月次報告書 2023-06
プロフィール
学科
イベロアメリカ言語学科
学年
3年
専攻
ブラジル・ポルトガル語専攻
留学期間
2023-03-01 ~ 2023-12-31
留学種別
交換
生活編
実のある時間たち

 6月は念願のリオに旅行することができた。それと同時に6月は前学期終了に向けてレポートやテストの時期であり、とてもとてもとーっても苦しんだ。そんな中色々なイベントに参加することも多く、Festival do Japãoのボランティアとしてお手伝いさせていただくことも決まり、充実しつつも慌ただしい1ヶ月だった。 [気候]  朝晩が冷えるのはもちろんだが、最近はお昼でもトレーナーを着用することが多くなってきた。とはいえ暑い日もあったりするので服装や体調管理には充分気をつける必要がある。 [生活] ・念願のリオデジャネイロ〜  6月初めにある4連休を使ってリオデジャネイロに旅行した。サンパウロからはバスで7時間ほどで着く。往復10000円ほどで行くことができるためバスでの旅行はとってもお得。リオで案内してくれたブラジル人は、実はかつて私とHelloTalkでお話しし、日本語会話教室に招待してくれた人であり、現在は直接連絡をとっていたわけではなかったため突然の偶然にとても驚いた。ブラジルに来てから偶然がとても多くて、驚いている。    リオにいる間は、友人が住んでいるニテロイにAirbnbでホテルを取った。1日目はバスで到着した後、Uberでホテルへと向かった。助手席に座ったため、一見怖そうだなあ、、と思いつつもUberの運転手さんと色々お話しした。とても優しく、色々と紹介してくれ、道の途中にあるリオのサンバドロモにも寄ってくれた。おそらく親切心で「明日色んなところ連れて行けるよ〜」と言って連絡先を渡してくれたのだが、信用するのも危ないのでありがとう!また連絡するね!と言い、その場を凌いだ。降りる時には以前から知り合いだったかのように寂しがってくれ、ブラジル人ならではの温かさを感じた。タクシーの運転手さんはやはり現地のことを知っているので、お話しするといい情報を得られるかもしれない。ニテロイに到着した後、ニテロイのMuseu do Arte Contemporânea de Niterói(ニテロイ現代美術館)に行った。その後ビーチに行き、ビーチバレーをした。ニテロイは比較的安全な方のようで、穏やかだった。海の水は綺麗とはいえないが、砂浜はとても白かった。ブラジルで初めての海だったのでとても嬉しかった。その後ブラジル人友人の宅に行き、カラオケをしたりゲームをしたりした。    2日目はリオ市内に船で渡り、Palácio Tiradentes というブラジル国民会議の本拠地であった場所に行った。その周りの道はどこかヨーロッパを感じさせる建物や景色が広がっていた。Banco do Brasilの博物館に行ったり、Confeitaria Colomboという歴史あるカフェにも行った。そこではぐちゃぐちゃになったタルトを提供されそうになったり、全く違う物を代わりに持ってきて、「これでいいよね?」と言われたりして非常に困惑したが、自分の意見を伝える良い練習になった。これがブラジルなのか、それともたまたま運が悪かったのかはわからないが思い出エピソードになったので良い。次は観光地で有名なEscadaria Selarón(セラロン階段)へと歩いて行った。その道中にはCatedoral Metropolitanaという大きな教会があったのだが、その付近や階段の近くの白い橋がある広場は明らかに治安が悪いということを肌で感じた。セラロン階段まで着けば、観光客がたくさんいるので安心である。芸術的なアートがたくさん並んでいて、感動した。またカイピリーニャがとても安く売っていたのも印象的である。一度ホテルに戻った後、近所のFesta Juninaに行った。そこのFesta Juninaは屋台がたくさん並んでいて、雰囲気は夏祭りに近く、少しだけ日本の夏を懐かしく感じた。PamonhaやMaçã do Amor、Morango com chocolateなどなどFesta Juninaならではのものを食べた。また神田の授業で練習したQuadrilhaも踊ることができ、とても楽しかった。皆和気藹々と楽しんでいて、よかった。またリオの大学に留学している日本人とも会うことができた。    3日目は午前中にコルコバードのキリスト像へ行った。ロープウェイに乗るお金として4000円ほどかかる。行くのであれば午前中の朝早くに行った方が空いており時間待ちをする必要がない。15分ほどかけて急斜を登っていき、階段を登った先には大きなキリスト像が立っていた。画像でしか見ていなかったものが目の前に立っているという事実に感動した。またそれだけではなく景色も壮大だった。