Do Bronxsの報告書一覧
プロフィール
学科
イベロアメリカ言語学科
学年
4年
専攻
ブラジル・ポルトガル語専攻
留学期間
2024-08-01 ~ 2024-12-31
留学種別
交換
1~6件目 / 6件中
2024-12
留学成果報告書12月分
ブラジル・サンパウロ留学のまとめ
【派遣先大学について】 (1) 基本情報 ・設立年  →1934年 ・学生数  →約97000人 ・設置学部  →哲学、文学、歴史学、社会科学、デザイン学、法学、経済学、出版学、体育とスポーツ学、教育通信学、看護学、舞台芸術学、視覚芸術学、天文学、経営学、建築と都市計画学、ジャーナリズム学、レジャーと観光学、マーケティング学、数学、応用数学、応用ビジネス数学、応用数学と科学計算学、医学、応用獣医学、応用気象学、音楽、栄養学、栄養と代謝学、産科学、海洋学、歯学、教育学、心理学、広告学、化学、国際関係学、広報学、公衆衛生学、情報システム学、作業療法学、テキスタイルとファッション学、観光学、動物科学、統計学、薬学、経済ビジネス学、物理学、計算物理学、医学物理学、理学療法学、言語聴覚療法学、地球科学と環境教育学、地球物理学、地理学、地質学、老年学、環境マネジメント学、公共政策管理学、食品工学、生体システム工学、コンピューター工学、材料工学、材料製造工学、鉱業工学、石油工学、生産工学、電気工学、物理工学、林業工学、機械工学、メカトロニクス工学、冶金工学、海軍工学、化学工学、航空工学、農業工学、環境工学、生物化学工学、土木工学、食品科学、精密科学、物理・生体分子科学、視聴覚学、バイオテクノロジー学、農業科学、数理科学、生物科学、生物医学、会計科学、コンピューターサイエンス学、自然科学、生物医学情報学 (2) 所属した学部、コース、プログラム等(原語および日本語訳)  哲学・人文・人間科学部(FFLCH)、社会科学専攻(Ciências Sociais) (3) プログラムの概要 ・履修可能な授業、所属学部選択の制限など  基本的に留学生はほとんどの授業を履修することができる。 ・学部留学の場合:選択した学部・学科以外の授業を履修できるか  基本的に可能であるが、担当の教員に確認することを推奨する。 ・学部留学の場合:語学コースを並行履修できるか  有料の授業と無料のものがある。CEFRのレベル別にクラスが構成されており、友人の話を聞いたところによると受講するのであればB2以上を勧める。 (4) 大学の雰囲気、留学生や日本からの学生の割合や人数  サンパウロ大学(以下、USP)は南米トップの総合大学であり、国内各地から優秀な生徒たちが集まる。自然豊かで広大な面積を誇るUSPには通学バスも通っており、まるで欧米の映画に出てくる大学のキャンパスそのものである。日本ではめったに経験することのできない日常を送ることができる。留学生は他の南米の国々をはじめ、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジアと非常に国際性に富んだ学生によって構成される。特に多いのはフランス人や中国人で、今学期は私を含めて9人の日本人がUSPで留学生活を送った。 (5) 課題や試験  授業によって変わると思うが、私が履修していた授業では課題が出されたことはほとんどなかった。基本的に出席率、中間試験、期末試験の成績を総合的に算出して評価されるため、課題に追われることはなかったが、授業の復習においてはいくらやってもやりきれないほど大変だった。 (6) 困ったときに相談できたか、相談窓口はどこか、どのようなサポートを受けられたか  私は特に大学側のサポートを受けたことがないのであまり詳しいことは言えないが、留学生はCCINTという、KUISでいう国際戦略部のような部署があるので、そこでお世話になっている人はある程度いた。また体調を崩してしまったときは、大学内にあるメディカルセンターで診察してもらうことができる。 (7) オリエンテーション  学期が始まる前にIN GLOBAという学生団体が留学生向けに大学説明会やキャンパスツアー、その他諸々のイベントを企画してくれているため、留学生同士で親交を深める機会は多いにあるといえる。 (8) 履修登録  留学生は授業開始日から2週間、興味のある授業を好きに見て回ることができる。この期間内に一通り履修科目の候補をまとめ、履修科目登録日にオンライン上で申請を行う。 【自身の留学について】 (1) 留学を決意した理由  私が神田外語大学に入学した理由は「とにかく大学に入り、のんびり学生生活を送りたかった」ためであり、ブラジル・ポルトガル語専攻を選んだ理由は「ブラジルは格闘技が強い」からである。ただの田舎育ちの格闘技オタクには叶えたい夢もなければ、達成したい目標すらもなかった。ブラジル留学に関しても似たようなものである。「留学生活を通して成し遂げたいこと」と言われてもあまりピンとこなかったし、留学後の自分に期待することも特になかったような気がする。ただ、そんなあの頃の私にも「今の自分にできることを精一杯こなす」というモットーがあった。将来のことなど何も分からないし、それ以上に目先のことすらあまりよく見えていない。物事の選択肢も、入手できる情報量も格段に増えた現代だが、高度に発展したこの社会において、私は一種の居心地の悪さを抱えていた。何をすれば良いのか、逆に分からなくなってしまったのである。留学生活はそんな私を言語も文化も全く異なる環境に投げ飛ばし、今まで抱えてきた悩みをも忘れさせてくれるような、かけがえのない経験を与えてくれた。留学を決意した本当の理由というのは、実際のところないのかもしれない。ただ「やらない後悔よりやる後悔」という言葉を信じて飛び込んでみただけなのだ。 (2) 留学先を選んだ理由  前期はブラジリア大学での留学生活を送っていたが、長期ストライキの影響で不安なことが多いなか、サンパウロ大学が後期からの受け入れを承認してくれたため。 (3) 留学のためにした準備/しておけば良かったと思う準備(学習面)  留学前の準備と同じように、願書を作成しメールで送信した。 (4) 留学のためにした準備/しておけば良かったと思う準備(生活面)  サンパウロ大学に留学する場合は基本的に自分で住居を探す必要があるので、到着してからすぐにFacebookの学生物件コミュニティに入り常に良い物件がないか探していた。 (5) 留学中の交友関係  日本人留学生は現地の日本語専攻の生徒と交流を持つことが多い。他専攻の生徒と比べて共通点も多く、日本語とポルトガル語の言語交換ができるというメリットもある。また現地で知り合う他大学の日本人留学生とも仲を深めることができるため、日本人留学生と現地の日本語専攻の友だちによる中規模なグループが生まれる。 (6) 授業についての全般的な感想、学んだこと  現地の学部生と同じように授業を受けることは想像通りかなり大変だった。最初の頃は内容は理解できなくてもよく使われる単語や用語だけは覚えようと、片っ端からノートにメモしていた。ポルトガル語さえできれば問題なく過ごせるのはあくまで「ブラジル・ポルトガル語専攻」の中だけで、実際に留学先の授業についていくためには授業内容についてある程度知識が必要である。日本語ですら理解していない、もしくは知らない事柄をポルトガル語で早口で説明されても、それは誰もついていくことができないだろう。  ブラジル人学生は授業中積極的に先生に質問をしたり、学生同士でディスカッションしたりして、お互いの意見を頻繁に交換する。これは日本の大学では、少なくとも神田外語大学の授業においてはあまり見られない光景だろう。「間違ったことを言って恥をかいたらどうしよう」というよりも「もっとみんなの意見を聞いて学びを深めたい」という志向の方がよっぽど強いのかもしれない。 (7) 授業外で参加した活動  私は格闘技に興味があったので、ムエタイのスポーツアクティビティに参加した。