【① 学校生活と研究への取り組み】 7月は、授業への参加に加え、学外での体験や交流にも多くの時間を使った一か月だった。授業の一環では、人体に関する博物館を訪問し、実物の人体標本や骨、心臓、脳などを間近で観察する機会があった。普段は教科書や映像でしか見られない人体の構造を実際に確認できたことで、人間の身体の複雑さを具体的に理解することができた。 一方で、見学の後半には、先天的な疾患を持つ胎児などの標本も展示されており、単に知識として見るだけでは済まない複雑な気持ちになった。初めは人体の構造に対する興味が強かったが、次第に命や健康について考えさせられ、決して他人事ではないと感じた。精神的に負担を感じる内容もあったが、それも含めて、人間の身体や生命について深く考える貴重な学習経験になったと思う。 また、大学生活に必要な環境を整えるため、新たにUSPのアカウントを登録し、大学のメールアドレスを作成した。情報の確認や大学との連絡を円滑に行うためにも、留学開始後の早い段階で大学のシステムやアカウントについて確認しておくことが重要だと感じた。 研究面では、自分が取り組みたい日本食や食文化に関するテーマを、大学での研究だけでなく、さまざまなコンテストにも応募できる形へ発展させようと考えている。これまでの生活や店舗訪問、イベントへの参加を通して得た経験を記録するだけで終わらせず、調査や分析につなげることで、留学中に得た学びを形として残したい。 【② Foz do Iguaçuへの旅行】 今月は、長距離バスを利用してFoz do Iguaçuを訪れた。片道の移動時間は約16時間半と非常に長く、体力的な負担も大きかった。長距離バスで旅行する際は、到着後すぐに活動を詰め込みすぎず、休憩時間を考慮した日程を組む必要があると感じた。 到着後は、宿泊施設のチェックインまで時間があったため、荷物預かり所を利用した。観光施設のチケットは時間帯によって売り切れることもあり、予定していた夜間のダムのライトアップには参加できなかった。その代わり、昼間に実施されるダムのバスツアーに参加した。学生割引を利用できる施設も多いため、旅行中も学生証を携帯しておくことが重要だと感じた。 滞在中には、鳥類を中心とした施設や、ブラジル・アルゼンチン・パラグアイの三か国を見渡せる国境地域、水族館、大型ショッピングモールなどを訪れた。三か国国境付近では通信環境が安定しない場所もあったため、事前に地図や必要な情報を保存しておくと安心だと思う。また、天候予報を確認し、雨の日には屋内施設を訪れるように予定を変更したことで、限られた滞在期間を有効に使うことができた。 最も印象に残ったのは、ブラジル側から見たイグアスの滝である。アルゼンチン側とは見え方が異なると言われているが、ブラジル側からでも十分に迫力があり、非常に美しい景色を楽しむことができた。滝の近くでは想像以上に濡れるため、簡易的な雨具に加え、着替えやタオルを持参することが重要だと感じた。帰りのバスまでの時間が限られた中での観光だったが、ブラジルの自然の規模の大きさを改めて実感する経験になった。 【③ 日本祭りでのボランティア活動】 今月は、São Paulo Expoで開催された日本祭りに三日間参加し、県人会のブース運営を手伝った。初日は、ある県人会のブースで弁当作りや商品の準備に協力し、二日目以降は別の県人会で接客、商品の受け渡し、販売の呼びかけなどを担当した。最終日は一日を通して活動し、多くの来場者やボランティアの方々と関わることができた。 会場は想像していた以上に大規模で、日本の全都道府県に関係する県人会のブースが並んでいたことが特に印象的だった。日本国外でありながら、各地域の料理や文化、歴史に一度に触れられる環境は非常に珍しく、ブラジルにおける日系社会の規模と結びつきの強さを感じた。また、日本企業のブースや日本の商品を扱う店舗も多く、留学生にとっては懐かしい食品や商品に触れられる機会にもなっていた。 活動中はポルトガル語で来場者に声をかけ、注文を確認し、商品を渡す必要があった。実践的にポルトガル語を使うことができた一方で、より語学力があれば、来場者との会話や接客をさらに楽しめたのではないかとも感じた。言葉が十分に出てこない場面もあったが、実際の状況の中で伝えようとする経験そのものが学びになった。 三日間の活動を通して、ブース全体として大きな成果を上げることができ、準備や販売に関わった多くの人の努力が結果につながる様子を見ることができた。また、これまで面識のなかった方々とも親しくなることができ、ボランティア活動が日系社会との新たなつながりを作る機会にもなった。 【④ 現地イベントと日本文化の受け入れ方】 授業後には、Anime Friendsというイベントにも参加した。会場までのバスや入場に長い列ができており、参加者の多さに驚いた。参加にあたっては、保存可能な食品を一定量持参する仕組みが設けられており、イベント参加と社会貢献を組み合わせた方法が興味深いと感じた。 会場では、アニメや漫画の関連商品を扱うブース、漫画を販売する場所、さまざまな衣装を身に着けた参加者などを見ることができた。日本の同種のイベントに参加した経験がないため単純な比較はできないが、ブラジルでは完成度を競うというより、それぞれが好きな作品や登場人物を自由に表現し、周囲と一緒に楽しんでいるように感じた。日本文化がそのまま受け入れられているのではなく、ブラジルらしい明るさや開放的な雰囲気の中で楽しまれている点が印象的だった。 