月次報告書 2024-08
プロフィール
学科
イベロアメリカ言語学科
学年
4年
専攻
ブラジル・ポルトガル語専攻
留学期間
2024-08-01 ~ 2024-12-31
留学種別
交換
生活編
もう一度、新たな始まり

【目次】 ①滞在先 ②大学 ③アドバイス ④感想 【①滞在先】  新居は新築のため清潔で設備も充実しておりセキュリティも万全だが、朝から夕方まで続く工事の騒音が唯一の不満である。ちなみに廊下の明かりが自動的に点滅するタイプのものなのだが、まるでナイトクラブのライトのようにチカチカと点滅するので通るたびに目がおかしくなる。ほかにも、私の寝室の天井のライトが突然落下し、今にもちぎれそうなコードによって吊るされている状態なのだが、これらの件をうけてブラジルの建物に対する信頼が大きく下がった。この時期のサンパウロの気温は不安定で、前日は真夏のような暑さを過ごしたかと思えば、翌日は冬だと感じるぐらい冷え込む日もあるため、厚手の毛布が必要だと感じた。サンパウロはブラジリアと比べて交通機関(メトロ)がかなり発達しており、片道料金は目的地に関わらず一律で5レアル(約131円)であるが、Bilhete Unicoと呼ばれる交通系カードを申請すれば、半額の2.5レアル(約66円)で利用することができる。申請してから受け取るまで時間がかかるので、なるべく早めに手続きを済ませることを推奨する。 【②大学】  8月5日から後期の授業が始まった。留学生は最初の2週間で興味のある授業を見て回り、その後大学のサイトにアクセスして履修登録をする。各授業の留学生枠は5名までなので、履修登録が始まったらすぐに済ませることを勧める。今学期私が履修している授業は①Aspectos da Cultura Brasileira II(ブラジル文化の側面Ⅱ)、②Cultura Chinesa II(中国文化Ⅱ)、③Cultura Japonesa II(日本文化Ⅱ)、④Cultura Coreana II(韓国文化Ⅱ)、そして⑤Temas da Sociologia Brasileira(ブラジル社会学のテーマ)の5つである。Letras(文学)の授業は比較的難易度が低いと感じるが、Ciências Sociais(社会科学)の授業は授業内容と用語のレベルが高いのでついていくのがとても大変である。事前に予習をして授業で扱われるであろう単語を押さえておくことを勧める。日本にいるうちに社会学に関する基礎的な知識やブラジル社会に関する書籍を何冊か読んでいたら、授業により関心を持って取り組めただろうと少し後悔している。  ここで一つ、個人的な話をしようと思う。留学試験を受ける学生は事前に研究計画書を提出する必要があり、現地で勉強・研究する事柄を具体的に考えなくてはならない。正直な話、私は当時、興味や関心のあることが何もなかったため、実際に海外で生活をする中でそれらを発見したいと考えていた.。結局内容のかなり薄い計画書を提出し、面接でもあまり実のない話をしたわけだが、今になってその時のツケが回ってきたと感じている。大学生にもなれば、「興味や関心は湧くものではなく、自ら獲得するものである」ということを理解しておくべきだった。例えば、図書館で授業で学んだ内容に関連のある書籍を何冊か漁ってみたり、そこで気づいたことや疑問に思ったことについてさらに深堀りしてみたり、そうした能動的な学習の結果として、自身の関心のあるテーマや分野にたどり着くことができるのだと思う。3月の留学報告書でも似たようなことを書いたが、母国語ですら学んだことのない事柄を外国語で学ぶというのは非常に効率が悪く、「専攻言語の能力を伸ばす」という留学における最大の目的に集中することができない。私のように強みと言える分野を持っていない学生であれば、無理に興味や関心のある(程で)小難しい授業を取るのではなく、内容はともあれ難易度の低い授業を履修し、先生や生徒がポルトガル語で話す際にどのように文章を組み立てているのか、またどのような言葉を使っているのかなどに焦点を当てて学ぶほうがよっぽど身のためになると感じる。  余談になるが、私は格闘技観戦が趣味でいつか実際に練習してみたいと思っていたため、USP内で行われているムエタイのトレーニングにブラジル人の友人と参加した。練習仲間とのコミュニケーションや先生の指導はもちろんすべてポルトガル語で行われ、また覚えるべき用語もそれなりに多いため想像以上に疲れる。それでも格闘技に対するモチベーションが高いおかげで、自分なりに楽しみながら成長することができている。 【③アドバイス】  今月末に友人とAvenida Paulistaを訪れた際に大規模な停電が発生し、周辺一帯の電気が完全に遮断された。