本格的に学ぶことができると意欲に燃えていたが、どちらかというとエクササイズの側面が強かったため、あまり満足の行く練習環境ではなかったと感じる。USPにはたくさんの課外活動があるため、もし興味のあるアクティビティがあれば迷わずにまずは足を運んでみることをお勧めする。 (8) 授業外の活動についての全般的な感想、学んだこと  ムエタイのアクティビティを通して他学部の生徒たちと少し話すことができたが、留学生だからといって特別興味を持ってもらえるわけでもないと感じた。 (9) 留学で達成した最も大きなこと  留学生活を通して「自分の扱い方」がとても上手くなったと実感している。語学力や自己管理能力などももちろん伸びたとは思うが、それ以上に自分自身のことをよく知ることができた。疲れている時や、ストレスが溜まっているときに、自分を追い込みすぎないようにしたり、完璧主義を求めず物事は「70点」こなせていれば良いと考えるようになった。凝り固まった考え方や感受性を変えることは今までうまくできなかったが、新しい環境で新しい仲間たちと過ごすうちに、より肩の力を抜いた生き方ができるようになった。 (10) 今後どのような学習を継続していきたいか  ブラジル留学中は「話す」ことに特に力を入れていたため、文法や語彙の学習にあまり時間を割かなかった。おかげで基本的な会話は支障なくこなすことができるようになったが、今後は語彙力を増やし、中級以上の文法事項についても理解を深めていきたい。 【渡航・滞在先住居について】 (1) 派遣先への出願  大学側が定める期日までに必要書類を提出すれば特に問題ないはずだが、できれば早めに行動しておくことを勧める。 (2) ビザ申請  ビザ申請から受け取りまでに要する時間は時期によって異なるが、私の場合は3日ほどで受け取ることができた。 (3) 航空券を予約した方法  航空券はショッピングモールにあるJTBで購入した。帰りの日にちを後に変更することができる往復航空券を選んだ。 (4) 渡航したルート  往路:成田国際空港→チューリッヒ(スイス)→サンパウロ→ブラジリア  復路:サンパウロ→フランクフルト(ドイツ)→羽田空港 (5) 最寄りの空港から大学または住居までの移動  ブラジリアからサンパウロに到着したときはすでにUSPに留学している同級生が空港まで迎えにきてくれた。空港内で一緒にAirbnbの宿を探し、Pinheirosの滞在先までタクシーで向かった。 (6) 滞在先住居を探した方法  サンパウロに到着して2週間ほどはAirBnBで予約した場所に滞在していた。空いている時間にFacebookのコミュニティを通じて学生向け物件を漁り、大学近くの部屋が掲載されたときにすぐ内見へ行った。ブラジルでアパートの契約をするのは非常にスピーディかつ簡単で、ただ内見に行きお金を払うだけで契約は成立する。 (7) 滞在先住居についての詳細  サンパウロでは社会人の男性とマンションで二人暮らししていた。間取りとしては寝室が二つ、リビング、キッチン、シャワールーム、ベランダがあり、自分の寝室以外は共有して生活していた。運よく新築の物件に住むことができ、ほかにもプールやバーベキューエリア、コインランドリー、バスケコート、シアタールームなど豊富な設備が揃っていた。しかし廊下の電気の不具合がいつまでも直らなかったり、雨が降ると停電したり、ブラジルらしい点もいくつかあった。ブラジルの不動産業者はマンションやアパートを部屋ごとに購入するため、ある部屋は出来上がっているが、ほかの部屋は工事中ということが多々あり、私の上の階の部屋からは朝から夜までずっと工事の音が響いていた。驚くべきことに、私がサンパウロの地を踏んだ7月から退去するまでの1月まで、その騒音が鳴り止むことはなかった... (8) 滞在先についての感想、アドバイス  サンパウロ市はブラジル南部に位置する内陸都市であり、夏は一切雨が降らず非常に過ごしやすいが、冬はゲリラ豪雨が発生したり、夜間はかなり冷え込む。