約1年間のブラジル・サンパウロ留学のまとめの報告書になります。 項目によっては月次の報告書に詳しく書いてある場合もあるため、そちらも併せても活用していただければ幸いです。 【派遣先大学について】 (1) 基本情報 ・設立年 1934年 ・学生数 約97000人 ・設置学部 哲学、文学、歴史学、社会科学、デザイン学、法学、経済学、出版学、体育とスポーツ学、教育通信学、看護学、舞台芸術学、視覚芸術学、天文学、経営学、建築と都市計画学、ジャーナリズム学、レジャーと観光学、マーケティング学、数学、応用数学、応用ビジネス数学、応用数学と科学計算学、医学、応用獣医学、応用気象学、音楽、栄養学、栄養と代謝学、産科学、海洋学、歯学、教育学、心理学、広告学、化学、国際関係学、広報学、公衆衛生学、情報システム学、作業療法学、テキスタイルとファッション学、観光学、動物科学、統計学、薬学、経済ビジネス学、物理学、計算物理学、医学物理学、理学療法学、言語聴覚療法学、地球科学と環境教育学、地球物理学、地理学、地質学、老年学、環境マネジメント学、公共政策管理学、食品工学、生体システム工学、コンピューター工学、材料工学、材料製造工学、鉱業工学、石油工学、生産工学、電気工学、物理工学、林業工学、機械工学、メカトロニクス工学、冶金工学、海軍工学、化学工学、航空工学、農業工学、環境工学、生物化学工学、土木工学、食品科学、精密科学、物理・生体分子科学、視聴覚学、バイオテクノロジー学、農業科学、数理科学、生物科学、生物医学、会計科学、コンピューターサイエンス学、自然科学、生物医学情報学 (2) 所属した学部、コース、プログラム等(原語および日本語訳) 文学部(Letras)、地理学部(Geografia) (3) プログラムの概要 ・履修可能な授業、所属学部選択の制限など 基本的に留学生をはじめとし、全学生に履修の制限はなく、学部問わずほとんどの授業を履修することができる。 ・学部留学の場合:選択した学部・学科以外の授業を履修できるか 可能であるが、履修のためには担当講師の許可、CCINT(国際戦略部のような機関)への申請が必要である。 ・学部留学の場合:語学コースを並行履修できるか 留学生用のポルトガル語の授業が有料であるが提供されている。レベルが分かれており、自分のレベルに合わせて選択が可能である。自分は履修していないため、履修したい場合は他の留学生の報告書を参考にしてみてほしい。 (4) 大学の雰囲気、留学生や日本からの学生の割合や人数 自分が所属したLetras(文学部)や地理学部(Geografia)は、基本的には少人数の授業が多い。遅刻・早退などは特に評価の対象としては見られず、授業の途中でコーヒーや軽食を買いに行く人も稀ではない。しかし、ブラジルの大学生は学習意欲が高く、どの授業でも学生による発言が多くみられる。サンパウロには世界最大級の日系コミュニティがある影響からか、日系人や日本人留学生の人数も多い。 (5) 課題や試験 授業と同様に、テストや課題もポルトガル語である上にレベルが高いため、留学生にとってはとても難しい。しかし基本的には授業同様、留学生に対しては配慮や救済措置があるため、そこまで単位取得の可否を普段から気にする心配はないと思う。実際にCultura Japoneesa(日本文化)の授業ではテスト中の辞書の使用が許可されたりと、多くの授業で相談次第ではこのような対応をとってもらえるため、難しいと思った場合は担当講師に相談しよう。 (6) 困ったときに相談できたか、相談窓口はどこか、どのようなサポートを受けられたか 困った時には、CCINTに行くようにしていた。CCINTとは、神田外語大学でいうところの国際戦略部にあたるもの。主に留学生のサポートを行ってくれる職員の方々がおり、何かわからないことがあればCCINTに質問に行けば大抵のことは解決する。先ほども述べた通り、最初のRNMの申請なども手伝ってくれるため、うまく活用しよう。 (7) オリエンテーション サンパウロ大学では留学生のためのオリエンテーションが開催される。同じ学期から留学を開始するいろいろな国からの留学生と交流できる最初のチャンスで、USPのキャンパス内のツアー・初めての学食・学内施設の説明などが含まれている。