留学成果報告書 2023-12
プロフィール
学科
イベロアメリカ言語学科
学年
3年
専攻
ブラジル・ポルトガル語専攻
留学期間
2023-03-01 ~ 2023-12-31
留学種別
交換
総括編
ブラジル・サンパウロ留学 まとめ

基本的情報については私の留学報告書に詳しく記載してあるため、 詳しく知りたい方はそこを確認してください。 各月の下の方には留学する方に向けて必要な情報をまとめてあります。 【派遣先大学について】 (1) 基本情報 ・設立年 1934年 ・学生数 約97000人 ・設置学部 哲学、文学、歴史学、社会科学、デザイン学、法学、経済学、出版学、体育とスポーツ学、教育通信学、看護学、舞台芸術学、視覚芸術学、天文学、経営学、建築と都市計画学、ジャーナリズム学、レジャーと観光学、マーケティング学、数学、応用数学、応用ビジネス数学、応用数学と科学計算学、医学、応用獣医学、応用気象学、音楽、栄養学、栄養と代謝学、産科学、海洋学、歯学、教育学、心理学、広告学、化学、国際関係学、広報学、公衆衛生学、情報システム学、作業療法学、テキスタイルとファッション学、観光学、動物科学、統計学、薬学、経済ビジネス学、物理学、計算物理学、医学物理学、理学療法学、言語聴覚療法学、地球科学と環境教育学、地球物理学、地理学、地質学、老年学、環境マネジメント学、公共政策管理学、食品工学、生体システム工学、コンピューター工学、材料工学、材料製造工学、鉱業工学、石油工学、生産工学、電気工学、物理工学、林業工学、機械工学、メカトロニクス工学、冶金工学、海軍工学、化学工学、航空工学、農業工学、環境工学、生物化学工学、土木工学、食品科学、精密科学、物理・生体分子科学、視聴覚学、バイオテクノロジー学、農業科学、数理科学、生物科学、生物医学、会計科学、コンピューターサイエンス学、自然科学、生物医学情報学 ・その他 サンパウロ大学はブラジル最大の研究大学であり、ラテンアメリカで事実上一番難関な大学。 サンパウロ州内に8つのキャンパスがある。公立なため授業料は無料。日系人が14%を占める。 (2) 所属した学部、コース、プログラム等(原語および日本語訳) 文学部(Letras) (3) プログラムの概要 ・履修可能な授業、所属学部選択の制限など 基本的にはすべての授業の履修が許可されている。哲文人間科学部内の授業でも、先生が留学生を受け付けていない可能性もあるため、登録期間に、履修可能か確認する必要がある。 ・学部留学の場合:選択した学部・学科以外の授業を履修できるか 基本的には可能。哲文人間科学部以外の学部でも授業を受けたい場合は、現地での履修登録の際にその学部の留学生課に相談する必要がある。成績処理など管轄が異なる。 ・学部留学の場合:語学コースを並行履修できるか 有料だが可能。 Centro Interdepartamental de Linguasというセンターがあり、そのHPで受講申込ができる。 A1からC1の3つのレベルでの授業がある。(C1は上級者向け) 前期後期それぞれで授業が行われている。 私はC1レベルを受講したが、約3カ月間(週に1回)で計30時間。費用は約R$156(4680円程度)だった。 A1の授業期間は5日間、計10時間。費用はR$132(3960円程度) B1の授業期間は3カ月間、計30時間(週に1回の授業)。費用はR$156(4680円) (4) 大学の雰囲気、留学生や日本からの学生の割合や人数 大学の敷地はとても広く、東京ドーム79個分ある。自然が豊かで、敷地内に博物館なども何個かある。日系員が多く全体生徒数の14%も存在する。日本語を勉強する専攻もあり、日本について興味を持っている人も。 大学内にはバスが通っており、8012、8022、8032のバスであればBUSPというカードを使うと無料で乗ることができる。 日系人が多いからか、留学生と日系人の見分けがつかず、話しかけに来る人達は他大学に比べ少ないように思う。 前期の全体の留学生数は50人くらいだった。そのうち日本人留学生は11人居た。最も多かったのはフランスからの留学生。日本以外の留学生は大体が半年で別の国へ留学しに行くか、自国へと帰っていた。 (5) 課題や試験 ラテンアメリカ最難関と言われるほどあり、間違いなく課題はKUISに比べとてつもなく多いと思う。履修する授業にもよるが、1週間以内に100ページ以上を読まなければならないこともある。