留学成果報告書 2025-12
プロフィール
学科
イベロアメリカ言語学科
学年
4年
専攻
ブラジル・ポルトガル語専攻
留学期間
2025-02-01 ~ 2025-12-31
留学種別
交換
総括編
サンパウロ留学総括編

【派遣先大学について】 (1) 基本情報 ・設立年 1934 年 ・学生数 約97000人 ・設置学部 哲学、文学、歴史学、社会科学、デザイン学、法学、経済学、出版学、体育とスポーツ学、教育通信学、看護学、舞台芸術学、視覚芸術学、天文学、経営学、建築と都市計画学、ジャーナリズム学、レジャーと観光学、マーケティング学、数学、応用数学、応用ビジネス数学、応用数学と科学計算学、医学、応用獣医学、応用気象学、音楽、栄養学、栄養と代謝学、産科学、海洋学、歯学、教育学、心理学、広告学、化学、国際関係学、広報学、公衆衛生学、情報システム学、作業療法学、テキスタイルとファッション学、観光学、動物科学、統計学、薬学、経済ビジネス学、物理学、計算物理学、医学物理学、理学療法学、言語聴覚療法学、地球科学と環境教育学、地球物理学、地理学、地質学、老年学、環境マネジメント学、公共政策管理学、食品工学、生体システム工学、コンピューター工学、材料工学、材料製造工学、鉱業工学、石油工学、生産工学、電気工学、物理工学、林業工学、機械工学、メカトロニクス工学、冶金工学、海軍工学、化学工学、航空工学、農業工学、環境工学、生物化学工学、土木工学、食品科学、精密科学、物理・生体分子科学、視聴覚学、バイオテクノロジー学、農業科学、数理科学、生物科学、生物医学、会計科学、コンピューターサイエンス学、自然科学、生物医学情報学 ・その他 サンパウロ大学は、ブラジル最大規模を誇る総合大学であり、ラテンアメリカでも最難関の大学の一つとされている。サンパウロ州内に8つのキャンパスを有し、33の学部および研究所を擁する。公立大学であるため、授業料は無料。 (2) 所属した学部、コース、プログラム等(原語および日本語訳) ・哲学・人文・人間科学部(FFLCH):文学部(Letras)、地理学部(Geografia) ・国際関係学部(IRI) (3) プログラムの概要 ・履修可能な授業、所属学部選択の制限など 基本的に、留学生はほぼすべての授業を履修することが可能である。ただし、FFLCH以外の学部の授業を履修する場合には、事前に担当教授へ留学生の受講が認められるかどうかを確認する必要がある。また、留学生の受け入れ人数は、原則として各授業につき5名までと制限されている。そのため、履修登録はできるだけ早めに行うことが望ましい。 ・学部留学の場合:選択した学部・学科以外の授業を履修できるか 基本的に可能であるが、担当の教員に直接確認することを推奨する。 ・学部留学の場合:語学コースを並行履修できるか 有料だが、履修可能である。本講座は、A1・B1・C1(上級者向け)といったレベル別にポルトガル語のクラスが編成されている。私はC1レベルを履修し、約3か月間(週に1回)受講した。受講申込時には、156レアルを銀行で直接支払う必要がある。授業初日には専用のテキストが配布される。前期にも履修を希望したが、定員に達していたため受講できず、後期に改めて履修した。そのため、募集案内が開始されたら、できるだけ早く申し込むことが望ましい。 (4) 大学の雰囲気、留学生や日本からの学生の割合や人数 サンパウロ大学(以下USP)は、ラテンアメリカを代表する名門総合大学である。ブラジル国内各地から優秀な学生が集まり、学問水準の高さと研究力において高い評価を受けている。キャンパスは非常に広大で、自然に囲まれた開放的な環境が特徴である。敷地内にはUSP専用のバスが運行しており、大学自体が一つの「街」のような構造になっている。また、USPが運営する博物館も複数存在し、日常的に歴史や文化に触れられる点も大きな魅力である。留学生も非常に多く、ラテンアメリカ諸国をはじめ、世界各地から多くの学生が集まっている。特にフランス人や中国人の学生が多く見られる。後期は私を含めて10名の日本人学生が在籍しており、日本人にとっても決して珍しい環境ではない。さらに、学部によって留学生の出身地域に特徴が見られる。例えば、FFLCHはアジア出身の学生が比較的多く、ECAやFAUなどその他の学部ではヨーロッパやラテンアメリカ出身の学生が多い傾向にある。 (5) 課題や試験 授業内容や担当教員によって異なるが、私が履修していた授業では課題が頻繁に出されることはなかった。しかし、KUISと比較すると、全体的な学習負担は圧倒的に大きいと感じた。成績評価は、基本的に出席率・中間試験・期末試験の結果を総合して算出される。特に授業内容の復習は非常に負担が大きく、理解を深めるためには相当な時間を要した。筆記試験では辞書の使用が認められる場合もあるが、試験内容は現地学生と同等の難易度で実施されることもある。一方で、担当教員によっては採点基準が比較的柔軟であったり、通常の課題提出を課さず最終レポートのみで評価が行われたりするなど、評価方法には一定の差が見られた。 (6) 困ったときに相談できたか、相談窓口はどこか、どのようなサポートを受けられたか 私は大学側のサポートを積極的に利用する機会があまりなかったため、詳細について述べることは難しいが、留学生向けにはCCINTという部署が設置されている。これはKUISでいう国際戦略部に相当する機関であり、主に留学生対応を担当している。留学当初、polícia federalにおいてRNM申請の予約を行う際には、この部署からサポートを受けた。一方で、担当者が実質的に一名で多くの業務を担っているため、メールの返信に時間を要する場合もあった。数日経っても返信がない場合には、再度連絡を取ることが望ましい。特に緊急性の高い案件については、直接オフィスを訪問することが有効であると感じた。困ったことが生じた際には、まずCCINTに相談することを推奨する。 (7) オリエンテーション 学期開始前には、IN GLOBAという学生団体が留学生向けに大学説明会やキャンパスツアーをはじめとする各種イベントを企画している。そのため、留学生同士が交流を深める機会は十分にあるといえる。イベントは大学内にとどまらず、大学外で開催される交流会もあるほか、学期終了時には留学生向けのお別れ会も実施される。こうした活動を通じて、学期初期の段階から人間関係を築くことが可能である。私自身も、IN GLOBAで活動しているブラジル人学生数人と親しくなり、大学生活に関するさまざまな情報を得ることができた。イベントに参加することで、留学生同士だけでなく現地学生との交流も広がるため、機会があれば参加することを勧めたい。 (8) 履修登録 留学生は、授業開始日から2週間、興味のある授業を自由に見学することができる。同じ講義を継続して受講し検討することも可能であり、複数の授業を比較することもできる。この期間中に、担当教授へ留学生の履修が可能かどうかを確認しておくことが望ましい。また、課題量や評価方法について不安がある場合には、辞書の使用可否なども含めて事前に質問しておくことが重要である。見学期間内に履修希望科目を整理し、履修登録日にオンライン上で申請を行う。履修登録期間は2日間と短い。さらに、原則として各授業につき留学生は5名までという制限があり、基本的には先着順であるため注意が必要である。ただし、定員を超えた場合でも、担当教授やCCINTに相談し許可を得られれば履修が認められる場合もある。不明点や問題が生じた場合には、CCINTへ相談することが適切である。 【自身の留学について】 (1) 留学を決意した理由 もともと大学に入学した当初から、いつか留学をしたいと考えていた。切磋琢磨しながら勉強し、実際に留学へ挑戦していく先輩や同級生の姿を見て、自分も現地に行き、自分の目でブラジルを見てみたいと思うようになった。そして、机上の知識だけでなく、現地でしか得られない経験をしたいという思いが強くなり、留学を決断した。 (2) 留学先を選んだ理由 私がブラジル・ポルトガル語専攻を志望したのは、ブラジルと日本のつながりに関心を持ったことがきっかけである。特にサンパウロには多くの日系人が暮らし、日本文化も根付いていることから、その歴史的・文化的背景を現地で体験し、自分の目で確かめたいと考えた。また、過去の移民の歴史だけでなく、現在における両国の関係についても深く学びたいと考えるようになった。さらに、ラテンアメリカで最難関といわれるサンパウロ大学という、多様で優秀な学生が集まる環境の中で刺激を受けながら学び、視野を広げたいと考え、留学を志望した。 (3) 留学のためにした準備/しておけば良かったと思う準備(学習面) 学習面で最も大切だと感じたのは、MULCに積極的に通うことである。MULCに通っていれば、語学力の基礎づくりはほぼ準備できると思う。私は1年生の頃はよく通っていたが、部活動やアルバイトが忙しくなり、2年生以降はあまり行かなくなってしまった。今振り返ると、もっと継続して利用すればよかったと感じている。MULCでは、チャットタイムなどブラジル人の先生や留学生と気軽に交流できる機会がある。忙しいとは思うが、「週に〇回は行く」といった目標を立てて継続することが大切だと思う。幸い、私はブラジル人留学生との交流があったため、日常的にポルトガル語を教えてもらう機会があり、それは大きな助けになった。 また、基礎を固めることの重要性も強く感じた。文法や基本表現をしっかり理解していれば、多少語彙が不足していても言い換えで対応できる。授業で扱う文法事項をその都度きちんと理解しておくことが大切である。さらに、留学先ではレポート課題などで本を読む機会が多い。私はもともと日本語でも読書があまり得意ではなかったため、長文を読むことに苦労した。日本にいるうちから読書の習慣をつけておけば、よりスムーズに対応できたのではないかと感じている。 (4) 留学のためにした準備/しておけば良かったと思う準備(生活面) サンパウロ大学に留学する場合、基本的に住居は各自で探す必要がある。そのため、渡航前からFacebook上の学生向け物件コミュニティに参加し、条件に合う物件を継続的に探していた。住居選びは留学生活の質に大きく影響するため、立地や治安、大学までの距離などを十分に検討したうえで、早めに決定することが望ましい。また、すでに留学している先輩学生と連絡を取り、実際の住環境について相談することも参考になる。 私はもともと一人暮らしをしていたので、留学中も特に大きな不安はなかった。ただ、一人暮らしの経験がない人は、料理や掃除など、日常生活に必要な一通りの家事をあらかじめ練習しておくと安心だと思う。普段から少しでも家事に取り組んでおけば、現地での生活もよりスムーズに始められると感じた。 (5) 留学中の交友関係 日本人留学生は、現地の日本語専攻の学生と自然に交流が生まれやすい。共通の話題が多く、日本語とポルトガル語を教え合うことができる点も大きな魅力である。ひとりと親しくなることで人間関係が広がり、交友関係が次第に拡大していく傾向が見られる。また、現地で出会う他大学の日本人留学生とも関係を深めることができるため、日本人留学生と現地の日本語専攻の学生を中心とした中規模のコミュニティが形成されることもある。さらに、大学外での活動に参加することも交流の幅を広げる契機となった。例えば、県人会主催のイベントやボランティアでの活動を通じて知り合ったブラジル人学生と親しくなり、学外で交流する機会もあった。こうした学外での交流は、USP内とは異なる人間関係や文化的経験を得る貴重な機会となった。 (6) 授業についての全般的な感想、学んだこと USPの授業は、入退室が比較的自由である。遅刻してくる学生や、授業の途中で退出する学生も珍しくなく、休憩時間以外にコーヒーを買いに行く姿も見られる。出席は紙のリストに署名する形式で、毎回授業中に回覧される。学期初めは、留学生の名前がまだ名簿に記載されていないことがあるため、自分で追記する必要がある。また、各授業ごとにWhatsAppのグループが作られており、休講の連絡や出席リストの確認などはそこで共有される。ブラジルではストライキなどの影響で急遽休講になることもあるため、授業開始後は同じ授業を履修しているブラジル人学生に声をかけ、グループに参加しておくことが望ましい。日本の授業と比較すると、USPの学生は非常に発言が活発である。多くの学生が積極的に手を挙げて質問し、異なる意見があれば率直に述べる。教員が問いかけを行うと、必ず誰かが応答するという印象を受けた。この主体的な姿勢は強く印象に残り、自身も見習うべきだと感じた。さらに、授業中に学生団体が教室へ入り、抗議活動やイベントの告知を行うこともある。こうした光景は日本の大学ではあまり見られないものであり、印象的だった。 留学中、実際に授業を受けてみると、当初は内容がほとんど理解できないことも多かった。