ブラジルトップの経済都市とはいえど治安の面ではまだまだ問題が多く、常にある程度の緊張感を持って生活する必要がある。交通面ではメトロが発展しており、料金は距離に関わらず一律なのでとても利便性が高い。 【滞在国・地域での生活について】 (1) 現地での支払方法や現金の調達  友人にはWISEのカードを使用している人が多かった。私の場合は親に日本でBB(Banco do Brasil)の口座を開設してもらい、そこからブラジルのBBの口座にお金を送ってもらっていた。ブラジルではカード払いがほとんどなので、クレジットカードを2枚持っていくと安心である。 (2) 携帯電話  ブラジルに到着してすぐに知り合いの人に付き添ってもらい、ショッピングモールの中にあるVivoというキャリアで契約した。Vivoの場合はRNM(外国人登録)のカードを持っていないと自分名義で契約することができないので、その点は注意した方が良い。 (3) インターネット  街中や大学内でインターネットに不満を感じたことは特にないが、長距離バスに乗る際や、地下鉄を利用するときは、基本的に電波が通じなくなると思った方が良い。 (4) 医療  ブラジリアに住んでいたときにホームレスの野良犬に噛まれて狂犬病ワクチンの暴露後接種をしたが、ブラジルにはSIS(Sistema Único de Saúde)と呼ばれる無料の公共医療保険制度があり、公立の病院や保健所では無料で診療を受けることができるため、ワクチン代は一切負担しなかった。  ワクチン接種以外で病院にかかったことがないため、あまり詳しい情報を持っていないが、体調を崩したときや緊急事態が発生したときにどのように対処したら良いのかをあらかじめ確認しておくことを勧める。 (5) 日本から持っていくべきもの  私は衣服、筆記用具、電子機器以外に持っていったものがほとんどなく、特に困ったこともなかった。この点に関して私はかなり疎くあまり良いアドバイスをすることができないので、他の先輩の留学報告書を読んだ方が参考になると思う。 (6) 治安状況  留学前オリエンテーションで先生方からもお話があるように、なるべく日が沈む前には帰宅するのが吉。日没前であったとしても、友人たちと連携して複数人で行動することを心がけることを勧める。もし誰かに脅されたとしても、決して抵抗してはいけない。その際は相手を刺激せずに、従順に言うことを聞くべきである。最低限の「してはいけないこと」を守っていれば、死ぬことはない。 (7) 食事  朝食はゆで卵とバナナ、昼食と夕食はBandejão(学食)で食べていたが、友人たちと近くのレストランやバーに行くことも多かった。USPに留学する人はほとんどBandejãoで食事を済ませる。 (8) 情報の入手  現地の情報については過去に留学していた先輩たちに話を聞いた。 (9) 特筆すべき文化や習慣の違い、気を付けるべき点  サンパウロでは路上でお金をせびってくる人や、アジア人であることを理由にイジってくる子どもたちもいる。しかし基本的には無視して歩き去れば特に問題が起きることはない。最初のうちはなんとなく気圧されてびびってしまうかもしれないが、怖がっている姿を見せてしまえば絶好のカモだと思われるので「強く」あろう。ほかに気をつけるべき点と言われても正直あまり思いつかないが、生活しているうちに慣れてしまうものがほとんどではないだろうか。
イベロアメリカ言語学科 4年 交換
月次報告書12月分
長い夢
