月次報告書 2023-07
プロフィール
学科
イベロアメリカ言語学科
学年
3年
専攻
ブラジル・ポルトガル語専攻
留学期間
2023-03-01 ~ 2023-12-31
留学種別
交換
生活編
積もる経験

 7月上旬にはすでに授業が終わっており、残る期末レポートを終わらせると、すぐに冬休みが始まった。留学中初めての長期休み(とはいっても1ヶ月無いが)で、普段よりも多種多様な経験をすることができた1ヶ月だった。 [気候]  サンパウロの7月は、一応一年の中で一番寒い時期らしい。7月中は20度を下回ることが多く、基本長袖を着て生活をしていた。夜はさらに冷えるため、その上にパーカーを着たりしていた。ただ、ダウンジャケットを着るほどではない。 [生活] ・イグアスの滝旅行   旅行の行程はこんな感じ。小さい頃に行ったことがあるため、見たことのある場所、見たことのある物を今の景色と重ね合わせながらの旅行でなんだか嬉しかった。 1日目…夕方ごろブラジル側のイグアスの街に到着。バスで17時間。 2日目…アルゼンチン側のイグアスの滝観光。滝壺に突っ込むボートにも乗った。 3日目…ブラジル側のイグアスの滝観光。(4時間程度) パラグアイ、ブラジル、アルゼンチンの国境に行く。その後は色々な国のダンスを見ながらビュッフェを楽しめるディナーショー。 4日目…Parque Das Avesという鳥類園に行き、飛行機で帰宅。  サンパウロからブラジル側のイグアスの街まではバスで17時間かかる。お金に余裕がある人は往復航空券を買った方が体の負担はないと思う。私は行きはバスでも耐えれると思ったため、シートの中で一番良いCama(ベットになるタイプの椅子で、毛布や枕も付き、映画も観れる。)にした。それでも9000円程度であり、よく眠れるためそこまでの負担がなく、航空券よりは随分と安上がりだと思う。  アルゼンチン側のイグアスの滝では、滝壺に突っ込むことのできるボートツアーに参加した。桁違いの量の滝を浴び、間近で滝を見ることもできてとても楽しかった。またボートで移動している最中にトゥッカーノを見ることもできた。その後滝を見るための遊歩道を歩いているとハナグマに遭遇した。のそのそしていて可愛かった。アルゼンチン側の全ての滝見スポットを回ることはできなかったので、2日間アルゼンチン側のイグアスの滝を見ても良いかもしれない。  ブラジル側のイグアスの滝は、アルゼンチン側に比べ滝全体を見渡すことができた。またそれだけでなく、最後の地点では滝の麓近くにある遊歩道を歩くことができた。やはり滝の迫力がすごく、そこでもたくさんの水を浴びた。  さて。ブラジル側とアルゼンチン側、滝を見るという観点から考えるとどちらが良いと思ったかというと… 断然アルゼンチン側の方が、全体的に間近で滝を楽しめるという点で良いなと思う。人によって好みが分かれるので、ぜひ実際に行って目で確かめてみて欲しい:) ちなみに、アルゼンチン側での言語はどうしたかというと、ポルトガル語で無理やり喋った。案外通じた。もちろん観光地だからというのもあるだろうが、やはり少し似ているので伝わりはするのだろう。  滝以外にも、3国境に行った。今までの人生で実際に国境を目にしたことがなかったため、実際に目でみて「ここが国境なんだ」と感じると言葉にできない不思議な気持ちに包まれた。日が暮れて少しすると神秘的なダンスショーが始まった。国境で見るパラグアイ、アルゼンチンのダンスは魅力的だった。途中で、みんなで踊ろう!真ん中に集まってーという感じの場面があったため、友達と行ってダンスを楽しんだ。  また様々な国のダンスを見ることのできるディナーショーにも行った。これも小さい頃に行ったことがあったが、うっすらとした記憶しかなかったためその記憶を上書きすることができて嬉しかった。国特有の音楽、ダンスを見ていると、やっぱり「文化」っていいなあと感じ、胸が熱くなった。机には国籍の旗を置いてくれて、私たちは日本だったので色々な人が見て驚いてくれていた。  最終日には鳥類園に行った。そこには様々な種類の鳥がいて、アララやトゥッカーノを間近で見ることができた。それぞれ思い思いに鳴いていてとても賑やかだった。