教員によっては出身地の影響により聞き慣れないポルトガル語の発音を用いることがあり、中にはヨーロッパ・ポルトガル語に近い発音で話す教員もいたため、聞き取りそのものに慣れる必要があった。基本的に授業資料はMoodle上で事前に確認できるため、あらかじめ目を通して背景知識を身につけておくことが重要である。しかし、予習をしていても毎回内容を完全に理解できるわけではなかった。留学当初は、授業中に分からない単語をひたすら書き留めていたが、それだけでは内容理解には十分結びつかず、効率的とは言えなかった。むしろ細かな語彙にこだわりすぎず、まずは授業全体の流れや主張の大枠を把握することを意識するほうが効果的であった。理解できなかった箇所は、授業後に資料を読み返したり、一緒に履修している友人に確認したりすることで徐々に補うことができた。次第に耳が慣れ、専門用語にも親しむようになると、議論の内容を追えるようになった。最初は不安を感じることも多いが、継続して授業に向き合うことで確実に理解度は向上していくと実感した。 (7) 授業外で参加した活動 ・ボランティア 留学中、留学生の会を通じて知り合った駐在員の方との出会いをきっかけに、県人会の活動に関わる機会を得た。7月に開催される日本祭り・いいもの展における通訳やボランティア活動、さらにブラジル人に日本語を教えるボランティアなど、大学外での貴重な経験を積むことができた。 ・フラメンコ KUIS在学中は部活動でフラメンコに取り組んでいた。留学中に訪れたスペイン料理店で偶然フラメンコのショーを鑑賞し、出演していたプロのダンサーと交流する機会があった。その後、彼女が運営するレッスンに約2か月間参加した。 (8) 授業外の活動についての全般的な感想、学んだこと こうしたボランティア活動や学外での経験を通して、大学内だけでは得られない視点や人間関係の広がりを実感した。異なる立場や背景をもつ人々と関わる中で、自分の価値観を相対化する機会が増え、柔軟に物事を捉える姿勢の重要性を学んだ。また、日本文化を外側から説明する経験は、自国について改めて深く考える契機にもなった。同時期に留学していた友人の中には、USPのバスケットボール部やカヌー部に所属している人もいた。団体によって活動の忙しさは異なるため、まずは見学や体験に参加して、自分に合うかどうかを確認することが大切である。 (9) 留学で達成した最も大きなこと 留学を通して、まず大きく成長したと感じているのは、やはりポルトガル語の能力、特に「話す力」である。授業や日常生活の中で積極的に会話を重ねることで、以前よりも自信を持って自分の考えを伝えられるようになった。ブラジル人の友人の話し方や表現をよく観察し、実際に使ってみることで、自然な言い回しも少しずつ身につけることができた。最初は自分の会話力に自信がなかったが、「完璧でなくても、まずは話すことが大切だ」と気づき、多くの友人を作りながら積極的にポルトガル語を使うことを心がけた。 また、自分の意見をはっきりと言葉にする力も身についた。日本では周囲に合わせ、自分の意見を強く主張しない場面もあったが、ブラジルでは自分の考えを述べることが求められる場面が多い。実際に、多くのブラジル人が自分の意見を明確に伝えている。その姿勢に刺激を受ける中で、私自身も自分の考えを持ち、それを言葉にして伝えることの大切さを学んだ。さらに、異なる文化の中で生活したことで、自分自身について深く考える機会にもなった。自分は何を大切にしているのか、将来どのような道に進みたいのかを改めて見つめ直すことができた点も、留学で得た大きな成果である。 (10) 今後どのような学習を継続していきたいか 留学中は実践的な会話練習に重点を置いていたため、文法や語彙の習得に十分取り組むことができなかった。その結果、日常会話には対応できるレベルに達したが長文を書くことには依然として苦手意識がある。今後は、文章を書く練習にも積極的に取り組んでいきたいと考えている。また、留学中に多くの留学生と出会ったことも大きな刺激となった。もともとKUISでスペイン語を1年間履修していたが、現在は基礎的な内容しか覚えていないため、改めて学び直したいと感じている。さらに、英語の学習を継続することはもちろんのこと、フランス語やイタリア語など、新たな言語にも挑戦したいという意欲が高まった。 