また、この延長でサンパウロ市内の施設の案内、RNMの申請援助などをしてもらうことができるため、参加することをおすすめする。このオリエンテーションはINGLOBAという学生団体が運営してくれており、この団体のイベントに参加することでさまざまな経験ができるかも。オリエンテーションは学期開始の約2週間前に行われるため、参加したい場合はオリエンテーションの日程を確認し、学期開始より早めにブラジルに到着するといいだろう。 (8) 履修登録 留学生の履修登録は現地の学生とは異なり、最初に2週間程度の授業のお試し期間が存在する。この期間に興味のある授業に参加し、最終的な履修を決める。どれだけ興味を持っていても内容理解に苦しむ授業がほとんどであるため、特に1学期目は優しい先生・留学生への配慮がある先生の授業や、日本語専攻の授業をとり現地の学生に助けを求めるのがおすすめ。留学生は基本的に、担当の先生の許可があればどの学部の授業でも参加が可能である。実際に自分も、後期にGeografia(地理学)の授業を履修した。 【自身の留学について】 (1) 留学を決意した理由 私は小学生から行っていたサッカーの影響で、中学生・高校生の頃からブラジル人サッカー選手の通訳に興味を持ち、大学でのポルトガル語の学習を決意していた。実際に通訳になるため、現地ブラジルでの学習に大学入学当初から興味を持っていた。そのため、自身が所属しているブラジル・ポルトガル語専攻の交換留学制度を活用し、今回、留学が実現した。 (2) 留学先を選んだ理由 正直なところ、サンパウロを留学先に選んだ決定的な理由はない。強いて言えば、参考にしていた先輩がサンパウロに留学していたことが挙げられる。ブラジルであればどこでもよいと思うほど、大きなこだわりはなかった。しかし、自分の一番の留学の理由であるサッカーの観点から見ると、サンパウロ市には伝統的で有名なサッカーチームが3つあり、スタジアムでの観戦が頻繁にできたため、個人的には一番サンパウロが良かったのかと思う。自分のようにサッカーに興味を持ち留学する場合は、他の留学先ではそう頻繁に現地に足を運ぶことができないと思うので、サンパウロへの留学を強くおすすめする。 (3) 留学のためにした準備/しておけば良かったと思う準備(学習面) 語学面では、Mulcでのネイティブの先生方、留学生との会話練習をし留学に備えていた。しかし現地の人々の会話スピードは想像よりもはるかに早く、最初のうちはほとんど理解できなかったため、練習が足りなかったと反省している。また、ポルトガル語の単語が理解できなかった時に英語で説明してくれる人がたまにいるが、SALCでの勉強を怠っていたためあまり英語も理解できず、困るシーンもちらほらあった。留学をする予定の人は、ポルトガル語はもちろん、英語の学習も同時に進めるのがおすすめ。 (4) 留学のためにした準備/しておけば良かったと思う準備(生活面) ・CPF ブラジルの納税者番号と呼ばれるもの。自分は当初、ブラジル人だけが所有する番号かと思い申請を忘れてしまったが、領事館でのビザ申請のタイミングで同時に発行が可能であるとのことだった。この番号はネットでの買い物やサッカーの観戦チケットなど、ありとあらゆる場面で必要となるので、発行まで何かと不便なことが多かった。忘れずに申請しよう。ただ、ブラジルに到着後、インターネットで申請・発行が可能なため、もし忘れてしまった人は自分の例が参考になればと思う(CPFに関しては、月次の報告書でも書いています)。 ・予防接種 ブラジルに渡航するための予防接種は任意になっている上、推奨されているワクチンの種類が多く値段もかなりするため、保護者との相談が必要。自分は念の為、打てるワクチンは全て打ってから渡航した(黄熱病、破傷風、A・B型肝炎、狂犬病)。しかし、ブラジルでは無料で予防接種を行える医療機関などがあるため、金銭面で迷う人は現地で打つのも一つの選択としてありかなと思う。サンパウロでは、黄熱病、破傷風、肝炎、狂犬病など、ほぼ全ての予防接種ができる機関があり、無料で打てるものが多い。 (5) 留学中の交友関係 ・日本語専攻、友人作り サンパウロ大学の文学部(Letras)には日本語専攻があり、主に日本人留学生はこの専攻のブラジル人と交流する場面が多い。