ちなみに、アララは私の靴に排出物を落としました、、笑 思いもよらない運がついて嬉しいような嬉しく無いような、、という気持ちだったが、そういうこともあるので要注意!笑 ・2回目の運動会(ibiúna)  ブラジルに家族がいる日本からの留学生に招待され、ご家族のお家に泊まらせてもらい、今年2回目の運動会に参加した。運動会の初めには恒例のラジオ体操をし、国歌斉唱。競技の内容は以前とほとんど同じで、私は100mと600mとリレーに参加させてもらった。100mは2位、600mは3位で少し悔しかったが景品として食料品を貰えたので良し! ・日本祭りとそのボランティア  7月にはFestival do Japãoがあった。先月からボランティアとしてブースの企画準備をしており、やっと本番となった。本番前日には実際に企業の方と面会し、担当場所の説明をしたのだが、とても緊張した。また空いているスペースがあったため、友人と協力し、開催準備で他のブースから出たゴミを集めて、富嶽三十六景の神奈川沖浪裏の貼り絵作った。前日準備は少し時間がかかり、帰宅は日付を回ったがなんだか文化祭の準備みたいで楽しかった。  日本祭りがどういうものかというと、日本に関する大きな文化祭りである。日本のアニメや漫画についてのブースやグッズ売り場があったり、各県(人会)がそれぞれの名産品を販売したりする。例えば、岡山だったらきび団子、愛知は味噌カツ丼、大阪はたこ焼き、などなど。日本祭りには日本人だけでなくたくさんのブラジル人が来ていた。中でもアニメのキャラクターのコスプレをしている方たちも多く、そのクオリティの凄さに驚いた。何度も同じことを言ってしまうが、やっぱり自分の国の文化を他の国の方達が愛してくれているのはとても嬉しい。  日本祭り1日目。思っていたよりもやることがなく、純粋に日本祭りを楽しんだ。念願のきび団子(岡山県人会)を食べたり、沖縄そば(沖縄県人会)を食べたりした。途中で県人会のお世話になっている方に出会い、千葉県人会の会長さんを紹介してもらえ、千葉県人会が出しているサーモンのお刺身や手巻き寿司、天ぷらをご馳走になった。ブラジルで食べるからか、今まで食べたことないくらい美味しかったのを覚えている。また、会長さんにお願いして日本祭り2日目に働かせてもらえることになった。  日本祭り2日目。2日目はありがたいことに千葉県人会と岩手県人会のお手伝いをさせてもらえることになった。朝9時頃に千葉県人会へ行き、お手伝いが始まった。何をするのかとドキドキしていたが、なんと接客だった。注文されたものを取り、お客さんの番号を呼んでお渡しするという形だったが、ブラジル人の方達に「あれ欲しい」や「これはどういう食べもの?」など色々と質問があったりして常にドキドキしていた。お刺身となるとやはり人気で、お昼時にかけてとても忙しかった。14時頃に岩手県人会の会長さんに呼ばれ、今度は岩手県人会のお手伝いをすることになった。お昼はうどんをご馳走になり、その後19時までお手伝いをした。とても忙しい、というわけではなかったので、そこにいるブラジル人の方とたくさんお話をして少し仲良くなることができた。  日本祭り最終日。最終日は少しだけお店を回った後、岩手県人会のお手伝いに行った。最終日にきび団子を5パック買ってストックしておこうと考えていたが、なんと午前中にはもう売り切れていて泣く泣く諦めた。悲しい。その後16時頃に岩手県人会のお手伝いに行った。岩手県人会の方々はとても優しく、居心地が良かった。青森県人会で売っているりんごアイスを買ってきてくれたり、色々な食べ物をご馳走してもらった。20時になり、閉店の準備が始まり、そこであがらせてもらうことになったのだが、たった2日間でも居心地が良かったためお別れする時は寂しかった。  事前準備、そして3日間を通して、たくさんの貴重な経験をさせていただけた。少し忙しくはなったが、確実に自分にとって良い影響があった。また約11年前にお客さんとして来ていた場所にこうして戻れたことは感慨深く、良い思い出となった。 ・Atibaiaの農家さんのお手伝い&日本語学校見学  知り合いの紹介で、USPからバスで1時間半ほどの場所にあるAtibaiaという町の日本人農家さんのお手伝いをしに行った。Atibaiaも日本人が多いとされている町である。