試験については、当たり前ながら他言語のため難しい。授業によってはブラジル人と同じ様に試験を受けることは非常に困難であるため、試験内容が発表されたあと「なにか別対応ができないか」を先生に尋ねることが必要である。私の場合は、何も変わらなかったり、採点が少し甘くなったり、一個テストがなくなったり、辞書の持ち込みを許可さり、、などした。 (6) 困ったときに相談できたか、相談窓口はどこか、どのようなサポートを受けられたか 特に大きな相談をするようなことはなかったが、基本的にCCINT(留学生担当の課)にメールか直接連絡すれば最大限に助けてくれる。もしくはおそらくどこかの課を紹介してくれたりするはずである。困ったらCCINT。ただし返信を忘れられてしまう場合もあったため、数日待って返信が来ない場合は再度連絡すること。 (7) オリエンテーション 1年間の留学だったが、前期後期それぞれにオリエンテーションがあった。オリエンテーションでは学生カードがもらえ、色々な手続きについての説明がある。RNM(外国人登録カード)の説明についてもこの日にある。後期のオリエンテーションは、あくまでも新しい留学生のためのものであるため、必須ではないが、無料学食券がもらえるのと新しいお友達作りに良いと思う。 ※学生カードの名前や写真が自分と一致しているかどうかをきちんと確認すること。私は他の方の写真と取り違えられていました。 (8) 履修登録 渡航前にも履修希望調査のようなものがあるが、その際はあまり真剣に履修を悩まないで選択して良い。渡航後にオリエンテーションがあり、その日から2週間自由に授業を見学できる期間がある。(KUISと同じような感じ) 基本的に履修できる授業に制限はなし。ただしその期間中に授業へ行き、先生に自分は留学生だと伝え、履修してよいかどうかを確認する必要がある。2週間を終える頃、Emailで履修登録用のリンクが送られてくる。そのリンクで登録すれば完了。ただし各授業ごとに人数制限があるため早いもの勝ちである。 別の学部の授業を履修する場合、その見学期間にその学部の留学生課を訪ね、用紙をもらい記入する必要がある。上記のリンクでは他学部の履修登録はできないので要注意。 【自身の留学について】 (1) 留学を決意した理由 私は留学自体は中学校の頃に決めていた。しかし留学したい国は決まっていなかった。私は小学校の頃にブラジルのサンパウロに住んでいたのだが、日本に帰国してからブラジルへの興味が自然と強まっていった。当時外国語に興味を持っており、英語以外に何を勉強するのが良いか考えた。そして高校生のとき、大学生になったらブラジルに留学することを決めた。私には将来の夢があり、それが実現するためにはブラジルに留学をすることが必要であると考えていた。ただ言語だけを知っていても、その国に住んだことがないのであればそれはペーパードライバーと同じようなものであると私は考えている。そのため私は実際にまた住んでみて、色々な考えに触れようと決意した。 (2) 留学先を選んだ理由 私がブラジルのサンパウロを選んだ理由は、幼少期の経験が関係する。私は小学二年生の頃(約12年前)にブラジルサンパウロに住んでいた。というのも父が教師で、サンパウロ日本人学校へ文部科学省に3年間派遣されたことにより、私も日本人学校に通うことになったためである。サンパウロは私にとって原点で思い出の地であり、その景色をもっと鮮明に、そして今のサンパウロとブラジル人を知るためにこの地を選んだ。そしてUSPはラテンアメリカで最難関と言われるほどの大学で、私が興味を示していた「心理学」と「言語心理学」を学べる場所もあるというのも理由の一つである。治安が悪いで有名なサンパウロだが、日本人も多い。私は実際に生きて帰ってきたという幼少期の経験から、サンパウロでも危機管理を徹底すれば、やむを得ない場合大丈夫だとそう思ったためサンパウロに留学することを決めた。 (3) 留学のためにした準備/しておけば良かったと思う準備(学習面) 私は留学のために、できるだけ単位を取っておくようにと考えていた。またもちろん留学すると決めているからには、授業は休まず真剣に受講し、成績もできるだけ取れるようにと心がけていたつもりである。また1年時の頃からMULCのチャットタイムには週1回必ず参加していた。そのおかげで私は留学し始めの頃に「ブラジル人は話すのが速い」ということで悩まなかった。