一方で、会場内は非常に混雑し、場所によっては息苦しさを感じるほど人が多かった。大規模なイベントに参加する際には、水分補給や休憩場所の確認を行い、人混みが苦手な場合は参加する時間帯を考える必要があると思う。今回の参加を通して、日本のアニメや漫画が海外でどのように受け止められ、現地の文化と結びついているのかを実際に見ることができた。 【⑤ サンパウロにおける日本文化と日常生活】 今月は、Ibirapuera公園で桜を見ながらピクニックをし、日本庭園を訪れる機会もあった。ブラジルにいながら、日本の植物や建築、庭園の雰囲気に触れることができ、自分の日本の生活環境以上に日本らしさを感じる場面もあった。海外で再現された日本文化を見ることで、自分が普段当然のものとして見ていた文化を、外側から捉え直すことができた。 LiberdadeやPaulistaにも足を運び、たい焼きとソフトクリームを組み合わせたものや、抹茶、あんこ、唐揚げなどを味わった。日本に近い食べ物であっても、ブラジルで好まれる形に変化しているものがあり、自分が進めている食文化研究とも関係する発見が多かった。また、ラーメンや柚子を使った菓子など、日本の味を感じられる飲食店もあり、サンパウロの食文化の多様性を改めて実感した。 友人の家を訪れ、現地の家庭で食事をいただく機会もあった。家庭料理や菓子を囲みながら過ごしたことで、飲食店や大学だけでは分からない、ブラジルの日常的な人間関係や家での過ごし方に触れることができた。自宅に人を招き、食事を用意して長い時間を一緒に過ごす文化から、人とのつながりを大切にする姿勢を感じた。 【⑥ 人との交流と留学仲間との別れ】 7月は、友人の誕生日会や送別会に参加する機会が多かった。誕生日会では、スポーツ、会話、ボードゲームなどを通してさまざまな人と交流し、友人関係をさらに深めることができた。また、髪を切ってもらったり、友人の家を訪れたりする中で、留学開始時と比べて人との距離が近くなっていることを実感した。 一方で、今月は半年間の留学を終える学生や、一年間の留学期間を終える学生が相次いで帰国した。送別会や空港での見送りに参加する中で、これまで日常的に一緒に過ごしていた人たちが少しずついなくなる寂しさを強く感じた。留学生活には出会いだけでなく、別れが避けられないことを改めて実感した。 特に、多くの人に慕われ、帰国時に大勢の友人から見送られている人たちの姿が印象に残った。別れを惜しんで多くの人が涙を流す様子を見て、それだけ深い関係を築いてきたことの大きさを感じた。自分も、帰国する際に誰かに寂しいと思ってもらえるような関係を、残りの留学期間で築いていきたいと思った。 今月で留学生活の一つの区切りを迎えた人が多く、これまで当たり前だった環境が変わり始めた。寂しさはあるが、出会えたことや一緒に過ごした時間を大切にしながら、自分自身は残りの期間をどのように過ごすのかを改めて考えるきっかけになった。 【⑦ 健康管理についての反省】 今月は、外出中に突然体調が悪化し、自力で歩くことが難しくなる出来事もあった。友人の助けを借りて無事に帰宅することができたが、状況によっては医療機関への連絡が必要になる可能性もあった。外出や予定を優先するあまり、自分の体調を十分に確認できていなかったことを反省した。 留学中は、慣れない環境や移動、食生活、睡眠不足などが重なることで、想像以上に身体へ負担がかかることがある。今後は、少しでも異変を感じた場合には無理をせず休むこと、友人に早めに伝えること、緊急時の連絡先や医療機関をあらかじめ確認しておくことを意識したい。友人に助けてもらったことで、人とのつながりのありがたさも改めて実感した。 【⑧ 総括】 7月は、授業や研究に加え、旅行、日本祭りでのボランティア、現地イベントへの参加、友人との交流など、非常に多くの経験をした一か月だった。イグアスの滝をはじめとするブラジルの自然、日本祭りに表れていた日系社会のつながり、日本文化が現地で独自に楽しまれている様子など、教室の中だけでは得られない学びが多くあった。 また、今月は多くの友人が帰国し、留学生活が永遠に続くものではないことを強く実感した。これまでは目の前の授業や予定に追われることが多かったが、残りの期間で誰とどのような関係を築き、自分が何を残したいのかを考えるようになった。人に慕われながら帰国する友人たちの姿を見て、自分もより積極的に人と関わり、相手にとって意味のある存在になりたいと思った。 一方で、語学力や健康管理など、今後改善しなければならない課題も明確になった。特に、ボランティアや交流の場で、ポルトガル語がもっと使えればさらに深く関われたと感じる場面が多かった。8月は授業がない期間も活用しながら、研究や語学学習を進めるとともに、現地の人々との交流を自分から増やしていきたい。留学後半をただ過ごすのではなく、帰国時に自分なりの成長を実感できるよう、一日一日を大切にしたい。
| 内訳 | 費用(現地通貨) | 日本円換算 |
|---|---|---|
| 家賃 | 4,050 | 129,100円 |
| 水道光熱費 | 0 | 0円 |
| 学費・教材費 | 0 | 0円 |
| 交通費 | 300 | 9,563円 |
| 通信費 | 55 | 1,753円 |
| 食費・その他 | 2,212 | 70,511円 |
| 合計 | 6,617 | 210,927円 |