【目次】 ①滞在先 ②大学 【①滞在先】  今月で留学生活を終えて日本に帰国する留学生も何人かおり、その度に空港まで見送りに行ってきた。何度経験しても別れというのは寂しいものだが、彼らとたくさん楽しい思い出を作ることができたことを心の底から嬉しく思う。そして旅立っていく彼らの姿に手を振るとき、この一年間に渡るブラジル留学という長い夢から覚める日が来るのかと、ふと切なくなった。  人生初の真夏のクリスマスは、KUISの友人とカレーライスを作って一緒に夜を過ごした。ブラジルに来てからほとんど自炊することはなかったのだが、夏休みに入ってから自炊の楽しさに目覚めた。こんなことならもっと早くからするべきだったと少し後悔している。  友人はほとんど帰国するか旅行をしていたので、大晦日は独りで過ごすこととなった。年越しの瞬間には大量の花火が上がり、しばらく騒音が鳴り止まなかった。いかにもブラジルらしい祝い方だと感じた。 【②大学】  先月末からついに期末試験が始まった。この期間になると図書館の席は大体埋まっていて、皆熱心に勉強に励んでいる姿が見られる。私はのんびり屋な性格なので、図書館の空気がガラッと変わったのを見てようやく気が引き締まった。試験はレポート、筆記試験、グループワークなど授業によって評価方法が異なる。個人的にはグループワーク、レポート、筆記試験の順に難易度が易しいのではないかと思う。事前にカンペを持ち込むことができる授業もあるので、想像していたよりも太刀打ちできた。無事に全部の試験が終わり、留学生活も一区切りついた。今振り返ってみると、もっとできることがたくさんあったと感じるが、それも今だからこそ気付けるのだろう。
イベロアメリカ言語学科 4年 交換
2024-11
月次報告書11月分
期末試験
【目次】 ①滞在先 ②大学 【①滞在先】  休日に友人と”Ainda Estou Aqui”という映画を観に行った。軍事独裁政権下で起こった政治的横暴を描いたドキュメンタリーであるが、あらすじを読んだだけで難しい内容であることが伝わってくる。それでも物語を通して何を伝えたいのかについては理解することができたし、映画が終わったあとに友人から内容を簡単に解説してもらったので、より理解度を深めることができた。  月末には日本人留学生たちでお別れ会をした。来月にはもう帰ってしまう友人がいたため、近くのバーで飲むことにしたのだが、翌日にそのバーが銃を持った強盗によって襲撃されたとニュースで報道された。ブラジルで生活している以上、危険は常に身近に潜んでいる。残りの留学生活も気を引き締めて、安全第一で過ごすことを心がけたい。 【②大学】  そろそろ来月末に向けて試験勉強を始めようと思い、AmazonのKindleで購入した韓国史に関する本を読み進めている。現在履修しているCultura Coreana(韓国文化)は個人的に最もついていくのが大変な授業であり、大まかな内容は頭に入っているものの、今一度ゼロから整理する必要があると感じた。授業時間外は基本的に大学の図書館で韓国史の勉強に励んだ。Cultura Japonesa(日本文化)の授業対策用に購入した日本史の参考書も並行で読み進めており、日本人として身につけておきたい教養を吸収している。事前に学習内容を予習しておくだけで、全く理解度が違うと感じる。  初旬に大学内でFesta do Livro da USPと呼ばれる本の市場が開催されたため、友人と一緒に見て回った。このイベントでは新品の書籍が割引価格で購入できるため、会場は多くの学生たちで賑わっていた。私も2冊ほど小説を購入したので、試験勉強から解放されたらポルトガル語力のチェックとして読み始めてみようと思う。
イベロアメリカ言語学科 4年 交換
2024-10
月次報告書10月分
雨の匂い
【目次】 ①滞在先 ②大学 【①滞在先】  今月は特にどこにも行くことなく家と学校の往復の生活を送った。中旬に友人に連れられてJuquitibaにある別荘へと足を運んだ。自然豊かな場所であり、釣りやハイキングなどを楽しむことができた。市内を抜けると自然豊かな場所が多いので、少し気分をリフレッシュしたい時には友人を誘って川や山に行くことを勧める。大学内では小さな猿やTucanaと呼ばれる大きく黄色いクチバシを持ったいかにもブラジルらしい鳥を目にすることができる。Juquitibaではカメレオンのように身体の色を帰るトカゲも発見した。こういう瞬間に、自分がまさに地球の裏側にいるのだと実感する。  最近は雨が多く、ひどい時は道端が川のように水浸しになる場所も存在する。