やることといえば写真を撮ることぐらいだが、景色がとても綺麗なため時間があれば私は2時間は見続けれたと思う。その後自転車を漕ぎIpanemaの海岸を横目に見ながらPão de Açúcarに到着した。入場料は約5000円だった。私は以前まで、あの2つの山でPão de Açúcar だと思っていたが、どうやら小さい方の山はMorro do Urucaという名前らしい。まずその小さい方の山にロープウェイで行き、そこで乗り換えてPão de Açúcarへと向かった。本来日の入りに合わせて到着する予定だったが、すでに日が暮れて真っ暗だった。しかし夜景ももちろん綺麗で、見渡すとたくさんの光があった。よくある「自分の悩みがちっぽけに」とは思わなかったが、光の一つ一つにそれぞれの人生があって、色んな生き方をしていると考えると言葉で表せない気持ちに包まれた。下山の際はロープウェイ街の長蛇の列ができていた。夕食はコパカバーナの海岸沿いにあるシュハスカリアに行った。当たり前だが運ばれてくるお肉たちはとてつもなく美味しかった、、。そこにはお寿司もあり、初めていちご寿司を食べた。もう二度と食べないだろう。笑   行けなかった場所もあるが、サンパウロからはそう遠くなく交通費も高くないのでまた来たい。 ・LGBTQ+プライドパレード(ゲイパレード)  本来が行われる日もまだリオにいるはずだったが、世界最大級とも言われるイベントを一目見るために先にサンパウロへ戻ってきた。パウリスタ通りではこういった大きなイベントがよく行われる。友人と共に行く予定で、友人を待ち、行った時にはパレードはすでに終わりかけていた。とても残念だった。しかしながら沢山の人がまだいたことからお昼にはとてつもない量の人が集まっていたことが感じられた。あたりは虹色のフラッグがたくさん広がっており、人々は虹色のグッズを身につけていた。虹色のフラッグは、LGBTQのモチーフであるだけでなく、もはやファッションにもなりつつあるのだと感じた。こういった活動が大きく行われるのはとてもいいことだと思うし、大方良い方向へと繋がると思う。ブラジルは日本と比べて行動に移すのが速く、変化に対応するのが速いのは良いところだと思う。しかしもったいないなと思ったのは、モチーフであるLGBTQの旗が沢山道端に捨てられていたことである。また道端でトイレをしていたり、薬物を吸っていたりしていた。せっかくの良い活動をしているのに、残念だなと感じた。 ・フェスタジュニーナ  FFLCHでもフェスタジュニーナが行われたのた。BrigadeiroやBeijinhoを食べたりした。ちょっとした豆知識だが、こういった学部のフェスタにはEspecialと食べ物の名前についていたりする。例えば、Brigadeiro Especial。これはMaconha(マリファナ)が入っていることを意味する。またマリファナ入りのものはメニューに葉っぱのマークがついていたりするのでわかりやすくていいが、不安な人は毎回マリファナが入っているかどうか確認した方が良い。実際私は確認した。とても驚いたのはBrigadeiro Especialが、値上げをしても売り切れるほど人気だったことである。私の友達もそれを買っていてとても驚いた。摂取するのは絶対に避けたい。 少し時間が経った後、恒例のQuadrilhaがあった。もちろん踊ったがとても楽しかった。また焚き火を飛び越えるのも遊びとしてあるらしく、私も飛び越えてみた。 ・陸上部  念願のFFLCHの陸上部に参加することができた。レポートや冬休みに入ることでまだ本格的には参加できないとは思うが、渡航前から決めていたのでとても嬉しい。練習は雇っているコーチの練習メニューをもとに行われている。正直な話、練習メニューが自分にあっている気はしないが、参加して一緒に練習することに意味があると思っているため、時間がある時には参加したい。 ・TUDUM (NETFLIXのイベント)  イビラピエラ公園でTUDUMという大規模なNetflixのイベントがあった。そこにはONE PIECEやイカゲームなどのブースもあった。チケットさえあれば誰でもテーマに沿った無料のゲームに参加できる。ロッククライミングをしたり、写真を撮ったりして楽しんだ。サンパウロではかなりの頻度でこういった大規模なイベントが開催される。それもサンパウロの良いところの一つだと思う。 ・日本祭りのボランティア、事前準備(留学生の会)  駐在員の方のお誘いで、7月に行われる日本祭りという大きな文化祭りのボランティアをさせていただけることになった。今年の日本祭りのテーマはMottainai(もったいない)で、それにちなんだ小規模のブースを作ることになっている。約5社ほどの企業がそれぞれMottainaiの取り組みを展示するのだが、そのうちのひとつの企業とのやりとりを任された。