彼らは授業の手助けはもちろん、一緒に学食に行ったり、休日に遊びに行くことも多い。やはりアニメや漫画に興味を持っている人が多いため、予備知識があると溶け込みやすいかも。しかし、自分のようにそれらに全く興味のない人でももちろん仲良く接してくれるため、それらの点でサンパウロは友達が早くできやすいのかなと思う。 ・話会 話会とは、サンパウロ大学の日本語専攻の学生が有志で行っている、週一回の日本語での会話の練習会。主に日本語専攻の人が参加者の大半を占めているが、他の学部の生徒もちらほら。留学生も普段助けてもらうことが多いため、この会に参加し、逆にブラジル人たちの日本語の練習の手伝いをしている。会の後に一緒に学食に行き、さらに仲良くなる機会があるため、より彼らとの仲を深めるためにもおすすめ。 ・日本人留学生 サンパウロ大学は多くの日本の大学と協定を結んでおり、他大学からの日本人留学生が毎年多く来ている。ブラジル人と仲良くなりポルトガル語を上達させるのはもちろんだが、地球の裏側で日本人と出会うということはなかなか無い機会だと思う。普段の学校に関する相談や助け合いだけでなく、プライベートでも様々な思い出を作ったりと、同じ言語を学習している仲間と濃い1年間を過ごし、仲良くなることができる。 (6) 授業についての全般的な感想、学んだこと サンパウロ大学はブラジル内ではもちろん、ラテンアメリカの中でも最難関の部類に入るため、とにかく授業が難しいと言ったのが全体的な感想である。日本語や日本に関する授業は予備知識があるはずなので、1学期目の慣らしのための履修はかなりおすすめ。ただ、全世界から留学生が多く来ているからか、全体を通して留学生へ配慮がかなり充実しており、一部の特に難しい授業を除いてほとんどの授業は単位を取得できると思う。心配な人は、1学期目には同じ留学生の友達やブラジル人の友人と一緒の授業をとり、助けを求められるようにするといいだろう。ただ、2学期に必ずしも1学期と同じ授業があるわけではないため、注意が必要。 (7) 授業外で参加した活動 ・留学生の会 留学生の会とは、日本人留学生がブラジルで働いている駐在員の方々と交流し、主に留学生の進路相談やキャリア形成の手助けをお願いする会である。半年に一回、味の素の駐在員の方にご協力いただき、会を開いている。サンパウロには世界最大級の日本人・日系人コミュニティがあるため、多くの社会人・駐在員の方が暮らしている。時差などの影響でブラジルでの就職活動の幅が限られている中、このような機会を得られたことはとても有意義だと感じている。この留学生の会は、サンパウロ大学の学生が中心になって計画されるが、他の大学に留学している留学生も参加可能である。しかし、駐在員の方々との交流やお食事会、準備などに携わりたいと考える人はサンパウロを選ぶのがおすすめ。 ・ボランティア サンパウロにはほとんどの都道府県の県人会というものが存在し、多くの日本に関するイベントが行われている。上記した味の素の駐在員の方は埼玉県人会の会長も務めていらっしゃり、留学生は埼玉県人会のイベントやボランティアに参加させていただけることが多い。ボランティアに参加することで多くの日本人・日系人の方と仲良くなったり、県人会のお食事会に呼んでいただけたりもするので、とてもいい経験ができると思う。 ・駐在員の方々との交流 県人会の他にも、留学生の会などで知り合った駐在員の方々に別のコミュニティにご招待いただけることも。サンパウロでは、テニスやサッカーが好きな方々が集まり週末にそれらのスポーツを行っている。自分はタイミングが合わずあまり参加できなかったが、こちらもとても有意義なものになると思う。 (8) 授業外の活動についての全般的な感想、学んだこと サンパウロではブラジル人との交流はもちろん、ボランティアなどで日本の駐在員の方、日系人と知り合えるところが主な特徴として挙げられる。さまざまなルーツを持ってブラジルに住んでいらっしゃる方と関わることで、世界最大級の日系人・日本人コミュニティの一部が垣間見え、とても興味深いと思う。自身のサンパウロでの生活ではありがたいことに、基本的に週末には予定が埋まっているということが多かったため、勉強面以外でも充実度が高いのではないかと思う。 (9) 留学で達成した最も大きなこと 留学を通して、開始前よりはるかに語学力が上がったことは間違いない。日常の会話などはほとんど差し支えなく理解でき、流暢とまではいかないが、相手に理解してもらえるくらいのレベルで話せるようにはなったと感じている。しかしそれが自分の目標であったかと言われればそうではなく、正直、理想からは程遠いというのが実感である。特に話す能力においては日々苦戦を強いられる。ブラジル人の話すスピードが早くなるとやはり理解が難しく、語彙や知識量を留学中に十分に伸ばすことができなかったのが反省点である。 私生活の面では、知らない人との関わり方が上手くなったと思う。ブラジルでは一度会ってしまえばすぐアミーゴ(Amigo)、友達になるくらい、人との関わり方が日本とまるで違う。そんな環境の中で1年近く生活できたことで、交友関係の広め方も上手くなったのではないかと自負している。また、ブラジル、特にサンパウロにはさまざまなルーツを持つ人が混在するため、他の国よりもアジア人への差別が少なく、分け隔てなく接してくれる人が多い印象を持っている。いまだに差別などが色々なところで蔓延っている中で、このような考え方は尊重していくべきなのではないかと痛感した。おkのように、異文化に触れていく中で、さまざまな人の生き方への考え方が広まったと感じている。 (10) 今後どのような学習を継続していきたいか 自分のポルトガル語のどの能力を見ても一人前とは言い難く、まだまだ学習が必要であると自覚している。予定では卒業まであと1年が残されているため、この1年間で更なる語学力向上を目指していく。また、時間やメンタル面を考慮しつつ、英語をはじめとした他の言語の習得にも務めていきたい。 【渡航・滞在先住居について】 (1) 派遣先への出願 学内での選抜試験の結果が分かった後に、留学先大学への出願手続きが必要である。基本的に個人情報などを送り、学籍準備を留学先の大学に処理してもらう手続きのみなので、そこまで難しいことはない。稀に性別や名前の表記を誤って学生証などを作られてしまうことがあるので、修正が必要な時に備え、早めに準備をするのが無難である。この出願の段階で履修登録を行うが、本当の履修登録は学期開始2週間後にあるため、この段階では興味のある授業を複数選ぶ程度に留めておいて問題ない。派遣先への手続きは、国際戦略部の指示に従い準備を進めた。 (2) ビザ申請 海外に渡航し長期滞在するにあたり、ビザの申請・取得が必要である。大学の国際戦略部によるオリエンテーションの資料を参考にビザ申請のための必要な書類を集め、在日ブラジル総領事館に申請しに行かなければならない。領事館は受付可能時間や予約の関係で想定より取得が遅れてしまう可能性があるため、早め早めの書類の用意、申請をすすめる。ビザ発行が遅くなると、予定より出国を遅めなければいけなくなるケースも少なくないため、注意。 (3) 航空券を予約した方法 飛行機のチケットは時期時が近くなると値段が高騰するため、こちらも早めに買うのがいいと思う。アメリカなど、トランジットだけでも入国が難しい国は避け、ヨーロッパ経由で安い航空券を探した。乗り継ぎ時間は国や航空会社によって異なるが、3時間ほどあれば十分だと思う。スカイスキャナーやブッキングドットコムなどのサイトを比較し、安いものを選んだ。また、治安のことを考え、夕方、夜に到着する便は避けて購入した。 (4) 渡航したルート 往路:東京国際空港(HND)→フランクフルト・アム・マイン空港(FRA)→サン・パウロ・グアルーリョス・アンドレ・フランコ・モントーロ知事国際空港(GRU) 復路:サン・パウロ・グアルーリョス・アンドレ・フランコ・モントーロ知事国際空港(GRU)→フランクフルト・アム・マイン空港(FRA)→東京国際空港(HND) (5) 最寄りの空港から大学または住居までの移動 多くの人は空港に到着後、Uber(タクシー)で住居まで移動する。空港付近は特に治安が悪いため、スーツケースを持っている時などはお金が少しかかってしまってもUberを使うようにしよう。現地に慣れてからは、Metrô(地下鉄)やCPTM(鉄道)を使ってグアルーリョス国際空港まで行くことができる。自分は一緒にきた友人の親戚が自分のことも車で自宅まで送ってくださった。 (6) 滞在先住居を探した方法 自分はAirbnbやFacebookなどでは住居を探さず、先輩が住んでいた住居にそのまま入れ替わりで入居することにした。 (7) 滞在先住居についての詳細 ほぼ何も確認せずに居住を決めたが、P1(Portão1と呼ばれる大学の門)と駅の中間に位置しており、それぞれ駅までは徒歩10分、大学の文学部の建物までは15〜20分ほどと、アクセスも申し分なかった。自分の住んだRepública(シェアハウス)には2種類の部屋(ノーマル:シャワー・トイレは共用/スイート:シャワー・トイレ・小さい冷蔵庫が部屋内に完備)があり、それぞれ月950レアル/1250レアル(約28000円/37000円)。自分は衛生面、利便性を考えスイートを選んだ。スイートのトイレは週に一回ほど、掃除担当の人が清掃を行ってくれるため、寝室の掃除のみで済む点も良かったと思う。 (8) 滞在先についての感想、アドバイス 自分の住んでいた地域(P1付近)は比較的人通りも多く安全といわれているが、P3の近くやVila Indianaと呼ばれる地域は治安が悪いといわれている上、駅までバスに乗る必要があるため、P1の近くがおすすめ。P1近くのRepúblicaは人気で枠が埋まっていることもよくあるため、早めに現地の日本人留学生やブラジルにいる友人に相談し、大家さんの連絡先をもらうなどして空き部屋を確保しておくのがいいと思う。 【滞在国・地域での生活について】 (1) 現地での支払方法や現金の調達 ・クレジットカード ブラジルではキャッシュレス決済の導入が進んでいるため、基本的に現金は使わずクレジットなどのカードでの支払いが多い。飲食店はもちろん、道で売っているちょっとしたお菓子などでもカード決済が可能なところがほとんどといった印象。そのため、クレジットカードの用意は必須。ごく稀にスキミングの被害が起こったり、カード会社によっては海外利用による利用停止が起こってしまうこともあるため、念の為2〜3枚用意しておくと安心だろう。ATMでのキャッシング機能がついているカードもあればなお安心だろう。 ・Wise Wiseは、換金所に行かずに貨幣を換金できるアプリ。今回の留学で円→レアル(ブラジル貨幣)に換金する際に使用していた。日本円を日本の口座からWiseのアプリ内に振り込み、このアプリ内でレアルに変換しブラジルの銀行口座に送金されるというシステム。もちろん他の手段と同様に換金手数料はかかってしまうものの、ネット内で完結する点でおすすめ。このアプリはブラジルの銀行口座を作った後の送金の作業はもちろん、Wiseのデビットカードを用いてブラジル内のSantander銀行のATMで現金の引き下ろしができるので、カードの作成もおすすめ。こちらのカードはアカウント作成時に自動で発行されるわけではなく、アプリ内で自身での申請が必要なため注意。海外からの郵送で届くまで時間がかかるので、余裕を持って作るといい。また、Wiseのアカウント作成の際にはマイナンバーカードでの認証操作が必要になるため、もし日本での作成を忘れブラジルで行う場合は、忘れずにマイナンバーカードを持っていこう。 ・銀行口座、Pix 留学生も、現地の銀行口座の開設が可能である。こちらは前の項目でも書いた通り、RNM(外国人身分証明書)の発行後に申請が可能である。主に、留学生はBanco do Brasil(ブラジル銀行)、もしくはNubankを選んでいる人が多い印象。Banco do Brasilは実店舗を持っているため、店舗での口座開設、窓口での相談、手数料無料での現金の引き下ろしなどが特徴である。Nubankはデジタル銀行で実店舗を持たず、ネット上で口座開設が完結することが主な特徴である。それぞれ特徴はあるものの優劣はあまりなく、好みなどで簡単に決めてしまってもあまり問題はないと思う。異なる銀行間でもPixのやり取りは可能である。Pixとは、月次の報告書でも説明した通り、銀行口座アプリ内の機能であるキャッシュレス決済のこと。店での支払いとしての使用はもちろん、友達との割り勘や精算にも活用できる。基本的にどのレストランでもカード支払いでの割り勘も可能だが、かなりこの機能が活躍する場面が多い印象。 (2) 携帯電話 着いてからしばらくは日本で事前に購入したeSIMのデータ通信で携帯を使っていたが、1年間の使用を続けるとコストがかかってしまうため、現地の通信会社での契約が必要である。ブラジルにはVivo, Claro, TIMという大手3社があるが、私は友人の親戚にお願いし、Claroで代理契約をしてもらった。外国人の新しく発行したCPFでは契約が結べないこともある上、当時自分はCPFの番号をまだ持っていなかったため、代理契約をお願いした。他の日本人留学生は、他の2社で自分で契約できていた人もいるので、自分で携帯会社の店舗に行ってみたり、ブラジル人の友人などに聞いてみるのがおすすめ。 (3) インターネット 基本的に大学と住居にWi-Fiが備えられており、通信速度も申し分なかった。携帯の通信は月に25GB使える契約だったため、外では4G/5G通信を使っていた。 (4) 医療 ブラジルにはSUS(Sistema Único de Saúde)と呼ばれる無料の公共医療保険制度が存在し、ブラジル国籍を有していなくともこのサービスを受けることができる。また、サンパウロ大学内にもHospital Universitário da Universidade de São Paulo (HU/USP)と呼ばれる病院があったり、東洋人街であるLiberdadeには日本語での対応可能な日系病院があるとか。私は幸いなことに、どの病院にもお世話になることなく留学を終えることができたため、万が一病院の情報が必要になった時には他の留学生の報告書を参考にしてみてほしい。 (5) 日本から持っていくべきもの ブラジルで入手困難なものは日本から持って行ったほうがいい。個人的に持ってきて良かったと思うものは、 【折り畳み傘(日本製の方が質が高い)、クレジットカード(海外利用が停止される可能性があるため複数枚)、Wiseカード、電子レンジで炊飯可能な100均の容器、常備薬1年分、旅行の際に持ち運べる小さいシャンプー・ボディソープなどの容器(ブラジルであまり見たことがない)】 などが挙げられる。このほかにも人によって必需品は変わると思うが、基本的なものはサンパウロであればDAISOやLiberdadeがあるため買い揃えられると思う。ただ、どれも値段が高いため、荷物に余裕がある場合はなるべく買い揃えて来るほうが良い。 (6) 治安状況 日本に比べてかなり治安が悪いとされているため、渡航前にセキュリティポーチ・偽携帯・偽財布を用意した。セキュリティポーチとは、服の下に隠すポーチで、カードや現金、パスポートの持ち出しの際に使う。偽携帯は自分が以前使っていた古い機種を用意、偽財布は100円、200円ほどで買える安いものに少しの現金を入れ、それぞれ持ち歩いていた。結果、セキュリティポーチはお腹が蒸れてしまうため着いて3日も立たないうちに使用をやめてしまったが、財布と携帯は1年間を通してお守り代わりに基本ずっと持ち歩いていた。他にも、友人の中ではスキミング防止のクレジットカードケースなどを使っている人もいたが、いずれも日本の100円ショップなどで買い揃えるため、おすすめ。最悪、サンパウロにはDAISOがあるため、値段は日本のものより高くなってしまうが現地での調達もできるかもしれない。また、在外公館からのメールで法人被害などを随時確認し、その地域には近づかないようにするなど、自分なりの治安・防犯対策を講じていた。しかし、常に怯えながら生活するのは辛く、むしろカモだと思われかねないため、現地人と同じように振る舞うのもいいかもしれない。 (7) 食事 Bandejãoとは、大学内の学食の総称。文学部のあるCampus Capitalというキャンパス内にはCentral, Química, Física, Prefeituraの4つがあり、価格は2レアル(約50〜60円)。自炊するよりもはるかに安く食事を済ませることができるため、キャンパスの近くに住む留学生は昼・晩ともにBandejãoで済ませてから帰宅することが多い。朝ごはんも50センターボス(13~15円)で提供されているため、1限のある日などはとても便利。それぞれの場所で毎食・毎日メニューが異なるため、食べたいものに応じて行く場所を変えることも可能。