今月は生活に少し慣れてきたからか、色んなことを感じ、考える余裕ができた。先月は行わなければならないことがたくさんあり、日常を淡々と過ごすことで精一杯だった。3月の私は既に“もう生活に慣れたかも”と思い込んでいたが、後になって考えるとそんなことはなかった。2ヶ月目は1日1日も、1ヶ月も短く感じた。この調子で留学10ヶ月間が走っていってしまうと考えると恐ろしい。光陰矢の如しであるため、毎日を充実させたい。 [生活] ・祝日(Semana Santa) 4月2日から4月9日までの一週間はSemana Santa(聖週間)で大学がお休みだった。その休みを利用して、私は連邦警察に再び行き、RNMを申請した。そしてようやくプロトコルを取得することができた。プロトコルは、RNMのカードができるまでの間、身分証明書の代わりとなる紙である。RNM番号が記載されており、その番号を使ってBilhete Unicoを申請した。Bilhete Unicoは日本で言うSUICA、PASMOのようなもので、サンパウロの公共交通機関で使用する。学生用Bilhete Unicoを持っていれば、バスや地下鉄を半額(基本的には2.20レアル)で利用することができる。私はプロトコルでカードを申請し無事受け取りまでできたが、他の日本人留学生たちはRNMのカードが必要だったらしく、申請を拒否されていた。不思議である。私はラッキーだった。 RNMを申請後、1人で高速バスに乗り、4月6日から4月9日までジュイス・ジ・フォーラに行った。目的としては、ジュイスに留学している同じ交換留学生の友人や、昨年KUISに半年間留学していたブラジル人の友人2人に会うためである。Tieteのターミナルで片道149レアルのバスに乗り、約8時間かけて行った。日本に比べ座席が広く、足も伸ばせて座席も充分倒れた。おそらく日本人とブラジル人の体格差が関係しているのだろう。バスの中では隣の方と少しだけお話をした。ジュイスに着き、久々に友人たちの顔を見てとてもホッとした。無意識のうちに、今までどれだけ緊張していたのかを自覚した。 私から見たジュイスは、学生の街なだけあってサンパウロに比べると昼間は安全なイメージだった。(ブラジルはどこも安全ではないことは前提として) 街を歩いているとき、後ろを振り向く癖がここ1ヶ月で私には既に染み付いていたが、友人はそうではなく、やはり治安や環境含めてかなり違いがあるのだなと感じた。またUSPはジュイスや他の大学に比べて日系人が多いからか、「日本人だ!」とたくさん話しかけてくれることはあまりない。そのため当たり前ではあるが自分から話しかけることが大切であると感じる。 3日間は、友人が通っている大学を案内してもらったり、スーパーにたくさんぶら下がっているChocolate Ovo de Pascoaという大きいチョコレートを選んで食べたり。Central(たくさんお店が並んでいる市場のようなところ)でプリンを食べたり、おしゃれなカフェとバーに行ったりした。ブラジルにおしゃれなカフェがあることにはとても驚いた。ブラジル人留学生の友達は、久々に会っても温かい人達だった。 ・余暇の過ごし方 平日は授業を受けた後お昼ごはんを食べ、そのまま図書館に行き勉強をして夜ご飯を食べて帰るという生活をしている。毎日図書館に通っているため、図書館の受付の方にも名前と顔を覚えてもらえ、よくお話をする。USPには、日本語を学んでいるブラジル人が日本語を話す練習をするために集まる「お話し会」(MULCのチャットタイムのようなもの)があり、そこに毎週参加している。毎週ペア1組ずつ(ブラジル人と日本人)プレゼンテーションを行い、その内容についてポルトガル語1時間、日本語1時間で話し合うものである。日本語がとても上手な方もいれば、まだ始めたばかりの方もいて、コミュニケーションのとり方がとても勉強になる。 予定のない日曜日には徒歩15分のところでフェイラ(ミニ市場)が行われているので、そこでpastelとcaldo de canaを食べ、安いスーパーに寄って買い物をして、お気に入りの安い棒アイス屋さんに寄って帰るというのが日常になりつつある。私が行っているフェイラは、お客さんとお店の人の距離が近く、優しい人たちが居て私はとても気に入っている。フェイラにはほぼ毎週のように通っているため、すぐに認知してもらえ、少しだけお話ができるようになった。ちなみに、フェイラがどこでいつ行われているのかは、マップで調べることができる。 授業は基本的に午前中で終わりなため、たまにどこかへ出かけたりする。ブラジル人の友人と映画館に行き「鬼滅の刃」を観た。ポルトガル語の字幕付きのもので、内容は殆ど見たことがあるものだったため、聞こえてくる日本語と字幕のポルトガル語を見て表現の仕方を楽しんだ。 また、ある日は、カポエイラのイベントが近くであったため、初めて生で観ることができた。深い知識がないので、純粋にすごいという感想しか出てこなかったが、本当にすごかった。 [通学] 大学に通い始めて1ヶ月経ち、もうすぐ引っ越しという時に徒歩25分ほどで大学に通えるルートを知った。大学まで行く駅からのバスは、1限のときには長蛇の列になるため授業に間に合うように早起きしなければならなかった。しかし徒歩ルートに変えてから少しゆっくり寝ることができるようになり、途中には猿を見ることのできる場所もあり、自然も多くて良い気持ちで登校できる。 [授業] 私が履修したブラジル文学Iの授業は、やはりとても難しくノートさえも取ることができない。友人が私のためにノートを書いてくれ、そのノートを元に毎日図書館で翻訳したり内容を理解しようと必死だが、理解できたようで理解できない。「ブラジル近代芸術週間」について出てきたので、それについて調べていると自分の中で隔てていた点と点が繋がり、ノートに書かれた内容について理解ができた。言葉の問題だけでなく、ブラジルについての知識が欠けているなと感じた。日本文学、日本文化に関しては、内容は既に日本で学習した内容ではあるため、ポルトガル語を聞き取ることに集中できる。やはり内容を知っていると、心做しか理解がしやすい。今まで知らなかったことを新たに学ぶこともあり、また内容について仲の良いブラジル人と話し合うこともあり、勉強になる。KUISでの授業と比べるとやはり発言が多く、生徒は積極的である。また、自分の意見を言うことに恥ずかしさを感じていないように見えるのがとても良いと感じた。私も授業で発言をしたいが、未だうまく言葉にできないのが悲しい。 [食事] 普段歩く地域のこと(どこが危ない、人が隠れられる場所があるかどうか、人の気がないなど)について把握できてきたため、お昼だけでなく夜ご飯も学校で食べて帰るようになった。休日は外食をするか、自炊をしている。時間があるときは15分程歩いて、少しでも安いスーパーに行くようにしている。 [住居] 私は元々4月中旬まで1つ目の住居に滞在する予定だったが、なかなか良い場所が見つからない上に、充分な時間をとることができなかったため、結局5月まで滞在を延長することになった。USPの学生は2、3月と7月に家を引っ越しする人が多いようで、既に埋まっている部屋が多かった。空いているのは基本的に治安が悪い地域ばかりであるため、住居探しは時期に気をつけたほうが良いと感じた。Facebookでたくさん住居を探し、6軒ほど訪問して、最終的に「SHARE」という名前の少し高い学生マンションに住むことに決めた。 SHAREは駅から徒歩五分で、スーパーもバス停も近いためとても良い。セキュリティが強く、プールやシュハスケイラ、ジムや勉強ルームなど、設備が整っている。お部屋のタイプはおおまかに3種類あり、2人でキッチン浴室共用の部屋(個室なし)、4人でキッチン浴室共用の個室ありの部屋、1人で住める部屋がある。私は4人で共有する部屋に住むことにした。値段は上記の順に2150レアル〜3550レアルである。都内で一人暮らしをするくらいの値段だろうか。(ただし、洗濯乾燥合わせて毎回16レアル追加で掛かる。) *写真左は、スーパーの中にたくさんぶら下がっているovo de páscoaのチョコレートの写真 写真右は、放課後に観に行ったカポエイラの写真 ※以下はサンパウロへの留学を考えている方へ。参考までに知っておいた方が良い情報を掻い摘んで書いています。(上記と重複有り) あくまでも私の知見です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー [Bilhete Unicoの申請(日本のsuicaのようなもの)] オリエンテーションで配られる資料にBilhete Unicoの申請方法は書かれています。申請にはRNMが必要となるため、早めにRNMの手続きを済ませると交通費が安く済みます。学生用Bilhete Unicoを持っていれば、バスや地下鉄を半額(基本的には2.20レアル)で利用することができます。私はRNMプロトコル(紙の仮身分証明書)で本人確認が通りましたが、他の留学生はプロトコルではなくRNMのカードが必要であったために拒否されました。RNMのカードを受け取るまでには時間を要するため、試しにプロトコルで申請してみると良いかもしれないです。 [住居] USPの学生が住居を変える時期は2、3月そして7月であるため、住居を探す時期には注意が必要です。留学が正式に決まり、住居が決められるような状況になったら早めに探し始めることをおすすめします。より安全な地域、危険な地域については今わかっている以上に、滞在している間に情報収集をする予定です。 私は留学を早くに決めていて、貯金をしており、少しだけ住居を選ぶ余裕があったためSHAREに住むことができました。留学を少しでも考えている方は、少しずつ貯金をすると良いかもしれません。 [留学する地域について] ジュイスに行って感じたのは、当たり前ではありますが地域によって大学などの環境、そして治安は違います。他の協定校の地域は行ったことがないためわかりませんが、それぞれの良いところがあるので、先生などに聞いてみて学びたい内容を含めどこが良いか考えてみてください。
内訳 | 費用(現地通貨) | 日本円換算 |
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家賃 | 2,516 | 69,328円 |
水道光熱費 | 0 | 0円 |
学費・教材費 | 0 | 0円 |
交通費 | 726 | 20,005円 |
通信費 | 35 | 964円 |
食費・その他 | 961 | 26,480円 |
合計 | 4,238 | 116,777円 |