バス停の前は特に水飛沫を喰らう可能性が高いので注意したほうが良い。空模様は不安定で急に土砂降りが発生することもあるので、なんとも外出する気がなくなる。 【②大学】  先月から学校内でムエタイのトレーニングを始めた。ブラジル人の性格なのか、それともクラブの人たちの気性なのか、トレーナーが力を抜いてスパーリングするように指示しているにも関わらず、かなり重めの打撃を繰り広げてくる彼らにはうんざりする。貸し出されるグローブは非常に臭く、練習場所もコンクリートの上なので、滑って肘を痛めた生徒もいた。
イベロアメリカ言語学科 4年 交換
2024-09
月次報告書9月分
人生の夏休み
九月に入ってすぐにブラジル人の友人と日本人留学生たちで、サンパウロ州沿海部のGuaratubaという場所に出かけた。地下鉄とバスで片道五時間の道のりを経て一面に広がる水平線を目の当たりにしたときは、時間をかけて来た甲斐があったと感じた。どこまでも続く砂浜を走る爽快感は、ここだけでしか味わえないだろう。  ブラジルのマンションにはプールがついていることが多く、嬉しいことに私の住んでいる場所にも大きめのプールがある。数日前に海に行ったにも関わらず、飽き足りない私は友人を招いて再び水浴びを楽しんだ。都市部から海が遠いのがサンパウロやブラジリアといった内陸発展都市の残念な点である。  サンパウロ市内には広大で自然あふれる公園が二つある。Parque Ibirapuera、そしてParque Villa-Lobosである。Parque IbirapueraにはPavilhão Japonêsと呼ばれる和風建築の建物があり、過去には天皇陛下が訪れた由緒ある日本庭園となっている。2017年にはラテンアメリカで最も訪れられた公園となり、その魅力は多岐にわたる。一方でParque Villa-Lobosはサンパウロ大学の近くに位置し、南米で最も大きい観覧車や時期に応じて催されるイベントなど、アトラクション要素の多い公園である。月末に日本留学に出発するブラジル人の友人の送別会を兼ねてピクニックをしに行き、天候にも恵まれて非常に充実した休日となった。サンパウロに留学する人はぜひこれらの公園に足を運んでほしい。
イベロアメリカ言語学科 4年 交換
2024-08
月次報告書8月分
もう一度、新たな始まり
【目次】 ①滞在先 ②大学 ③アドバイス ④感想 【①滞在先】  新居は新築のため清潔で設備も充実しておりセキュリティも万全だが、朝から夕方まで続く工事の騒音が唯一の不満である。ちなみに廊下の明かりが自動的に点滅するタイプのものなのだが、まるでナイトクラブのライトのようにチカチカと点滅するので通るたびに目がおかしくなる。ほかにも、私の寝室の天井のライトが突然落下し、今にもちぎれそうなコードによって吊るされている状態なのだが、これらの件をうけてブラジルの建物に対する信頼が大きく下がった。この時期のサンパウロの気温は不安定で、前日は真夏のような暑さを過ごしたかと思えば、翌日は冬だと感じるぐらい冷え込む日もあるため、厚手の毛布が必要だと感じた。サンパウロはブラジリアと比べて交通機関(メトロ)がかなり発達しており、片道料金は目的地に関わらず一律で5レアル(約131円)であるが、Bilhete Unicoと呼ばれる交通系カードを申請すれば、半額の2.5レアル(約66円)で利用することができる。申請してから受け取るまで時間がかかるので、なるべく早めに手続きを済ませることを推奨する。 【②大学】  8月5日から後期の授業が始まった。留学生は最初の2週間で興味のある授業を見て回り、その後大学のサイトにアクセスして履修登録をする。各授業の留学生枠は5名までなので、履修登録が始まったらすぐに済ませることを勧める。