月次報告書 2023-11
プロフィール
学科
イベロアメリカ言語学科
学年
3年
専攻
ブラジル・ポルトガル語専攻
留学期間
2023-03-01 ~ 2023-12-31
留学種別
交換
生活編
音楽、スポーツ、文学。多分野で楽しんだ1ヶ月

 今月で留学10ヶ月目。今月はボランティア活動や久々の授業たちがある中でも、初めてのサッカー観戦をしたり、バーに行ったりとたくさん楽しめたと思う。もうすぐ真夏で気温も暑くなってきた。気温とは裏腹にヒヤヒヤする場面もあったため、留学が終わるまで何もないように、もう一度気を引き締めたい。 [気候]  11月に入ると、30℃をこえるときがあるくらい、すでに焼けるような暑さになっていた。基本的に半袖で過ごすことが多い。雨が降ったりすると長袖が必要な時もあるが、以前ほど寒くはない。サンパウロは、日本のように湿気はなく、カラッとした日差しの強い暑さなため、気温は高く暑いことに変わりはないが、少しはマシだと感じる。 [生活] ・USP内のブックフェア  USPの中で、年に1度ブックフェアが行われる。50以上の出版社が集まり、50%以上安く多種多様な本を販売する。そのためこの日のためにお金を貯めている人や、USP外からも人がたくさん集まっていた。トンネル状のテントに、50社以上の出版社とたくさんの人が集まっていたため、とても混んでいて暑かった。 私はこのブックフェアに2回行った。というのも、数時間だけではみ終わらないほどの本の量であり、且つどれも面白そうな本ばかりなのでみているだけで自然と、時間が過ぎていってしまうためである。教育書やUSP以外の大学の教科書、アート系の本や楽譜、小説、子供向けの本、そして漫画などが置いてあった。もちろん日本の漫画(ポルトガル語ver)もずらっと置いてあり、少し人だかりもできていた。  私は1日目、2冊の本を買い、2日目には3冊の本を買った。合計5冊を3000円くらいで買うことができた。普段本屋さんでみていて買いたいけど値段で買うか迷っていた本など、本当に安くなっているのでUSPに留学する人はぜひ覗いてみてほしい。  ちなみに本当に人が多いため、スリと落とし物に気をつけるべきです、、。私は2日目、ちょっとの気の緩みで、Bilhete ÚnicoやBUSP、部屋のカードキーをなくしてしまった。センターポーチに入れており、私はいつもそれを抱えているのでスリではないのだが、落とし物でも、人が多く敷地も広いため見つけることができなかった。幸いどれも再発行できたから良かったが、もう一度忘れ物にも気をつけて過ごすようにしたい。 ・合計3枚になったUSP学生証  カード類を無くした後、CCINTにはBUSPを失くしてしまったと伝えたのだが、学生証も新しく発行してくれていた。私はブラジルに来た頃、学生証を他の方の写真に取り違えられており、その後私の写真のものが新たに到着した。そしてまた学生証が届くため、合計3つになるのである。 留学10ヶ月にしてやっと1枚目の取り違えられた写真の方を見つけ出すことができた。その方は私と同じ名前の方で、コロナウイルスが流行る前にUSPへ留学に来ていた方だった。顔は全く違うのに、どうやって間違えたのだろうと思っていたが、日本人であり同じ名前となるとややこしくなってしまうのかもしれないと納得した。笑 ・Havaianas  ブラジルではHavaianas という、ビーチサンダルの会社があり、有名でよくお土産に購入されている。中には、サンダルの紐の部分にピンをつけたりしてアレンジできるお店もある。私も11年前にアレンジし、購入したのを覚えていて、そのお店がどこにあるのか探したところOscarFreireという高級街にあった。そこのお店は店舗が大きく、サンダルやピンの種類も豊富なため、ぜひいってみて欲しい。 ・ショーロ(楽器)のショー  ブラジルでは、バーなどで、ブラジルの楽器を用いて演奏されている。私はショーロを習っている留学生の友達の紹介でショーロのショーに行った。普通の音楽が流れているバーでももちろん良いのだが、ショーロなどの楽器を用いた演奏があると、とても落ち着くため好きである。友人のおかげでこういったイベントに行くことができて、感謝感謝である。 ・男子サッカー観戦(ブラジル対アルゼンチン)  21日に、ブラジル対アルゼンチンのワールドカップ練習試合がリオのMaracanãスタジアムであった。Maracanãスタジアムは、オリンピックの開会式で使われた場所でもある。試合のチケットを取るのはとても大変で、かなりの人がこの試合のチケットを欲しかったのか、まるでライブのチケットを取るかのように永遠にクリックしていたらようやくチケットを取ることができた。そしてまた大変だったのが、チケットを正式なものに交換することである。スタジアムではなく周辺の交換所で交換しなければならず、時間予約もないため、とても暑い中日向で2時間くらい待ち、ようやく交換できた。  