【渡航・滞在先住居について】 (1) 派遣先への出願 (気を付けるべき点など) 大学側が定める期日までに必要書類を提出すれば特に問題は生じないが、私は提出が期限直前となり、余裕のない状況で手続きを進めることになった。円滑に準備を進めるためにも、時間に余裕をもって対応することを強く勧めたい。 (2) ビザ申請 ビザの申請から受け取りまでに要する期間は時期によって異なるが、私の場合は約5日で受け取ることができた。私は片道航空券のみでビザを申請することができたが、往復航空券を用意しておいたほうが、より円滑に手続きが進む可能性がある。また、申請時に必要書類が不足していたため、領事館を再訪問することになった。結果的に渡航直前にビザを受け取ることとなり、余裕のないスケジュールとなってしまった。さらに、CPF(ブラジルの納税者番号)はビザ申請時に同時に手続きを行うことを勧めたい。私は住民票を移していなかったため、必要な手続きやパスポートの更新のために授業を休み、平日に地元へ戻って警察署や市役所で手続きを行う必要があった。以上の経験から、留学が決まったら早めに必要書類や行政手続きを確認し、余裕をもって準備を進めることが重要であると感じた。また、不測の帰省に備えて、体調管理や授業の欠席日数にも十分注意する必要がある。 (3) 航空券を予約した方法 海外滞在の経験がなかったため、当初は旅行代理店に相談した。その後、スカイスキャナーを用いて各航空会社の料金や経路を比較し、最終的には信頼性の高いエミレーツ航空をオンラインで予約した。 (4) 渡航したルート 往路:成田空港→ドバイ空港→グアルーリョス空港 復路:グアルーリョス空港→ボレ空港(エチオピア)→成田空港 (5) 最寄りの空港から大学または住居までの移動 留学前に、USPから「Ifriends」と呼ばれるサポーター制度の案内があり、申し込みを行った。しかし、サンパウロ到着まで特に連絡はなかった。到着時刻が夜間であったため、当日は空港近くのホテルに一泊した。翌朝、当時すでに留学していた同級生が迎えに来てくれ、その後Uberを利用して滞在先へ向かった。なお、Uberは事前にアプリをダウンロードし、利用できる状態にしておくことを推奨する。空港からホテルへ移動する際、空港出口付近でタクシーの利用を強く勧められることがあるが、高額な料金を請求される可能性もあるため、十分注意が必要である。 (6) 滞在先住居を探した方法 最初はFacebookのコミュニティを通じて学生用の物件を探していたがなかなか見つからず、現地の大学がメールでおすすめしていた物件にした。時間もなかったため、当時留学していた同級生に仲介してもらい、契約した。 (7) 滞在先住居についての詳細 滞在先住居:Share Butantã 部屋のタイプは主に4種類ある。 ・2人でキッチン・浴室を共用する部屋(仕切りなし) ・2人でキッチン・浴室を共用する部屋(個室ではないが仕切りあり) ・4人でキッチン・浴室を共用する個室ありの部屋 ・1人で住める部屋 私は4人で共有する住居を選び、社会人のブラジル人男性2名と学生のブラジル人女性1名とともに生活していた。キッチン(冷蔵庫、冷凍庫、IHコンロ、電子レンジ付き)は広く、シャワールームも2室備えられていた。これらは共用スペースであり、各自には寝室を含む個室が与えられていた。 私が入居する前から他の3名が居住していたため、調理器具などは既に揃っており、それらを共有して使用していた。また、建物全体の共用設備として、乾燥機付き洗濯機(有料)、プール、ジム、シュハスカリーア、自習室、シアタールーム、小規模の無人売店などが備えられていた。建物自体は比較的新しく清潔であったが、豪雨の際には停電が発生することがあり、ひどい場合には断水も経験した。居住者の多くはUSPの学生で、留学生の入居者も少なくなかった。設備面では、エアコンの定期的なメンテナンスも行われていた。支払い方法は基本的にクレジットカード決済であったが、友達はうまく手続きができず、銀行振込で毎回対応していた。 (8) 滞在先についての感想、アドバイス 停電や断水には悩まされることもあったが、駅から徒歩約3分という立地に加え、USP行きのバス停も近く、交通の利便性は高かった。