今学期私が履修している授業は①Aspectos da Cultura Brasileira II(ブラジル文化の側面Ⅱ)、②Cultura Chinesa II(中国文化Ⅱ)、③Cultura Japonesa II(日本文化Ⅱ)、④Cultura Coreana II(韓国文化Ⅱ)、そして⑤Temas da Sociologia Brasileira(ブラジル社会学のテーマ)の5つである。Letras(文学)の授業は比較的難易度が低いと感じるが、Ciências Sociais(社会科学)の授業は授業内容と用語のレベルが高いのでついていくのがとても大変である。事前に予習をして授業で扱われるであろう単語を押さえておくことを勧める。日本にいるうちに社会学に関する基礎的な知識やブラジル社会に関する書籍を何冊か読んでいたら、授業により関心を持って取り組めただろうと少し後悔している。  ここで一つ、個人的な話をしようと思う。留学試験を受ける学生は事前に研究計画書を提出する必要があり、現地で勉強・研究する事柄を具体的に考えなくてはならない。正直な話、私は当時、興味や関心のあることが何もなかったため、実際に海外で生活をする中でそれらを発見したいと考えていた.。結局内容のかなり薄い計画書を提出し、面接でもあまり実のない話をしたわけだが、今になってその時のツケが回ってきたと感じている。大学生にもなれば、「興味や関心は湧くものではなく、自ら獲得するものである」ということを理解しておくべきだった。例えば、図書館で授業で学んだ内容に関連のある書籍を何冊か漁ってみたり、そこで気づいたことや疑問に思ったことについてさらに深堀りしてみたり、そうした能動的な学習の結果として、自身の関心のあるテーマや分野にたどり着くことができるのだと思う。3月の留学報告書でも似たようなことを書いたが、母国語ですら学んだことのない事柄を外国語で学ぶというのは非常に効率が悪く、「専攻言語の能力を伸ばす」という留学における最大の目的に集中することができない。私のように強みと言える分野を持っていない学生であれば、無理に興味や関心のある(程で)小難しい授業を取るのではなく、内容はともあれ難易度の低い授業を履修し、先生や生徒がポルトガル語で話す際にどのように文章を組み立てているのか、またどのような言葉を使っているのかなどに焦点を当てて学ぶほうがよっぽど身のためになると感じる。  余談になるが、私は格闘技観戦が趣味でいつか実際に練習してみたいと思っていたため、USP内で行われているムエタイのトレーニングにブラジル人の友人と参加した。練習仲間とのコミュニケーションや先生の指導はもちろんすべてポルトガル語で行われ、また覚えるべき用語もそれなりに多いため想像以上に疲れる。それでも格闘技に対するモチベーションが高いおかげで、自分なりに楽しみながら成長することができている。 【③アドバイス】  今月末に友人とAvenida Paulistaを訪れた際に大規模な停電が発生し、周辺一帯の電気が完全に遮断された。まだ日没前であったが建物内は当然真っ暗になり、エレベーターや信号などの電力を介するすべてのシステムが停止した。ブラジル人の友人も今までPaulistaでこの規模の停電を経験したことがなかったらしく少し驚いているように見えた。ブラジルにおいて停電自体は決して珍しいことではないので、もし電力が無くなったときにどう対処したら良いか事前に考えておくことを勧める。 【④感想】  USPに転学することを決めたときは、UnBで何の目標も達成することなくブラジリアを去って良いのかと少し不安だったが、今振り返ってみれば自分の決断は間違っていなかったと心の底から感じる。友人とイベントに行ったり、放課後にジムでトレーニングしたり、サッカー観戦をしに行ったり、Liberdadeでラーメンを食べたり、ここには挙げきれないぐらいたくさんの出来事があり、かなり充実した月になった。中旬にはKUISのポルトガル語専攻の先生方と食事をしたり、下旬にはブラジリアの日本人留学生の友人がサンパウロに遊びに来たり、嬉しいことにカレンダーが予定でいっぱいだった。
イベロアメリカ言語学科 4年 交換
1~6件目 / 6件中