その他にも学内の暗唱大会に参加したり、ウチナーンチュ大会でのポルトガル語を使用したボランティアにも参加した。 また、留学先で受けたいと考えている授業の分野については、予め日本語で勉強しておいた。日本語でもわからない内容であれば、その国の言語ではなおさらわからないためである。しっかりと、でなくとも大まかには理解しておくと、現地で勉強しやすくなると私は思う。 私はもちろんポルトガル語に関して、聞く練習や読む練習など全てにおいてもっとやっておくべきだったと思う。しかしながら私がもっと勉強しておくべきだったと感じたのは英語である。ポルトガル語が話せないのであれば、英語を話せば通じるのだが、私はうまく話せなかった。というのも私はポルトガル語にばかり熱が入ってしまい、留学前の最後の頃は若干英語が疎かになっていたからである。そのせいか英語が頭に出てこず、喋ることができなかった。ポルトガル語も英語も少ししか話せないとなると、友達作りも難しくなってくる。またどの言語を話すにしても、「難しい言葉を自分が分かる言葉に置き換えて話す」という力は非常に大事だと思う。ポルトガル語よりも先に、まずそれを第1段階の英語でできていなかったため非常に苦労した。別言語ではあるが、英語ができていれば外国語の話し方や、聞き方、読み方など「方法」ですごく役立つのだと感じた。 要するにブラジルに留学する人たちは、どちらかに偏らずMULCとSALCで会話練習を行うべきだと私は思う。 (4) 留学のためにした準備/しておけば良かったと思う準備(生活面) 私は高校の頃に既にブラジル留学を決めていたため、アルバイトでコツコツ貯金をしていた。結局のところ留学終盤から少し金銭面的にきつくなってしまったが、アルバイトを頑張っていたからこそ(もちろん学業優先で)まだ終盤で済んだのだと思う。もう既に留学を決めているのであればちょっとずつでも貯めておくと良いかもしれない。 またブラジルには日本の文化に興味のある人がたくさんいる。特にアニメや漫画である。USPの日本語専攻のほとんどの学生はアニメや漫画好きだったように思う。私は特に漫画やアニメを良く知らなかったため、話題作りやそれらの話を振られたときにうまく返すことができなかった。歴史と同様、アニメや漫画についても、「日本人だから知っている」という前提で話しかけてくるので、時間があるのであれば有名どころはおさえておいたほうが良いかも。 そして私が1番にしておくべきだと思う準備は、自らのコミュニケーションの取り方をより良くすることである。日本で日本人と日本語で話す時にできないことは、留学中に急に行おうとしてもできない。そのため日本にいる時から留学中のことを少しでもイメージして行動しておくと良い。 (5) 留学中の交友関係 留学中の交友関係で一番広まりやすいなと感じたのは部活とスポーツの授業である。部活とスポーツの授業は、授業に比べ周りの人と話す機会が多い。私は前期のはじめ、授業しか受けていなかったため、なかなか交友関係が広まりにくかった。しかし陸上部に入り、後期にはスポーツの授業を履修すると、周りの人と会話する機会も増え、友人も増えた。スポーツを行っている人たちは基本的には社交的なが多いため、友達作りにはおすすめである。 (6) 授業についての全般的な感想、学んだこと USPでの授業は、入退出が自由である。普通に遅刻してくる生徒もいるし、授業の途中で抜けてしまう人もいる。飲食は自由のようではあったが、流石にお菓子を食べている人は居なかった。 出席は、紙にサインすることで出席とされる。リストが毎授業回ってくるので、そこにサインすれば良い。各学期の最初の方、留学生はまだリストに名前が追加されていないため、自分で付け足す必要がある。WhatsAppには各授業のグループが存在し、その中で「リストはもう回った?」や「私の分サインしといてくれない?」などわちゃわちゃしているため、リストがまわったかまわってないかはそこで確認できる。 日本の授業に比べ、サンパウロ大学の授業での生徒の態度は積極的だった。皆手を上げて質問をするし、生徒同士で意見を交わしたりする。先生がなにか問いかけると、誰かは必ず発言する。KUISの一部の授業のように無言の時間が存在しない。この積極性は本当に見習うべきであるし、こうであらなければならないとさえ感じた。特に日本はお金を払って大学に行っているので、授業の時間は貪欲に使うべきであると私は思う。 ブラジル人の視点で教えられる授業たちはどれも興味深くて、私が共感できることもあれば、違うなあと感じることもあった。 