休日や学食が閉まっている日は友人と外食に行くことが多かった。外食・レストランの相場は日本とそれほど変わらないか、少し高めといった印象。 (8) 情報の入手 留学の情報については歴代の先輩の留学報告書、サンパウロやブラジル、その他諸々の情報についてはWhatsAppやInstagramなどのソーシャルメディアでそれぞれ情報収集を行なっていた。 (9) 特筆すべき文化や習慣の違い、気を付けるべき点 ・サッカー ブラジルの娯楽として外せないのがサッカー。サンパウロ市内にSão Paulo(サンパウロFC)、Corinthians(コリンチャンス)、Palmeiras(パルメイラス)と呼ばれる主要な3つのチームが拠点を置いている。サンパウロに留学する留学生は、この3つから好きなチームを決めることが多い。その中でも、大学内ではSão PauloとCorinthiansの人気が高く、São Paulino/São Paulina(サンパウロFCのファン)か Corinthiano/Corinthiana(コリンチャンスのファン)になれば安全といったところ。自分は個人的な理由からPalmeirense(Palmeirasのファン)になり、たまにバッシングを受けることも。しかしPalmeirasもファンは多いので、最終判断は自分次第でいいと思う。どのチームのスタジアムも熱狂に包まれ、なかなか日本のサッカーとは雰囲気が異なるため、ブラジル留学をした際には一回は経験してみてほしい。しかし、サッカーに熱狂的なブラジルだからこそ、サッカーが原因での喧嘩、暴行事件などが起こるのも事実。特に自分が行ったサンパウロFC対パルメイラスの試合では、アウェーのパルメイラスのファンは入場不可だったにも関わらず試合を観戦していたPalmeirenseがパルメイラスのゴールの際に喜び、応援チームがパルメイラスであることがわかってしまった。それを見た周りのサンパウロFCのファンは怒り、その人を殴ったり蹴りつけたりする始末に。当事者が規律を破ったことで起こった事件とはいえ、このように危険と隣り合わせになる場面も。2024年には別のチームの試合で死亡事故が起こるなど、常に危険が潜んでいる。そんな危険がありつつ、熱狂と感動に包まれるのも事実。自分は現地での観戦を20試合以上経験したが、身に危険が及ぶことはなかった。単純にサッカーとしてだけではなく、留学の思い出の1つになることは間違いないと思うので、ブラジルに留学した際はぜひ。ここ最近ではネイマールやチアゴシウバ、フッキなどのブラジル人はもちろん、メンフィスデパイやジョルジーニョ、サウールといった海外の有名選手もブラジルリーグでプレーしているので注目。 また、ブラジル人は日常的にサッカーのユニフォームを着ていることが多い。これは日本と違い、道端などで個人が販売している安いユニフォームが出回っていることも大きく起因していると思う。公式のユニフォームが15,000〜20,000円する中、それらのインフォーマルなユニフォームは安いもので1,500円ほどで買える。サッカー文化が浸透している国ならではの商売であり、みんながうまく活用している。またその中で、ブラジル代表の黄色いユニフォームは特別な意味を持っており、ブラジル人がきていると政治において右翼・保守派であることを意味するとされている。外国人である私たちには特に影響はないが、覚えておくと役立つ日が来るかもしれない。このようなサッカーと政治の関わりが多く存在するため、ブラジルに来た際にはこの2つのつながりを勉強してみると面白いと思う。 ・地下鉄 サンパウロ市内には多くの地下鉄の路線が通っており、ほとんどの場所は地下鉄を乗り継いでアクセスすることができる。日本の電車などの料金システムとは異なり、全線、全区間乗り換え含め一律料金で乗ることができる。一般料金は2025年12月時点で5.2レアル、学生料金は半額の2.6レアル。ただし、学生料金はBilhete Únicoと呼ばれる交通系ICカードの利用時のみ有効なので、最初のうちは一般料金の支払いが必要。Pixやデビットカードがまだない場合は現金でチケットを買う必要があるため(一部路線でクレジットカードでの入場の導入開始)、電車や地下鉄に乗る場合は現金を用意しよう。