私はこの試合のために事前にオフィシャルユニフォームを買って、試合に臨んだ。スタジアム周辺には偽物のユニフォームを売っている人がたくさんいたり(これはブラジルでは普通で、売っている人も買ってきている人も日常的にいる)、飲み物を売っている人たちがいた。ホーム試合のため、当たり前ながらブラジルサポーターばかりなのだが、たくさんの人がいた。実際スタジアムに入ると、米粒のような量の人が入っていた。アルゼンチンのサポーターは、私の席とは対角線状に固まっていた。  ブラジルの選手が入場し、選手紹介が始まると、ブラジルのサポーターたちは大きな歓声をあげていた。その間、どうやら私の対角線状、アルゼンチンのサポーターとブラジルのサポーター同士で乱闘があったようで、そこにリオの警察が警棒を持って介入し、警棒を振り翳してボコボコに殴るというある意味事件が発生して、試合開始が30分遅れた。警棒で殴られたことによってたくさんの血を流している人もおり、アルゼンチンの選手たちは心配して駆け寄ったりしていた。これらの全体の詳しい流れは、後でTwitter(x)で知ったのだが、実際その時はその場所がモゴモゴしているということしかわからなかった。全く別で試合を観に来ていた友人はその近くにいたようだが、特に何も被害はなかったようで、念の為巻き込まれずに逃げれるよう上の方の席をとっていた私も後で思えば危なかったなあと少しヒヤヒヤした。やはり、サッカー大国のアルゼンチンとブラジルの戦いは、明らかに行き先が良くないのはわかる。また、クラブチームの試合も同様に乱闘があるようで、有名なチームのサッカーの試合を観に行くのが一番危険な行為なんじゃないかとすら感じた。とはいえ、試合はとても面白く、ブラジルもアルゼンチンに対してかなり攻めていたが、後半にスカッと1点決められてしまった。ブラジルのサポーターはアルゼンチン側がしたファールやシュートに悉くブーイングしており、きいていて面白かった。  結局そのまま試合は終了し、0対1でブラジルは負けてしまった。試合が終わるとブラジルのサポーターはそれぞれたくさんの文句を言いながら早速帰っていて、それもなんだか正直で面白かった。 初めての試合観戦で、強い国同士の代表戦を見ることができ、チケット取りの大変さがどうでも良くなった程楽しい時間だった。 ・泊まらずのリオ(3回目)  私と日本人、イギリス人留学生で、ブラジル対アルゼンチンの試合観戦をするためだけにリオに行き、試合開始までの間、数カ所観光した。 まず初めにセラロン階段(2回目)を訪れた。前回とは異なり昼間だったため綺麗に階段が見えて良かった。傍には、いろいろなものが描かれたたくさんのタイルがあり、その中に阪神タイガースのタイルがありとても驚いた。  次はリオデジャネイロ大聖堂を訪れた。中に入るのは初めてで、ステンドガラスがとても綺麗だった。カトリックの大聖堂だということはわかるのだが、それ以上は何もわからず、ただただ綺麗だと思った。 最後にMuseu do amanhãを訪れた。ここもリオで有名で、地球の問題に焦点を当てた博物館である。その日は運良く入場無料の日だった。ブラジルではそれぞれの美術館や博物館で無料の日が設けられていたりする。 博物館の中には、プラネタリウムのような空間で映像を見れるようなところもあり、地球問題について考えさせられたりと、楽しくも充実した時間になった。  試合を観た後、本当はすぐに帰りたかったのだが、バスのチケット取り合戦に負けてしまったため、朝5時までの約5時間、バスターミナルで待たなければならず、私もイギリス人の友達もとても疲れていた。5時間の間特にすることもなく、眠りたいが安心しては眠れない状況でぼーっと5時間過ごし、サンパウロの自宅へと帰った。 リオは3回目だったが、今回でやっと有名どころを全て回れたのでとても良かった。回数を重ねると、リオはサンパウロ近所のように感じるようになる。それだけリオに行けているのは嬉しい。 ・朝食bandejão&初めてのFísica  11月になり、ようやく初めて朝食のbandejãoに行った。朝は50centavos(15円)で食べることができる。出されるのは、パンと飲み物(牛乳、チョコミルク、コーヒーのどれか)、そして果物である。私は朝食たくさん食べる人なので少し物足りなく感じたが、にしても15円で食べれるのは本当にすごいところだと思う。 USPには約5つの学食があり、QuímicaとCentralは行ったことがあったがそのほかはない。今回初めてFísicaの学食に行くことができた。ここはそこまでQuimicaとかわらなかったが、メニューが少しだけ違うよう。私はいつも行っているCentralの次にこの学食が好きだった。 ・クリスマス  ハロウィンが終わり、11月に入ると、もうすでに街はクリスマスの飾り付けがされていた。