日本とは異なり、ストライキで授業がなくなることも頻繁にあるため、授業が始まったら同じ授業のブラジル人に聞いてWhatsAppグループに入り、授業があるかないか通知を確認すると良い。 (7) 授業外で参加した活動 私は陸上部に所属したり、沢山のボランティアに参加したりした。 ・陸上部 各学部に各部活がある。FFLCHの陸上部にはインスタグラムアカウントがあったためそのアカウントにDMで話しかけた。練習時間を教えてもらい、「その時間に来るだけでもう参加できるよ!」と言われたため、時間通りに行き練習に参加した。周りのブラジル人に聞けば、アカウントや練習時間を知っていると思うので、聞いてみることをおすすめする。 ・ボランティア 私が沢山のボランティアに参加するきっかけとなったのはすべて日本人である。サンパウロには留学生の会というものが存在し、それを取り仕切っている味の素の駐在員さんがきっかけで、日本祭りのボランティアや卓球バレーのボランティアなどをすることができた。留学をすれば、必ず留学生の会の情報が流れてくると思うので、それに参加し、ボランティアに参加したい人は聞いてみると良い。 (8) 授業外の活動についての全般的な感想、学んだこと 留学生活での学びの多くは、私が行ってきたボランティアの数々によるものだと思う。私は基本的に選ばずにボランティアを行ってきた。よって多種多様な経験をすることができ、自分の新たな一面を知ることもできた。大学生のうちに色々な経験をしておくと、多方面からの考え方や経験が身につくためとても良いと思う。 (9) 留学で達成した最も大きなこと 私が留学で達成した最も大きなことはポルトガル語の能力だと思う。話すことも聞くことも成長した。 これは留学生ほぼみんなが達成するであろうことだと思うため、あえて私は「自分について知った」ということについて述べたい。私は正直なところ、留学するまで自分について知らなかったし知ろうとしていなかった。もちろんある程度は知っていて、何も知らなかったわけではない。私は留学期間中、かなり悩むことがあった。自分の行動について反省したり、自分以外の人によって傷つけられ夜も眠れない日もあった。また、日本にいるときよりも様々な考え方に触れることで、比較対象が増え、自分について考えるようになった。悩むべきことは一度立ち止まってしっかり悩むことで自分について段々と分かってきたように思う。何が得意で、何が不得意なのか、こういったときにこう行動してしまうのが自分で、どうしなければならないのか。などなど、留学生活を行ったからこそ見えてきたのだと私は思う。 (10) 今後どのような学習を継続していきたいか 私は留学はあくまでもはじまり、もしくは通過点に過ぎないと思っているため、日本に帰ってからは今以上に言語学習に取り組みたいと思う。日本に帰ったら、必然とポルトガル語に触れる機会は減る。そうした中で私はMULCのチャットタイムを利用する以外にも、空いている時間にはアプリを利用してブラジル人と会話をしたり、ポルトガル語を聞いたりしたい。そうすることによって、今と同じくらいポルトガル語を使用できると思う。またCELPEBRASという試験もあるためその試験に向けても上記の方法を利用して勉強していきたいと思う。 【渡航・滞在先住居について】 (1) 派遣先への出願 交換留学であれば国際戦略部の方が案内してくださると思うので、それに従い、期日を守るようにすれば問題ないと思う。またCCINT(USPの留学課)の方に対してのメールも、できるだけ失礼のないように心がける必要がある。しかし相手側はこちらが外国人であるということを知っていて、まだポルトガル語を自由に操ることができないことも知っているため、言語面で心配する必要はない。 (2) ビザ申請 ドルのレートによって預金しなければならない額が異なる。通常100万円預金されていればOKだとされているが、私の時期は135万円以上必要だと指摘された。ビザ申請を行う前に念のため確認しておくとよい。ビザ発行には1週間程度かかった。もちろんこれは時期によって変わるため、1ヶ月かかることもあるそう。 帰りの航空券を購入していないと、授業期間が終わってすぐまでのVISAとなるため、帰りの航空券を購入しておくと、余裕を持った期間のVISAが発行されるかもしれない。 (3) 航空券を予約した方法 私はemiratesが良いと思ったため公式サイトを利用してドバイ経由の航空券を購入した。Skycannerでは航空券の値段を比較できるため、そこを見てみても良いかもしれない。また、航空券は早めに買ったほうが格段に安く購入できる。そして日付変更可能な券を購入しておくと、なにかあった際に手数料無しで変更できたりするため念には念をでそちらを選択しても良いかもしれない。 (4) 渡航したルート エミレーツ航空 成田国際空港→ドバイ国際空港→グアルーリョス空港(サンパウロ) グアルーリョス空港(サンパウロ)→ドバイ国際空港→成田国際空港 (5) 最寄りの空港から大学または住居までの移動 住居まではiFriends(USPの留学生サポーター)がUberタクシーを呼んでくれ、車に乗って行った。 出願の際にiFriendsをお願いするか否かの欄があるため、お願いしたほうが色々と助けてくれるため良い。出願後しばらくして連絡が来るため、お迎えにこれるかどうかは早めに確認するように。 もし来てもらえない場合、私と同様にUberタクシーを呼び住居へ向かうか、もしくは側にとまっているタクシーの運転手にお願いする事もできる。Uberではなく普通のタクシーであると、値段も高い上に不当に請求される可能性もある。また行き先なども口頭で正確に伝えなければならないため、Uberタクシーを呼ぶことをおすすめする。ただし、グアルーリョス空港のWiFiがうまく機能しないこともあるため、そういった場合は普通のタクシーを利用するか、地下鉄を利用しなければならない。 地下鉄の場合、まず空港からCPTM(電車)までの無料バスに乗る。そしてCPTMのチケット売り場でチケットを購入し、Luzまで乗車。USPの近くに住んでいる場合は黄色い4番の電車に乗り換え(無料)、Butantaまで乗車。そこから徒歩かタクシーで移動。ができる。 しかし時間帯によってはとっても危険で、且つ時間もかかり疲れているので、お金を出してでもタクシーで住居へ向かった方が良い。 (6) 滞在先住居を探した方法 サンパウロ大学の寮はない。そのため自分で探す必要がある。いつ探したか、探し方については私の留学報告書の序盤の月の下の方に詳しくまとめてあるため、それを見てほしい。 簡潔に書くと、私は現地の状況を実際に目で見て把握するために、はじめはAirbnbで1ヶ月住む住居を探した。その後結局のところ忙しくなってしまって、住居が決められず1ヶ月以上滞在を延長した。その時点で4月になってしまい、Facebookのグループで部屋を探していても空きが出た住居はもう埋まってしまっていた。残っているのはあまり良くない大家さんが管理している住居か、ルールがとても厳しい住居、家賃が高い住居、治安の悪い地域の住居であった。私のように現地を見てから決めたい人は、次の住居探しは遅くとも3月には終わらせた方が良い。結局住むことになった部屋はSHARE BUTANTAというUSPの学生だけが住んでいるマンションである。(https://sharesl.com.br/en/unidades/butanta) ・住居探しには、下記のサイトが使える Airbnb (https://www.airbnb.jp/) Facebookのグループ Republicas somente USP Butanta(https://www.facebook.com/groups/859685467477681/) Republicas da USP(https://www.facebook.com/groups/republicasdausp/) (7) 滞在先住居についての詳細 (費用の支払い方法、設備や備品は何があったか、メンテンスの状態など) 私は合計3つの住居に住んだ。 ①Airbnbの物件 住居費用に光熱費などはすべて込み。支払い方法は、アプリでクレジット払いだった。 キッチン、洗濯機は共用。基本的にすべて揃っていた。何があるかは事前にアプリやサイトで確認できる。 ②SHARE BUTANTA 住居費用に光熱費などはすべて込み。支払い方法はクレジットで、毎月メールで支払いのためのリンクが送られてくる。私が住んだ部屋のタイプは1つのアパートを4人でわけるもの。キッチン、お風呂やトイレは共用。個室あり。の部屋だった。この住居も何があるかは事前に把握することができる。洗濯するのには別途でお金がかかる。家賃がすごく高いが、その分施設が整っており、ブラジルでは珍しいエアコン付き、プールやシュハスケイラ、ジム、スタディールームなどがある。