生1人につき現地の学生1人がペアとしてついてくれて、何かあった時には相談することができた。 (8) 履修登録 オリエンテーションの後から授業開始までの間に、学生課に行って登録をする。 【自身の留学について】 (1) 留学を決意した理由 日本語教育に興味があり、海外でどのような状況なのか自分の目で見て知りたかったから。 また、以前アメリカに行きホームステイをしたときに自分の文化と相手の文化の違いを目の当たりにし、もっと色々な国の人と触れ合ってそれぞれの文化を経験することで、自分の視野を広げたいと思ったから。 (2) 留学先を選んだ理由 アルゼンチンには、日系の人が多くいて日本語教育がどのように行われているか学べると思ったから。また、日本の文化がどのように受け入れられ継承されているか興味があったから。 (3) 留学のためにした準備/しておけば良かったと思う準備(学習面) 留学前がちょうど長期休暇だったので、ほとんど毎日スペイン語の勉強をしていた。日常会話に慣れるためにYouTubeやラジオを活用した。 アルゼンチンではスペイン語が使われているものの、スペインのものとは異なる文法や単語を使うので、その面についてもっと事前に調べて勉強しておくべきだった。 (4) 留学のためにした準備/しておけば良かったと思う準備(生活面) 留学中に体調を崩したくなかったので日本にいるときから生活習慣に気を付けて、規則正しい生活を心掛けた。 洋服をあまり持って行かなかったが、日本に比べて高価で質も良くないのでもっと持っていくべきだった。 (5) 留学中の交友関係 滞在先の寮が日系の学生用の寮だったので、日系の友人たちとはそこで交友関係を広げられた。また、そこでできた友人に誘われたバレーやサッカーに参加することで、さらに交流を深められた。 大学では、クラスメイトに積極的に話しかけたり言語交換プログラムに参加したりして友人が増えた。 (6) 授業についての全般的な感想、学んだこと 日本のように毎日学校に行き朝から夕方まで授業があるわけではなく、最初は楽なように感じたが授業が始まると毎日予習復習に追われ、日本にいた時よりも勉強時間が多くなった。 授業は同じ科目でも、先生が説明をする方式のものと資料をもとにグループワーク中心で話し合いをする方式のものがあり、最初はグループワークは緊張するので苦手だったけれど、クラスメイトが発言しやすい空気を作ってくれたり、質問をわかりやすく説明してくれたりしたので、積極的に参加できるようになった。 先生が説明しているときに生徒からすぐに質問があったり、その質問にほかの生徒が答えたりなどとにかく会話が多かった。わからない、疑問に思ったことがあったらその場で解決しようという気持ちが大事だと思った。 (7) 授業外で参加した活動 日本語学校に行く機会があった。 友人がその学校に通っていたことと、寮の友人の祖母がその学校で働いていたりと偶然が重なり、見学できることになった。 (8) 授業外の活動についての全般的な感想、学んだこと 日系の人たちだけでなく現地のアルゼンチンの人も日本語を学びたいと思いその学校に通っていることを知り、嬉しく思った。その反面、生徒数が年々少なくなっていることも聞き、海外での日本語教育の問題点を知ることができた。 (9) 留学で達成した最も大きなこと 一番はやはり、語学力が伸びたことだと思う。日本にいると24時間どこでもスペイン語に触れ合うことは不可能であり、日常的なスペイン語を学ぶことは難しかった。しかし、アルゼンチンでは毎日どこに行ってもスペイン語を使うため、実用的なスペイン語を習得することができた。一番難しかったリスニングの面では、帰国前にはほとんどの会話を聞き取ることができるようになり、友人たちと難なく会話ができるようになった。 (10) 今後どのような学習を継続していきたいか リスニング力と会話力は使わないとすぐに落ちてしまうと思うので、アルゼンチンでできた友人と会話を続けたり、映画やラジオ、動画などを活用していくことで、身につけた力をさらに伸ばせたらいいなと思う。 【渡航・滞在先住居について】 (1) 派遣先への出願 すべてインターネットで行う。 必要な書類がすべて揃っていれば問題なくできる。 (2) ビザ申請 必要な書類が多くすべて揃えるのに時間がかかるので、早めに用意した方がいい。 申請は2月の初めに1度大使館に行き書類の原本を提出した後、その1週間後にビザを受け取りにもう1度大使館に行く。 (3) 航空券を予約した方法 HISの店舗に行き予約した。 オープンチケットという帰国便が変えられるチケットを購入した。 (4) 渡航したルート 羽田→フランクフルト(ドイツ)→エセイサ(アルゼンチン) (5) 最寄りの空港から大学または住居までの移動 空港のカウンターにあるタクシーサービスを利用した。 (6) 滞在先住居を探した方法 神田外語大学から留学する生徒がいつも利用する日系の寮を説明会(9月ごろ)で紹介してもらい、メールを送り申し込んだ。