よく概要を理解できていない上に、企業の人相手にポルトガル語を使うのは初めてなのでとても緊張しつつも、レポートの時期なので上手く時間を使い分けながら頑張っている。日本祭り自体には約11年前に訪ねたことがあり、こうした形でまた関わることができるのは本当に嬉しい。都道府県人会が主催で行っており、その会議にも参加した。県人会の皆さんはとても温かく、私の心も温かくなった。 [授業]  USPでは学期末に向けて、レポートと試験の時期となっていった。今学期は4つの授業を履修しているが、1つは試験で、残りの3つはレポートだった。日本文学の授業の試験は、記述問題が2題出され、3人で話し合い論述して答えるというものだった。初めはブラジル人と組んで試験に臨む予定だったが、それだと私にとって良い経験にならないと考えたため、先生にお願いして辞書ありで1人で試験に臨ませてもらった。おそらく3人で組んだ方が文章量的には書けたと思うが、実際に1人で文章を考えることができたのは良い経験だったと思う。日本文学の期末課題はは、自分の好きな日本文学を選び、それを誰かに紹介する手紙を書くことだった。読む文献は日本語だったが、たくさんの文章を書くのはやはり大変だった。留学生向けの授業の課題は、今まで受けた授業の中から調べたい内容を選びレポートを書くというものだった。約14回の授業の中から好きな授業を選べたので、その分少しだけ楽しかった。4つの中で一番辛かったのがブラジル文学の課題で、3セットの詩の中から1セット選び、その詩の比較分析を行うというもので、単語数は約2000単語だった。ブラジル人にとっても難しいと言われている授業で、授業内容も約3割程度しかわかっていなかったためその上で分析するのは大変だった。詩の分析というのも単に表面的な分析ではなく、ブラジルの社会背景に結びつけ、根拠づけなければならなかったので提出するまでたくさんの時間がかかった。友人がくれる少しのヒントをもとに、終わった時には大きな達成感があった。全ての課題を期限内に終えられたが、単位を無事取れるかどうか、ドキドキしている。 [お菓子] 今回は今思いつくお気に入りのお菓子を紹介したい。 ・Doce de leite 液体状のキャラメルのようなもので、約3×4cmほどの密封のパックに入っており、約60円ほどでよくスーパーで売っているのだが、私はこれを溺愛している。基本的には袋を切って食べる(飲む?)が、パンにつけたりポップコーンにつけたりしてもとても美味しい。 ・BiS キットカットに似ているお菓子だが、より軽い食感で食べれ、それに加えて美味しいので気をつけないと沢山食べてしまう。。。約210円で売っているのだが、約11年前はもう少し安かった気もする。 ・tic tac ラムネとmentosの間のようなお菓子で、いろいろな味がある。約100円。私は特にオレンジが好きで、スカッとしたい時にたまに食べる。アメリカのお菓子で、ブラジルにはあるが日本に似たようなものは置いていないので、帰国するまでに沢山楽しみたい。 ・Baton チョコレートのシンプルなお菓子で、形は小さい筒状。一本60円ほど。チョコレートやホワイトチョコ、いちご味、チョコの中にホワイトチョコが入っているものなど色んな種類がある。 ・Tortuguita カメの形をしたチョコレート。ブリガデイロをチョコでコーティングしたようなもの。 ・Sonho de bolsa ピーナッツのペーストが中に入っているチョコレート。ボンボン。 ・Ouro Branco ウエハースとピーナッツのクリームが入っており、ホワイトチョコでコーティングされている食べ物。これもボンボン。 ※以下はサンパウロへの留学を考えている方へ。参考までに知っておいた方が良い情報を掻い摘んで書いています。(上記と重複有り) あくまでも私の知見です。 ——————————————————————————————————————————————————————— ・期末テストや期末課題の留学生優遇  授業を完璧に理解できてない上に、ブラジル人と同じ試験や課題を行うのはかなり大変だと思います。先生に自分が留学生であることを伝え(初めの授業の時も)、何か処置があるかどうか訪ねましょう。テストを免除してくれたり、辞書ありを許可してくれたり、採点を少し甘くしてくれたりする場合があります。もちろん先生によるので、何も優遇処置がない場合もあります。その場合は、頑張りましょう、、 ・ボランティア活動など  サンパウロは駐在員の方が多く住んでおり、そういった方と接点があればボランティア活動などに参加できる機会は沢山増えます。海外でのそういう経験は必ず良い経験や思い出になると私は思っています。駐在員の方が行なっている「留学生の会」というものもあります。 ・リオでのおすすめ  バスで行くのであれば、到着するバスターミナルは大体決まってくるとは思います。少し危ないようなので到着する時間帯には気をつけましょう。コルコバードのキリスト像は、朝イチで行くのがおすすめです。午後に行くと混雑してしまうのに加え、逆光になってしまいます。