また、入居者が多いため友人を作りやすい環境であった点も特徴である。さらに、Portariaや顔認証システムが導入されており、セキュリティ面では比較的安心感があった。一方で、複数人で生活する場合は、あらかじめ掃除当番などのルールを決めておくことが望ましい。私たちは週ごとに共用部分の清掃とゴミ出しの当番を決めていたが、生活習慣の違いから管理が十分に行き届かないこともあり、留学生活後半には当番制度が形骸化してしまうこともあった。 なお、報告書にも記載した通り、私自身はShareの利用をあまり勧めない。家賃が比較的高額であることに加え、断水や停電といったトラブルが頻繁に発生したためである。より安定した住環境の選択肢は他にも存在する。例えば、友人の韓国人留学生はCaza Nozに居住していた。設備やサービス内容はShareと類似しているものの、断水や停電といったトラブルは比較的少なかったと聞いている。そのため、住居選択の際にはCaza Nozも有力な選択肢の一つとなり得る。なお、こちらの住居についても、留学前にUSPから案内が送付される。 【滞在国・地域での生活について】 (1) 現地での支払方法や現金の調達 クレジットカード2枚とデビットカード1枚を持参した。現地での現金引き出しはSantanderのATMを利用していた。USP内には銀行支店やATMが設置されているため、安全面を考慮すると学内で手続きを行うほうが比較的安心である。なお、事前にWISEのカードを日本で作成しておくことも有効な選択肢の一つであると考えられる。私は利用していないため詳細については述べられないが、他の留学生の報告書を参考にするとよいだろう。 (2) 携帯電話 ・携帯電話について 万が一盗難に遭った場合に備え、予備のスマートフォンも持参した。日本ではスマートフォンをチェーンやストラップで首から下げて持ち歩く人も多いが、そのような持ち方は周囲から目立ちやすく、盗難の標的となる可能性がある。そのため、現地では過度に目立つ携帯方法は避けることが望ましい。ただし、カーニバルなど大勢の人が密集する場面では、スマートフォンを衣服の内側に入れ、首から下げて外から見えないようにする方法は、防犯対策の一つとして役立つと感じた。 ・SIMについて 飛行機の乗り継ぎ時やサンパウロ到着直後からインターネットを利用できるよう、14日間対応のahamoの海外データ通信サービスを利用していた。サンパウロ到着後は、同じUSPに留学している友人の親戚のブラジル人の方に付き添ってもらい、ショッピングモール内にあるClaroでSIMカードを契約した。 (3) インターネット キャンパス内や私が滞在していたShareでは、基本的にインターネットは利用できるものの、接続が不安定なことが多かった。また、地下鉄や長距離バスなどの移動中は、インターネットに繋がりにくい場面もあった。 (4) 医療 北東部へ旅行する際、黄熱病のワクチンを接種していなかったため、ButantãにあるSUS(公立病院)で接種を受けた。SUSでは無料で接種できるため、普段は混雑していると現地のブラジル人の友人から聞いていたが、私が訪れたときはたまたま空いており、約30分ほどで処置が完了した。もし渡航前にワクチン接種が済んでいなかった場合でも、現地で無料で接種できるため、渡航前には最低限必要なワクチンだけ日本で済ませておくと安心である。 (5) 日本から持っていくべきもの ・パーカーなどの冬服 サンパウロの冬は予想以上に寒く、パーカーなどの長袖は必須である。ただし、半袖も含めて大量に服を持参すると、帰国時に処分せざるを得ない場合がある。私の場合、帰国前に何着かを友人のブラジル人に譲った。そのため、服は必要最低限にとどめ、足りない場合は現地で購入する方が効率的である。 ・日本のサブスクリプションの解約・停止   日本のアカウントのままだと、現地限定のアプリをダウンロードできない場合がある。アカウントの国設定を変更するには、すべてのサブスクリプションを一度解約する必要があり、解約が反映されるまでに約1か月かかる。そのため、入国の少なくとも1か月前には解約手続きを行っておくことをお勧めする。こうしておくと、メトロ利用時に現金でチケットを購入する手間が省けるほか、マクドナルドなど現地の飲食店でアプリクーポンも利用可能になる。 ・常備薬(1年分) 日本から持参した薬が切れたため現地で購入して服用したが、ブラジルの薬は成分や効き方が強く、私の体には合わなかった。そのため、日本からは必要な薬を十分な量、余裕をもって持参することが望ましい。 ・虫刺され跡を治す薬 ブラジルでビーチを訪れた際、蚊以外の虫に刺され、1週間以上かゆみが続いた。帰国後も跡が残っていたため、虫刺され跡を治す薬は持参しておくと安心だと感じた。なお、現地では虫刺され用の薬や虫除けも入手でき、効果の強いものが揃っているため、個人的にはあえて日本から持っていく必要はないと考える。 (6) 治安状況 普段はできるだけ日が沈む前に帰宅するようにしていた。やむを得ず夜遅くなる場合は、複数人で行動することが望ましい。特に治安の悪いエリアでは、日中でも友人と複数人で外出することが安全策となる。実際、Paulista周辺では、目の前で知らない人がスマートフォンを盗まれそうになる場面に2、3回遭遇した。典型的なケースとしては、スマートフォンを手に持ったまま外を歩いているところを、バイクに乗った人に奪われそうになる状況がある。現地の友人から聞いた話では、バス利用時も注意が必要である。乗車中、グループの一人が話しかけてきたり、支払いで手間取っている隙に、後ろの人物がスマートフォンや財布を盗むことがある。常に周囲に注意を払い、危機管理意識を持つことが重要である。 サンパウロだけでなく、リオデジャネイロ などの大都市圏でも治安が悪い地域が多いため、大使館や領事館から発信される邦人被害情報を確認し、どの地域が危険なのか、またどのような犯罪に注意すべきかを事前に把握していた。 ・旅行に行くときに気をつけてほしいこと 私は旅行に行く際、SNSで治安に関する情報を調べた。ポルトガル語、英語、スペイン語のいずれであっても、旅先の地名を検索するだけでさまざまな情報が得られる。私は主にTikTokを利用して、旅先の治安を含めた情報収集を行った。一般的に、どの州や市でもセントロは治安が悪いことが多いため、日中に限らず1人で絶対に歩かないようにしている。これは旅行先でも同様である。また、観光地ではぼったくりの被害に遭うケースもある。例えば、Salvadorでは、観光客に白い模様のボディペイントを勝手に施そうとする人がいる。これはアフロ・ブラジル文化に由来する宗教的・伝統的な身体装飾を観光向けに商業化した行為であり、塗られた後に高額な料金を請求されることが多い。かなりしつこく勧誘されるため、はっきりと断ることが重要である。 (7) 食事 一限の授業がある日は、朝からbandejãoを利用していた。昼食や夕食も同様にbandejãoで済ませることが多かったが、日本食が恋しくなった際には、Liberdadeで外食をしたり、Butantãにあるすき家を利用したりすることもあった。しかし、外食をすると一回あたり1,000円を超えることが多いため、節約のために自炊をすることも多かった。毎日bandejãoを利用していると飽きてしまうため、自炊は気分転換にもなっていた。 (8) 情報の入手 留学前は、当時すでに留学していた同級生から、現地の生活や大学に関する情報を得ていた。実際に現地で生活を始めてからは、ブラジル人の友人を通じて日常生活や大学周辺の情報を収集していた。また、授業に関する連絡は、各授業ごとに作成されている WhatsAppのグループを通じて行われており、そこから最新情報を確認していた。 (9) 特筆すべき文化や習慣の違い、気を付けるべき点 どんな場面でも挨拶や謝罪、感謝をきちんと伝えることを心がけた。スーパーやUberを利用する際も同じである。例えば、Uberで待ち合わせに少し遅れそうなときは、事前にチャットで連絡を入れるようにしていた。また、車に乗るときに挨拶をし、遅れた場合は一言謝るだけで、運転手の対応が柔らかくなることも多かった。Uberは「最大4人まで」と表示されているが、何も連絡せずに4人で呼ぶと、到着後に断られることもある。特に、助手席に乗客を座らせたくない運転手もいるため、4人で利用する場合は事前に確認したほうがよいと感じた。また、ジェスチャーにも注意が必要である。日本では写真を撮る際にピースサインをすることが一般的だが、ブラジルでは地域によってはギャングを連想させるポーズと受け取られることがある。