書類が送られてくるので、それに記入しPDFでメールで送るか到着時に紙を直接渡す。 (7) 滞在先住居についての詳細 (費用の支払い方法、設備や備品は何があったか、メンテンスの状態など) 現金で毎月払う。 各部屋にはトイレとシャワーがあり、ベッドや勉強机、クローゼットもある。 食堂やキッチン、4つある勉強部屋などは共用で使用する。 掃除場所が毎週割り当てられ、週に1回掃除をする。 平日の昼食と夕食は寮から出るが、休日は各自で料理をする必要がある。 古い建物なのでとてもきれいな状態とは言えないが、日系人の友人ができるため良いところだった。 (8) 滞在先についての感想、アドバイス 多くの寮は各部屋にシャワーやトイレがないと聞いたのでその点ではすごくよかったと思う。 また、どの学部へも徒歩で行くことができる場所に位置していたり、中心地にも近かったので住みやすいところだった。 ハンガーやタオルなど、持って行けるなら日本から持って行った方がいい。 【滞在国・地域での生活について】 (1) 現地での支払方法や現金の調達 (どの支払い方法を主に使用していたか、現金をどうやって引き出したか、日本からどうやって送金したか、クレジットカードはどの程度使用できるかなど) 約90パーセント現金を使用した。 現金は基本どこの銀行でも引き出せる。週末はATMにお金がなく引き出せないこともあったがほとんどお金を引き出さなかったので、問題なかった。 日本からの送金は、ウエスタンユニオンを利用し現金で受け取りをした。 クレジットカードはVISAのものはどこでも使えるように感じた。旅行に行く交通費や大きな金額を使うときだけカードを利用した。 (2) 携帯電話 SIMカードが売っているキオスコに友人に連れて行ってもらい購入した。毎月キオスコでチャージをして使う形だった。 (3) インターネット (キャンパス内や住居、街中でのインターネットの繋がりやすさなど) 大学にWi-Fiはあるが、あまり強くない。学部によるらしい。 寮では比較的強いWi-Fiがあった。 ブエノスアイレスの駅ではフリーWi-Fiが使えた。 (4) 医療 現地で病院に行っていないので詳しくはわからないが、公立病院は無料。 (5) 日本から持っていくべきもの 常備薬、ふりかけ、お茶など (6) 治安状況 夜に一人で歩くのは危ないと言われた。どうしても外出する際は現地の人となるべく大勢で行く。 大きな事件などがあると、外務省からメールやLINEでお知らせがきた。 (7) 食事 平日は寮で出るものを食べられる。(朝食は各自) 休日は各自で用意する必要がある。 寮の近くに大学の食堂があり、500ペソほどで食べられる。 外食は滅多に利用しなかったが、日本よりも高いように感じた。 (8) 情報の入手 YouTubeでアルゼンチンの旅行動画を見たり、インターネットで調べたりした。 (9) 特筆すべき文化や習慣の違い、気を付けるべき点 文化の違いで特に困ったことはなかったが、日本よりも治安が悪かったり道が整備されてなかったりして、安全面では常に注意が必要だと感じた。 【進路について】 (1) 留学終了後の進路 未定 (2) 現地での就職活動や進学準備 日本の企業とオンラインで面接を行うことができたが、本選考は帰国後にという流れだった。 (3) その進路に対して留学経験をどう活かすか 日本語学校で働きたいと考えていて、自分が留学先で感じたことは日本に留学に来て日本語を学ぶ人達にも共通することがあるはずので、それぞれの生徒に寄り添えると思う。 【今後留学を目指す学生へのアドバイス】 留学しようか迷ったら、するべきだと思います。現地で見て聞いて実際に自分で体験しないと得られないものがたくさんあります。人生の中でとても大きな決断だとは思うけれど、時間を有意義に使うことができ、自分がやりたいと思ったことに挑戦できるチャンスです。ぜひ、海外で生活し自分の中の何かを成長させることにチャレンジしてみてください。
内訳 | 費用(現地通貨) | 日本円換算 |
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家賃 | 750,000 | 132,900円 |
水道光熱費 | 0 | 0円 |
学費・教材費 | 3,100 | 549円 |
交通費 | 42,700 | 7,566円 |
通信費 | 20,100 | 3,562円 |
食費・その他 | 233,000 | 41,288円 |
小計 | 1,048,900 | 185,865円 |
航空券 |
420,000
円
|
保険 |
150,000
円
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ビザ関連費用 |
20,100
円
|
その他 |
150,000
円
|
合計 | 925,965 円 |
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