ドアマンもいて、顔認証の鍵となっているためセキュリティはバッチリ。 ③Airbnbの物件 住居費用に光熱費などはすべて込み。支払い方法は、アプリでクレジット払いだった。 キッチン、洗濯機は共用。基本的にすべて揃っていた。何があるかは事前にアプリやサイトで確認できる。 (8) 滞在先についての感想、アドバイス (どのような生活をするべきか、何を持っていくべきかなど) 上記に書いた通り、現地をみてから住む場所を決めても良いが、早めに住居探しをすること。P2、P3のVila indianaという地域に住むのは危ないためできるだけ避けた方が良い。P1の近く、Butantãという地域は比較的安全で、人通りも多いため非常におすすめ。 契約無しで住める物件もあるため、もしその物件が空いているのであればそこをおすすめする。というのも、やはり生活習慣が異なるので、本格的に悩む前に都合よく住居を変えれるからである。また、もしお金があるのであれば、エアコン付きの部屋のほうが良いのかもしれない。理由としては夏は想像以上に暑く、部屋に扇風機を置いていても暑いという話を友人から聞いていたため。しかしエアコンがある部屋は稀で高価である。渡航したばかりのときは余裕もないため、手持ち扇風機を持っていくと部屋で涼めて便利である。ゴキブリはたくさんいるので、ゴキブリ退治の製品を持っていくと役立つかも。 【滞在国・地域での生活について】 (1) 現地での支払方法や現金の調達 (どの支払い方法を主に使用していたか、現金をどうやって引き出したか、日本からどうやって送金したか、クレジットカードはどの程度使用できるかなど) 支払い方法は主にクレジットを利用していた。ブラジルで使いものにならないものもある。(特にイオンなど) EPOSカードが一番使えて良い。発行にも時間がかからない。 またブラジルではPixというPayPayに似たようなものがある。Pixはそれぞれの銀行口座に付帯しているため、口座さえ開設すれば自由に使用することができる。Pixでの支払いでは、電話番号やCPF、QRコード、URコードが使える。スマホひとつで行えるためとても便利。 ブラジルでの口座開設はNubankが一番簡単で便利だと思う。これはネット銀行で、RNMカードさえあれば最短10分で開設することができる。留学生はほとんどこれを使用していた。Pixも付帯。 Nubankに送金するために、Wisというアプリを使用する。これは国際送金ができるアプリである。手数料もそう高くなく、スマホひとつでできるためとても楽である。Wiseはデビットカードとしても利用することができる。 ブラジルでのキャッシングは、NubankやWiseのカードで行うのが一番良い。クレジットカードでのキャッシングは無駄に手数料がかかる。一方上記2つは手数料がかからない。 Nubankは24時間ATMでのみキャッシングができる。Wiseは基本どこの銀行でもキャッシングができる。 (2) 携帯電話 ブラジルではVIVO、TIM、Claroの3つの会社が有名である。 私はVIVOという会社のSIMカードを服屋さんで購入した。「え?」と思う人もいるかもしれないが、ブラジルではどこでもSIMカードが買える。しかし、できるだけ道端で売っているものは安心できないため買わない方が良い。 私は音声に従って適当に設定していたら、設定が完了していたため、どうやってセッティングするかはブラジル人の友達やiFriendsに聞いたほうが良い。 プランは契約してまとめて支払うもの、使った分だけ支払うもの、使おうと思っている分を事前に支払うものの3種類ある。無駄なく使うために、私は使う分を事前に支払うプラン(pre pago)を選択した。 国際電話について。 現地の電話会社だと高く付くと思い、私はViberというアプリを使ってを電話している。このアプリでは日本相手なら$2.99で100分電話できるため、手続きも楽で安くて時間もたっぷりありちょうどよい。 (3) インターネット キャンパス内のWiFiは基本強いと思う。登録方法は、オリエンテーション後にもらえる資料の中に書いてある。街中では、田舎になればなるほど通じるネット回線が限られていく。基本的に、生活圏内では問題ないと思う。私はVIVO推し。 (4) 医療 私は高熱と肉離れで病院のお世話になった。 