また、2026年の1月頃からの値上げのニュースが出ていたため、料金は随時確認が必要。 ・バス バスも一律料金になっており、2025年12月現在で5レアル。こちらもBilhete Únicoができるまでは現金での乗車になり、地下鉄の切符売り場よりお釣りの用意が少ないため、なるべく料金をピッタリ用意するのがおすすめ。バスの大きな特徴としては、毎週日曜日が無料になること。一見とても便利に見えるが、何本、どれだけ乗っても無料のため多くの人が利用する。また、道が混んでいることで予定時刻からズレることはもちろん、バス自体が来ないこともしばしば。結局地下鉄での移動に切り替えることも多いので、その時と場合によって判断しよう。また、日本のバスのような停車駅の車内アナウンスなどはないため、Cobrador(支払い場所の職員の方)やGoogleマップなどを参考に下りる位置を自分で確認しなければならない。 ・Uber、 99 Uberは、ブラジルでも使えるタクシー配車アプリ。フードデリバリーとはアプリが異なるため注意。ブラジルでは比較的安くタクシーを利用することができるため、電車・バスではアクセスが面倒な場所に行く時や、夜中で歩くのが危ないと思った時などに使うことが多い。99も同様、タクシーの配車アプリ。時間や場所など、状況によってはどちらかのアプリの方が値段が安かったりするため、どちらも入れておくと便利。 【進路について】 (1) 留学終了後の進路 日本への帰国後、在外公館派遣員の試験を受ける予定である。同時に自分の理想のキャリアに合わせ一般企業への就職活動を行う。派遣員の試験に合格した場合は、2年間ブラジルなどのポルトガル語圏の国での勤務を行いたいと考えている。結果が思ったようにいかない場合は、一般企業への就職、もしくは来年度での在外公館派遣員の採用試験の再挑戦を考えている。 (2) 現地での就職活動や進学準備 時差などの関係で、現地での就職活動は難しく、自分はほとんど何もしていない。強いていえば、駐在員の方々に留学生の会などでアドバイスをもらったことぐらい。帰国後、少しでも早く活動を開始できるよう、2学期目終了後に少し準備を進めるようにしていた。 【今後留学を目指す学生へのアドバイス】 結論から言えば、確実に留学はした方がいい、というのが自分の意見である。自分の身の回りにいる留学経験者の中で、留学したことを後悔している人はいないと思う。自分もその1人で、現地で学習したことにおいて後悔したことは一つもない。MULCでの学習も役に立つものばかりだったが、やはり日本での学習と現地での学習には差があるというのが自分の正直な感想。語学面では、現地に行くことで表現やスラング、文化や風習を肌で感じることができる。語学面以外でも、一人暮らしや海外での生活で人間的に成長できると感じている。中でも、自分が留学したサンパウロは日本人が住みやすい、留学しやすい環境が整っていると思う。料理や文化、人々など、日本人に馴染みのあるものが多いため、日本が恋しくなった時、Saudade(サウダージ)を感じた時も乗り越えやすいと思う。治安は悪いとされているが、住んでしまえばそこまで危険を感じることはない。もちろん油断したら窃盗などに遭うリスクはあるが、防犯対策をしっかりしたり、あたかも現地の人々のように堂々としていればすれば特に問題はない。今までの先輩方が無事に帰ってきているのも裏付けになるかもしれない。きっとブラジルで忘れられない思い出がいっぱいできるはず。ブラジル最高です。ぜひあなたも。
| 内訳 | 費用(現地通貨) | 日本円換算 |
|---|---|---|
| 家賃 | 13,750 | 404,423円 |
| 水道光熱費 | 0 | 0円 |
| 学費・教材費 | 0 | 0円 |
| 交通費 | 3,315 | 97,503円 |
| 通信費 | 819 | 24,089円 |
| 食費・その他 | 31,396.99 | 923,467円 |
| 小計 | 49,280.99 | 1,449,482円 |
| 航空券 |
268,250
円
|
| 保険 |
159,265
円
|
| ビザ関連費用 |
18,000
円
|
| その他 |
96,430
円
|
| 合計 | 1,991,427 円 |
|---|