住居形態
アパート
無線LAN(Wi-Fi)
月額費用
ブラジル レアール
29.203円
内訳 費用(現地通貨) 日本円換算
家賃 2,750 80,308円
水道光熱費 0 0円
学費・教材費 0 0円
交通費 148 4,322円
通信費 36 1,051円
食費・その他 1,242 36,270円
合計 4,176 121,951円
授業編
Brazilian Literature I
ブラジル文学1
講義(地域言語)
960分
受講人数は約70名弱。教授が生徒に問いを投げかけ、生徒が自発的に回答をする。次の授業までに読まなければならない図書が提示され、多くて二冊(部分的に)、200ページ程度。読書及び理解を含めて、授業を受けるためには予習が必須である。この授業はUSPの学生にとっても難しい内容である。 <最終課題> 3組の詩(計6個)が提示され、そのうち1組を選び2000単語以内で比較分析し論述するというもの。ただ論述するだけでなく、ブラジルの社会背景や根拠を交えて記述する必要がある。
Japanese Culture I
日本文化Ⅰ
講義(地域言語)
480分
受講数は70人程度。授業の内容は、日本の歴史を勉強していく中で日本の文化について知っていくというもの。日本について学ぶ授業ではあるが、講義、資料ともにポルトガル語で行われる。日本での歴史の授業で学んだ内容は勿論、初めて知る内容も多く、面白い。教授がスライドを見せて講義をする講義形式であるが、合間に問いを投げかけられたりコメントを求められ、それに対して生徒たちは自主的に答える。授業を受けている生徒は皆日本語専攻の生徒で、授業内での発言を聞く限りでは自分で興味を持って調べている方達も多いようである。この授業も同様にスマホを見たり動画を見ていたりする人はおらず、皆真剣に授業を受けている。 授業3回ごとに、1つ課題が出る。3つの問いの中から1つ選び、それについて10-15行程度で答える。 <授業内容> 6/06 - 平安時代の文学 6/13 - 平安時代の宗教、芸術、建築 6/20 - 平安時代の日常生活 6/27 - 飛鳥、奈良、平安時代の文化資料の分析 <最終課題> 試験。最大3人までグループを組むことができ、グループで2つの設問に対しての答えを記述する。量としては2つで約1ページ。今回出されたのは、女性が天皇になることがあった時代についての論述と、神道の特長についての論述。
Japanese Literature I
日本文学1
講義(地域言語)
480分
受講者は25人程度。授業で学習するのは19世紀半ばから20世紀初頭までの日本で有名な作家(夏目漱石、樋口一葉、芥川龍之介など)が書いた日本文学作品について。学ぶのは日本文学についてだが、講義も本も全てポルトガル語。毎授業文学作品について触れる前に、その文学を描いた著者の生い立ちについて学ぶ。毎週次の授業で扱う文学作品の読書課題が提示される。その本は日本の文学作品がポルトガル語に翻訳されたもの。授業内ではその内容が抜粋され、その内容に基づいて筆者が持つ特徴的な文章や表現について学んだり、それだけでなく当時の社会背景や日本の文化も学習する。教授がスライドを元に講義をした後に、本から抜粋された文章が提示され、それを元に生徒同士で互いの意見を交換する。 <授業内容> 6/07 - 川端康成(1889-1972) - 水月(1953) - パート1 6/14 - 水月(1953)パート2 6/21 - 太宰治 (1909-1948) - 女学生 (1939) 6/28 - 俳諧、自由俳句(作品作り) <最終課題> 授業で触れていない日本文学作品(自由選択)を誰かにお勧めする手紙を書く。最大2ページ。
Aspects of Brazilian Culture I
ブラジル文化の側面Ⅰ
講義(地域言語)
480分
受講人数は約20名。外国人留学生のために行われるブラジルの文化について学ぶ授業。同じ教授が一貫して行う授業ではなく、毎回教授は異なり、それぞれブラジル文化の異なるテーマについて学ぶ。特に話し合いの活動はなく、教授が120分間講義を行う。 <授業内容> 6/02 - 教育と文化:現代ブラジルにおける紛争 6/16 - ブラジルの領土形成 6/23 -ブラジルの解釈、昨日と今日 6/30 -ブラジルとロシアの文学的・文化的関係 <最終課題> 今まで受けた授業の中からひとつのテーマを選び、先生から提示された文字数と形式に従って記述する。3-5ページ程度。