留学の際は海外保険に入ると思うので、何かあったら海外保険の方が迅速に対処してくださる。私が行った病院はEnkyoという日系病院で、リベルダージにある。とても近いし、日本語も通じて良い。 海外保険についてや病院について詳しくは私の10月留学報告書に書いてある。 (5) 日本から持っていくべきもの ファブリーズ(サンパウロで見たことがない)、手持ち扇風機、充電器、モバイルバッテリー(高品質なもの)、ムヒ、虫よけ、常備薬(一年間で必要な分全部)、レンジで炊飯できるもの(ちびくろちゃん)は必要だと思う。 日本食や大まかな日本の製品に関しては、高いがサンパウロのリベルダージに沢山売っている。ダイソーもあり、100円ではないが約3倍の値段で日本から輸入されたものが売っている。 もし持っていけるのであれば、日本の水筒を持っていったほうが、保冷保温ができて良い。日本のような高品質なものはブラジルにはない。あったとしてもとても高い。 安全対策として、立派なお財布は持ってきていない。安いお財布を持ってくるようにした。また、クレジットのスキミングなどがあるため、スキミング防止のケースに入れて持ち運んでいる。そして服の中に隠すことのできるセキュリティポーチも持ってきた。クレジットやお金などはここに隠して持ち歩いていた。 その他詳しくは私の留学報告書の各月の下の方にまとめてあるが、日本に関するものなどは思ったよりもサンパウロになんでもあるため安心して良い。 (6) 治安状況 ブラジル、サンパウロなので基本治安は悪い。しかし生活していけば徐々に自然に危機管理ができるようになる。そのため、意外と暮らしてみれば、想像しているよりも過ごしやすいかもしれない。 強盗、スリが特に多い。その情報については大使館や領事館からのメールで確認していた。対策としてはよく流れてくる危ない地域に行かないこと、なるべく暗い時間に一人で歩かないこと、速歩きすること、都度後ろや周りをみることである。夜中に移動しなければならないときは、Uberタクシーを利用するべき。 LuzやSé、Republicaという地域で1人で絶対に歩かないように。 初めての場所やちょっと心配だなと思ったときは、荷物は最小限にし、服の下に隠せるセキュリティーポーチを利用した。また現金は分散させて持ち歩いていた。 (7) 食事 大学がある日以外の食事は基本自炊をしていた。日本の調味料がリベルダージで買えるため、そこで購入して揃えた。大学の学食はとても安いため、できる限り学食で食べたほうが安上がりになる。朝は50センターボス(15円ほど)、昼と夜は2レアル(60円ほど)で食べることができる。支払いはデジタル学生証に現金またはpixでチャージし、それを入り口でスキャンすると学食を使うことができる。 外食は基本的に1000円は超えると思って良い。SUKIYA(すき家)は色々な箇所にあり、その他日本食もパウリスタ通り付近やリベルダージで食べることができる。相場は1000円から3500円ほど。 (8) 情報の入手 プライベートに関しては、インターネットでブログなどを書いている方がいるため、それを見るとかなり参考になる。もしくはインスタグラム、Facebookなど。大学に関してはWhatsAppグループやEmail。 (9) 特筆すべき文化や習慣の違い、気を付けるべき点 挨拶、お礼は必ずすること。日本のように気を使ったりしないことが多いため、言ってはいけない冗談を普通に言うため戸惑うかもしれないが、それが文化でありブラジル人にとっては普通。基本的に感情は表にでていてわかりやすいため、店員さんの機嫌が悪そうでもあまり気にしないこと。日本のように察してはくれないので、言いたいことははっきりと言うべき。Noと言ってもなにか文句を言われることはないので、ダメなときはダメとはっきり言うこと。街なかを歩いていると「韓国人!」や「中国人!」など違った国籍を叫ばれることもあるが、それは日常茶飯事であるためできるだけ気にしないこと。バスはボタンを押さないと停車しない。バスを捕まえるときは、バスが近づいてきたと思ったら指を出さないと止まらない。運転は基本荒いので手すりか何かに捕まること。電車は基本たくさん来る。交通機関は時刻通りに来ないと思って良い。渡るときは安全を確認して信号を無視する。赤で車が通っていないのに待っている人はほぼ0。雨がふると停電がよく起こる。冷蔵庫が共用の場合、勝手に食べられることがある。ブラジル人は掃除が苦手な人が多い。