サンパウロで栗を栽培しており、基本的に駐在員の方や日本人の方に販売している。栗のロールケーキを作ったり、栗のマドレーヌを作ったりなどなど、日本にいてもあまりやることのない作業を経験させてもらえた。個人的に栗が大好物なため、久々に栗を食べることができて感動した。また、空いている時間にAtibaiaの日本語学校を見学させていただき、その際に教科書を見せていただいたり、サッカーのエージェントをしている方のお話も聞くことができた。また8月に行われる運動会にも招待していただけたので、おそらく参加するであろう。(n回目) ・お部屋での自由生活  7月後半は私以外の部屋の人が皆旅行や地元に帰っており、1人で過ごしていた。4人用の部屋なのでキッチンや共同スペースも広めであるため、友達を呼んで映画パーティーをしたりした。またキッチンを自由に使えるため、ブラジルで初の肉じゃがを作ったり、大学芋を作ったりしてとても楽しい時間だった。 ・サンパウロ案内  ブエノスアイレス(アルゼンチン)にいる神田の先輩とその友人がサンパウロにくるため、サンパウロを少しだけ案内することになった。とは言っても私の用事の関係で、案内できたのはリベルダージだけだった。しかしながら、ウチナーンチュ大会のボランティア以来久しぶりに先輩に会えるのと、「自分がサンパウロを案内する」という立場は初めてだったのでワクワクしていた。やはりリベルダージほど、買える程度の値段で日本食が売っている場所は無いようで、驚いていたのが印象に残っている。少し案内してみてわかったのは、「この数ヶ月でちゃんと自分のポルトガル語は成長していた」ということと、「まだまだサンパウロについて知らないことがたくさんある」ということで、それらを確認できるいい機会となった。またそれとは別に、私が会ったことのない、5年ほど前に神田に留学に来ていたブラジル人ともお話できた。先輩のお友達もそうだが、普通に過ごしていたら会うはずのない人たちとこうして出会え、”出会に感謝する”というのはこういうことかと感じた。 ・おもてなしプロジェクトの山登り  JCIブラジル・ジャパンによって行われているブラジル人と日本人の交流イベントがあり、その第一回目のプロジェクトに参加した。Mirante da Pedra Grandeという小さい山をみんなで登るというもので、とても疲れたが楽しかった。やはりサンパウロには日本人が多いなと改めて感じた。ブラジル人の同い年くらいの子と話をすることができ、新しい場所も知ることができて有意義な時間となった。 行き帰りは貸切バスを使っての移動だったが、帰りのバスにクレジットカード2枚とRNM、部屋のカードキーが入っているケースを忘れてしまうという大失態という言葉じゃ足りないくらいの失態を犯した。運転手の方と会話を交わしていたからか、優しかったからか無事手元に戻って来たためよかったが(不正利用もなし)、一歩間違えれば大変なことになっていたと、後から考えると恐ろしい。疲れていると少し注意力が欠けてしまうというのはしょうがないことだが、だとしてもここは日本ではないため気を引き締めたい。 ・日本人留学生とのお別れ  冬休みになり、半年で留学を終える人たちは皆帰ってしまった。何人かの日本人は、空港までお見送りに行ったが、日本でまた会えるとはいえ少し寂しい気持ちになった。それと同時に、半年後の自分はどんな顔どんな気持ちでブラジルを発つのだろうと考えた。きっと、ブラジルにまだ居たいと思っているのだろうな、そうでありたいな。と思った。 [住居]  最近になって、気になることが増えてきた。その中で特に嫌だなあと感じたのは、”使った食器をすぐに洗わない” ”こぼしたものを拭かない”ということである。それに対する不満はたくさんあるのだが、それはさておき、その散らかった写真をブラジル人の友人に見せると「これは家政婦さんのことが関係しているかもね。」とのことだった。私が住んでいるアパートは、サンパウロの最低月収以上の家賃であるため、ブラジル人であればいわゆる“お金持ち”が住む場所である。ブラジルでは大体、ある程度裕福な家庭は家政婦さんを雇っている。洗濯や掃除は全てその方に任せっきりである。そのため、その家庭で育った子供たちは片付けの仕方や整理整頓の仕方をしっかりと教わらないことがあるよう。