まだ日没前であったが建物内は当然真っ暗になり、エレベーターや信号などの電力を介するすべてのシステムが停止した。ブラジル人の友人も今までPaulistaでこの規模の停電を経験したことがなかったらしく少し驚いているように見えた。ブラジルにおいて停電自体は決して珍しいことではないので、もし電力が無くなったときにどう対処したら良いか事前に考えておくことを勧める。 【④感想】  USPに転学することを決めたときは、UnBで何の目標も達成することなくブラジリアを去って良いのかと少し不安だったが、今振り返ってみれば自分の決断は間違っていなかったと心の底から感じる。友人とイベントに行ったり、放課後にジムでトレーニングしたり、サッカー観戦をしに行ったり、Liberdadeでラーメンを食べたり、ここには挙げきれないぐらいたくさんの出来事があり、かなり充実した月になった。中旬にはKUISのポルトガル語専攻の先生方と食事をしたり、下旬にはブラジリアの日本人留学生の友人がサンパウロに遊びに来たり、嬉しいことにカレンダーが予定でいっぱいだった。

住居形態
アパート
無線LAN(Wi-Fi)
月額費用
ブラジル レアール
25.9639円
内訳 費用(現地通貨) 日本円換算
家賃 1,800 46,735円
水道光熱費 0 0円
学費・教材費 33.96 882円
交通費 145 3,765円
通信費 75 1,947円
食費・その他 2,536.83 65,866円
合計 4,590.79 119,195円
授業編
Korean Culture II
韓国文化Ⅱ
講義(地域言語)
480分
主な授業方法としては、事前にオンラインで配布される資料を読む必要があり、その後授業内で詳しい解説がなされる形式。留学生は私のみ。基本的には先生と生徒の対話によって授業が展開され、生徒たちは積極的に挙手をするため、クラス内で質問や疑問が途切れることはほとんどない。韓国史については中学や高校の社会の授業で少し触れられるが、この授業ではより詳しく解説されている。今月は高麗の隆盛について学んだ。
Chinese Culture II
中国文化Ⅱ
講義(地域言語)
240分
主な授業方法としては、事前にオンラインで配布される資料を読む必要があり、その後授業内で詳しい解説がなされる形式。中国語専攻の生徒と中国人留学生に混ざる形で受講している。基本的には先生と生徒の対話によって授業が展開され、生徒たちは積極的に挙手をするため、クラス内で質問や疑問が途切れることはほとんどない。今月は孟子の思想について学んだ。
Topics in Brazilian Sociology
ブラジル社会学のテーマ
講義(地域言語)
720分
主な授業方法としては、事前にオンラインで配布される資料を読む必要があり、その後授業内で詳しい解説がなされる形式。ほとんどの留学生がこの授業を受講している。毎回異なる学部の先生が様々な視点からブラジルの文化や歴史、地理などについて語る形式である。先生は留学生たちが理解しやすいようになるべく難しい言葉を使わずに話してくれるおかげで、理解度が他の授業よりも高い。今月は都市部の格差を地理的に学ぶ授業があった。
Japanese Culture II
日本文化Ⅱ
講義(地域言語)
360分
主な授業方法としては、事前にオンラインで配布される資料を読む必要があり、その後授業内で詳しい解説がなされる形式。日本人留学生はほとんどが受講している。基本的には先生と生徒の対話によって授業が展開され、生徒たちは積極的に挙手をするため、クラス内で質問や疑問が途切れることはほとんどない。先生や生徒が発する単語を全てノートにメモし、放課後に意味を調べて復習している。今月は鎌倉時代の出来事について学んだ。留学前に日本史についてもっと深く学んでおくべきだったと反省している。
Topics in Brazilian Sociology
ブラジル社会学のテーマ
講義(地域言語)
720分
主な授業方法としては、事前にオンラインで配布される資料を読む必要があり、その後授業内で詳しい解説がなされる形式。基本的には先生と生徒の対話によって授業が展開され、生徒たちは積極的に挙手をするため、クラス内で質問や疑問が途切れることはほとんどない。配布資料は読み込むのにかなりの時間と労力を必要とする上に、先生の言っていることは30%ほどしか理解できていない。先生や生徒が発する単語を全てノートにメモし、放課後に意味を調べて復習している。今月はGilberto FreyreのCasa-Grande e SenzalaとSérgio Buarque de HolandaのRaízes do Brasilについて学んだ。