そのためこれは文化の違いだと、妥協することが大事。荷物は肌見離さず持ち歩く。トイレットペーパーは流れないため、ゴミ箱に捨てること。サッカー関連の話をしていて、どこのチームが好き?と聞かれた時は本当にこだわりがない限り「よくわからない」と答えるか、「サンパウロFC」と答えると無難である。チームのサポーター同士は基本敵対しているため「コリンチャンス」や「パウメーラス」などと答えると、嫌がられることがしばしば。反対に相手の好きなチームを答えると一気に距離が縮まるため良いかもしれない。 【進路について】 (1) 留学終了後の進路 在外公館派遣員(ブラジルに限る)に申し込み、試験を受け、ブラジルの枠に受かることができればそのまま派遣員を行う。受からなければ日本で就職をする予定。最終目的はポルトガル語の通訳に関わる仕事に就くことだが、まずはその前にポルトガル語に関わる仕事、もしくはブラジル赴任がありえる会社に就職したいと考えている。 (2) 現地での就職活動や進学準備 就職説明会や、オンライン企業紹介などには参加していたが、時間帯や忙しさもありその他は何も行えなかった。その代わりに留学中は、ボランティア活動を行ったり、現地で人脈を広げたりした。駐在員の方にお話を聞いたり、質問をすることでほんのすこしだけでも準備はできたと思う。就活の95%は日本に帰ってから行う予定。 (3) その進路に対して留学経験をどう活かすか 私の将来の夢は、今回の留学経験が直結するものである。とくに留学で培ったポルトガル語の技能は私の進路に大いに役立つため、日本でも維持または成長させければならない。また留学中にはブラジル人の性格について知ることができ、色々な考え方に触れることができた。これは通訳の仕事ひとつひとつの正確さに大いに役立つと思う。 【今後留学を目指す学生へのアドバイス】 留学をすると決めただけで、今後の可能性が充分に広がったと思います。日本ではできなかったことを経験する大きなチャンスになるはずです。留学をするにあたり、私はまずお金を貯めるためにアルバイトをたくさんしました。留学先で自由に行動するためにはお金がかかります。できる範囲で、学業に支障がない範囲でバイト頑張ってください。また、どの国に行くにしても、その言語+英語を話す練習をできるだけしておいたほうが良いです。KUISにはSALCやMULCでネイティブの方とお話できる機会が充分にあるため、存分に利用しましょう。現地の方よりも私達のことを理解し、考えてくれるため、安心して練習することができます。 留学を迷っている方は、もし留学できるだけのお金がありそうで、健康上も問題ないのであれば絶対に留学するべきだと私は胸を張って言えます。留学は言語能力を成長させるだけでなく、自分自身を成長させてくれるものだと私は思っています。もしかしたら将来の夢が変わる、見つかるかもしれません。もし、留学生活で言語能力があまり成長できなかったとしても、海外で生活することは難しいことなので、確実に自分自身の何かは成長するはずです。ただその言語を学んでいるだけの人と、言語を学んだ上で留学している人では異なると思うので、チャンスが有るのであればぜひ留学してほしいです。特に、ブラジル留学に関しては「ブラジルは治安が悪いから…」など考え、諦める人もいると思います。実際に、留学に来ていた日本人の中では、過ごしてみるまでは本当に不安だったと言っている人もいましたが、「過ごして慣れてみたら意外と大丈夫だった。」と皆言っていました。サンパウロは治安が悪い方ですが、都会で観光地にも近く、日本食が手に入りやすいです。加えて、日本人駐在員さんが多いため、お話しして人脈を広げることも可能です。私はサンパウロ(大学)を非常におすすめします。もちろんサンパウロでなくとも他に協定校はあり、そこは比較的安全とされているので、ぜひブラジルに留学してみてください。勇気を出して留学してみれば、絶対にいい経験になるはずです。

留学費用
ブラジル レアール
30.0282円
内訳 費用(現地通貨) 日本円換算
家賃 26,201 786,769円
水道光熱費 0 0円
学費・教材費 156 4,684円
交通費 2,638 79,214円
通信費 464 13,933円
食費・その他 22,093 663,413円
小計 51,552 1,548,013円
航空券
268,090
保険
137,120
ビザ関連費用
13,000
その他
0
合計 1,966,223 円