なるほどそういうことか!と納得はしたが、とはいえ、そのまま放置すると使いたい場所や食器が使えなくなるため、お部屋のグループラインで共有スペースの片付けについて話した。幸いなことに私を含めた4人中もう1人も散らかり具合が気になっていたようで、少し気が楽になった。改善するといいなあと思うが、すぐ元に戻りそうな気もするため、また声をかけるとなると憂鬱だなあと思う。私のアパートの清掃管理は全て本人たちに委ねられているため、こういう点を考えれば、Dono(大家さん)がいる部屋を選んだ方が気が楽でいいのかもしれない。 [授業]   7月にはほとんどの授業が終了していた。今月はまだ日本文化のテストと留学生向けの授業のレポートが残っていたが、その内容は先月の留学報告書の通りである。今学期はあまり多くの授業をとっていないにも関わらず、復習にたくさんの時間を費やしたと思う。来学期こそは言語心理学やスポーツ系の授業をとりたいなあと考えているが、どうするかは8月の履修期間に見学、体験して決めたいと思う。ちなみに成績はまだ出ていない。ドキドキ。 ※以下はサンパウロへの留学を考えている方へ。参考までに知っておいた方が良い情報を掻い摘んで書いています。(上記と重複有り) あくまでも私の知見です。 —————————————————————————————————————————————————ーーー [旅行(イグアスの滝)] ・航空券  当たり前ですが、旅行に行く日付が決まっている場合は、早めにチケットを買った方が無駄なお金を出費しないで済みます。日付が近づくと一気に値段が上がります、、、:( ・時期  イグアスに行くのは、基本的には雨季(10月-3月)が水量が多くておすすめです。ただし、当然雨が降ることも多いので、天気の写真を撮りたいのであれば乾季(6-8月)がおすすめです。 ・アルゼンチン側のイグアス  ブラジルからアルゼンチン側に渡るバスがいくつか存在します。それらを利用した方が安くすむので良いです。また、ネットに載っているバスの情報は意外と古かったりするので、周りの人に聞いてみた方が良いです。ちなみに、アルゼンチン側に数日滞在する場合は、途中でバスを下車して出国手続きが必要となります。 ・ボートツアー  アルゼンチン側、ブラジル側両方にあります。個人的アルゼンチン側の方がおすすめです。想像よりもたくさん水を浴びるので、カッパを持っていくと良いです。

住居形態
アパート
無線LAN(Wi-Fi)
月額費用
ブラジル レアール
29.203円
内訳 費用(現地通貨) 日本円換算
家賃 2,750 80,308円
水道光熱費 0 0円
学費・教材費 0 0円
交通費 150 4,380円
通信費 35 1,022円
食費・その他 3,767 110,008円
合計 6,702 195,718円
授業編
Japanese Culture I
日本文化Ⅰ
講義(地域言語)
120分
7月は試験1回のみ。 受講数は70人程度。授業の内容は、日本の歴史を勉強していく中で日本の文化について知っていくというもの。日本について学ぶ授業ではあるが、講義、資料ともにポルトガル語で行われる。日本での歴史の授業で学んだ内容は勿論、初めて知る内容も多く、面白い。教授がスライドを見せて講義をする講義形式であるが、合間に問いを投げかけられたりコメントを求められ、それに対して生徒たちは自主的に答える。授業を受けている生徒は皆日本語専攻の生徒で、授業内での発言を聞く限りでは自分で興味を持って調べている方達も多いようである。この授業も同様にスマホを見たり動画を見ていたりする人はおらず、皆真剣に授業を受けている。 授業3回ごとに、1つ課題が出る。3つの問いの中から1つ選び、それについて10-15行程度で答える。 <授業内容> 6/06 - 平安時代の文学 6/13 - 平安時代の宗教、芸術、建築 6/20 - 平安時代の日常生活 6/27 - 飛鳥、奈良、平安時代の文化資料の分析 <最終課題> 試験。最大3人までグループを組むことができ、グループで2つの設問に対しての答えを記述する。量としては2つで約1ページ。今回出されたのは、女性が天皇になることがあった時代についての論述と、神道の特長についての論述。