クリスマスツリーが飾られていたり、オーナメントが売られていたり。中には打楽器のオーナメントが売っていたりしてとても可愛かった。  ブラジルのショッピングセンターには、サンタさんが出没するようで、私は少なくとも3つのショッピングセンターで3体のサンタさんを見つけた。一つのショッピングセンターでは少し隠れたところにサンタさんがいた。無料で写真を撮ることができ、私は別々の機会に2回写真を撮ってもらった。サンタさんは本物みたいで、お髭も白かった。  ブラジルのクリスマスで有名なのがpanetoneというお菓子(ケーキ?)である。クリスマス時期になるとたくさんのパネトーネが並ぶ。近くのスーパーでは、私の大好きなdoce de leiteというお菓子の場所がパネトーネに占領され、ついには無くなってしまった。それくらいpanetoneはクリスマスの重要なものである。 ・留学生の会  12月に控えた、ブラジル留学生の会(学生と駐在員の方のお話会)の幹部としての準備も忙しくなってきた。直前で都合のつかなくなった方もおり、そういった面での調整などで慌しかった。就職活動がまともにできない留学生活の中で、実際にブラジルに来てお仕事をされている社会人の方々とのお話は非常に価値のあるものだと思うため、より充実した会になるようにと私と先輩2人は空いている時間を準備に費やした。 [授業]  日本文化の授業では、第1回目のテストがあった。私は元々歴史が大の苦手ではあるが、日本人であるため、ブラジル人よりも点数がもらえるように勉強した。が、結果は悲惨だった。苦手なものは苦手なんだと、そう思ったが、やっぱりブラジル人からしたら「日本人は日本のことを知っていて当たり前」であるため、少し悔しかった。 *写真左:サッカー観戦とリオ 写真右:ブックフェア、クリスマスとショーロのショー ※以下はサンパウロへの留学を考えている方へ。参考までに知っておいた方が良い情報を掻い摘んで書いています。(上記と重複有り) あくまでも私の知見です。 —————————————————————————————————————————————————ーーー ・クレジットカードの郵送  私は追加でクレジットカードをもらうために、日本から輸送してもらいました。もちろん犯罪に遭うという怖さはあったが、必要だったため仕方なく郵送してもらいました。 セキュリティ対策としては、あらかじめ海外からの使用をブロックしてから郵送すること、また関税で中身をわざわざ確認されないために、お菓子など余計なものは入れず、封筒便(もちろん追跡あり)でスキミング防止をした上で頑丈なダンボールに包み送ってもらいました。封筒だと2週間以内には到着しました。また無事不正利用もなく、関税もかかりませんでした。  送らないに越したことはないですが、クレジットカードがブラジルで盗まれてしまったり、止まってしまったりし、本当に必要な場合は、この送り方を参考にしてみてください。 ・カード類の再発行  上記で述べたとおり、私はBilhete ÚnicoやBUSPなどのカードたちを失くしてしまいました。もし失くしてしまった場合、どちらも再発行はできるようです。  Bilhete Únicoは、ネットで2a via(2枚目のカード)を申請します。そして自宅郵送ではなく直接受け取りを選択した場合、USPの近くではPinheirosで受け取ることができます。値段は1回目に作った時と同じで、30レアルほどかかります。受け取りは3日でできました。  BUSPについては、CCINT(留学生課)の方に「カードを無くしました」と連絡してください。そうすると新たなカード申請を行なってくれます。値段は1回目のように無料ではなく、19レアルほどかかりますが、毎回お金を支払うよりは十分マシです。受け取りは約1週間ほどでできました。  また、もし残りの留学期間が少なく、元を取れそうにない場合、TOPというアプリを使うとSuica代わりに使用できて便利です。TOPはカードもありますがアプリの方が簡単で荷物も増えなくて済むので便利です。毎回現金を支払ったりするのはとても面倒なのでおすすめです。 ・返信が来ない時、間違いがあるとき  学生証のことがあったように、ブラジルではよくこういったミスがある。特に、よくお世話になる留学生課の方は、忙しいのかミスも意外と多いため、少し返信が遅い時や、何か間違っている時は追ってメールを送ったり、しっかりと伝えることが大事である。少ししつこいかも、と思ってしまうかもしれないが、単に忘れられている可能性もあるため、積極的で大丈夫です。

住居形態
アパート
無線LAN(Wi-Fi)
月額費用
ブラジル レアール
30.0589円
内訳 費用(現地通貨) 日本円換算
家賃 2,750 82,662円
水道光熱費 0 0円
学費・教材費 0 0円
交通費 90 2,705円