実際に、サルバドールを旅行した際、現地の人から注意を受けたことがあり、それ以来あまりしないようにしている。サンパウロではピースをして写真を撮る人を見かけることもあるが、基本的には控えたほうが無難だと感じた。 【進路について】 (1) 留学終了後の進路 就職先はまだ具体的には決まっていないが、これまでに身につけたポルトガル語力を生かせる仕事に就きたいと考えている。将来的には、ブラジルをはじめとするポルトガル語圏と関わりのある企業で働き、海外赴任にも挑戦したい。その目標に向けて、今後本格的に就職活動に取り組んでいく予定である。あわせて、在外公館派遣制度にも挑戦したいと考えている。現地で実際に働きながら日本と海外をつなぐ役割を担うことで、より実践的な経験を積み、自身の視野や能力をさらに高めたい。 (2) 現地での就職活動や進学準備 忙しさを理由に、就職活動についてはほとんど何もできていなかった。実際、ブラジルからオンラインで就職活動を行うとなると時差の問題もあり、難しさを感じていたのも事実である。しかし、留学中であっても自己分析をしたり、企業について調べたりすることは十分にできたはずだと感じている。そうした準備の時間をより有効に使えたのではないかと、今になって少し後悔している。 一方で、留学中には駐在員の方々とお話しする機会も多く、その際に就職活動や将来の進路について相談することができた。そうした経験は、自分の将来を考えるうえで貴重な機会であったと感じている。 (3) その進路に対して留学経験をどう活かすか 将来考えている進路の実現に向けて、帰国後もポルトガル語の学習を継続し、留学生活で培った力を自分の強みとして今後に生かしていきたい。ただ、日本ではブラジルに留学していた頃と比べてポルトガル語を話す機会が減ってしまうのも事実である。そのため、ボランティア活動に参加したり、ブラジル人が多く住んでいる地域を訪れたりしながら、実際にポルトガル語を使う機会を積極的に作っていきたいと考えている。 【今後留学を目指す学生へのアドバイス】 迷ったり、不安になったりするのは、誰にでもあることです。でも、学生の今だからこそ、失敗を恐れず挑戦できるチャンスがあります。海外でしか味わえない経験や、触れられない文化、人との出会いは、きっと自分の視野を広げてくれます。費用や手続きのことで悩む人も多いですが、奨学金や支援制度は意外とたくさんあります。少し勇気を出して一歩踏み出してみれば、世界は思っている以上に広く、あなたの人生はもっと自由で豊かになるはずです。 ・4年次での留学を考えている方へ 私は2年生のとき、自分のポルトガル語の実力がまだ十分ではないと感じ、留学試験に挑戦せずに3年次を過ごしました。しかしその1年間、留学に行っている同期の姿を見て、とても後悔をしました。留学は費用もかかり、決して簡単に決断できるものではありません。それでも、実際に留学を経験した今、もしあのまま挑戦せずに大学生活を終えていたならば、もっと後悔だけが残っていたと思います。 4年次での留学には、就職活動との両立という不安もあります。しかし、就職活動の開始が遅れること自体は、必ずしも悪いことではないと考えています。むしろ、現地での経験を通して培った力は、大きな強みになります。また、留学中であっても自己分析や企業研究を進めることは十分に可能です。 もし4年次での留学を迷っている人がいるならば、まずは試験に挑戦するという選択肢を前向きに考えてほしいです。目の前にある挑戦の機会を、不安だけを理由に手放してしまうのはとてももったいないことです。挑戦することでしか見えない景色や、出会えない人がいます。その経験は、これからの人生において大きな財産になると私は実感しています。

留学費用
ブラジル レアール
29.94円
内訳 費用(現地通貨) 日本円換算
家賃 31,310 937,421円
水道光熱費 0 0円
学費・教材費 216 6,467円
交通費 5,597.14 167,578円
通信費 704 21,078円
食費・その他 23,774.49 711,808円
小計 61,601.63 1,844,352円
航空券
339,960
保険
122,710
ビザ関連費用
16,000
その他
0
合計 2,323,022 円