通信費 36 1,082円
食費・その他 1,967 59,126円
合計 4,843 145,575円
授業編
Psycholinguistic
言語心理学
講義(地域言語)
360分
生徒数は70名ほど。言語習得(特に幼少期)について。予習のために本が提示され、その本の内容に沿って教師がスライドを使って説明する。 授業の雰囲気はとても活発で、生徒の意見もたくさん飛び交い、その意見に対し別の生徒が助言をすることもある。授業内容自体は難しく、顔を顰めている生徒もいるほどである。 <授業内容> 11/6 - Chomskyの合理主義理論。普遍原理とパラメーター。 11/13 - Chomskyの合理的主義理論(2) 11/27 - 子供の言語におけるヌル主語。
Japanese CultureII
日本文化Ⅱ
講義(地域言語)
360分
生徒数は30人ほど。授業の内容は、日本の歴史を勉強していく中で日本の文化について知っていくというもの。後期は鎌倉時代から江戸時代の範囲を勉強する。日本について学ぶ授業ではあるが、講義、資料ともにポルトガル語で行われる。日本での歴史の授業で学んだ内容は勿論、初めて知る内容も多く、面白い。教授がスライドを見せて講義をする形式であるが、合間に問いを投げかけられたりコメントを求められ、それに対して生徒たちは自主的に答える。授業を受けている生徒は皆日本語専攻の生徒で、授業内での発言を聞く限りでは自分で興味を持って調べている方達も多いようである。 <授業内容> 11/10 - 安土桃山時代(1573-1603)。天下統一。関ヶ原の戦いと戦国時代の研究動向。 11/17 - 第1回テスト(選択と記述問題) 11/24 - 江戸時代。
Morphology of PortugueseI
ポルトガル語の形態論Ⅰ
講義(地域言語)
360分
生徒数は80名ほど。単語分類、単語形成や形態素の基礎など、ポルトガル語がどのような構造をしているかについて学習する授業。授業形式としては、もちろん教師による説明もあるが基本的にはクラス全体で一つのテーマについての先生対生徒のディスカッションが大半を占めている。最終課題や試験はなく、週ごとの授業リフレクション&ミニ調査のレポートを毎週提出(投稿)し、それが評価される。USPでは稀な評価方法だと思う。 授業の雰囲気としては、意見が活発に出ておりディスカッションも盛り上がっているように感じる。また毎週のレポートは他の人も閲覧することができる。様々な人の考え方を知ることができ、非常に面白い。 <授業内容> 11/10 - ストライキ前の内容の復習。ポルトガル語の形態素(性、ゼロ形態素、複数形態素など) 11/17 - 形態素の定義と例(付加形態素、代替形態素、冗長形態素、累積形態素など) 11/24 - ポルトガル語の単語形成。新しい語彙。意味論関数。表現機能(FE)
Curso de Conversaçao e Escrita em Português para Estrangeiros- Nível C1
外国人向けのポルトガル語、会話、筆記ーC1 応用レベル
語学(地域言語)
480分
生徒数は10名ほど。留学生や、外国人向けの授業。開講されているポルトガル語授業の難易度としては一番上である。ポルトガル語の文法やコミュニケーションを学ぶ。毎週少し多めの宿題がある。初めはアルファベットから始まり、その後難易度が上がっていく。 <授業内容> 11/7 - 基礎的な内容の復習(受け身)。Machado de Assisの"UM BILHETE"の読解。話法、間接話法の練習。 11/14 - 先住民に関する憲法の議論について書かれたニュースを理解するとともにそれを用いた直接・間接話法の練習。 11/21 - ブラジルの歴史について。 11/28 - ストライキにより延期。
Sports journalism - the agenda beyond soccer
スポーツ・ジャーナリズム - フットボール以外の課題
講義(地域言語)
480分
生徒数は40名ほど。配属される学部とは別の学部(芸術コミュニケーション/ジャーナリズム)の授業。スポーツに興味がある人が集まった授業で、特にサッカー好きが多い印象。スポーツジャーナリズムについて、実践的な活動を含めて勉強する。ジャーナリズムのついて広い知識を持っており、発言をする人が多い。 <授業内容> 11/9 - 学部に併設されているテレビスタジオで、本格的なカメラを使って人を映す実践的な練習。4つの点を意識した空間。 11/16 - Gazeta Esportivaのディレクターによる講義。前回の授業を活かして簡単なビデオ撮影練習。 11/23 - ジャーナリスト兼教授による講義。スポーツジャーナリズムにおけるテクノロジーの影響について。 11/30 - 最終レポートの説明。