【⓪ 自分の心情】 留学生活が折り返しに入った今、自分がなぜブラジル留学を選んだのかを改めて考えることが増えた。自分には、同じ専攻の先輩の中に強く憧れている方が二人いる。一人は、自分が目指したいと思う語学力や知識、努力の仕方を持っている人であり、今の自分からすると、そのレベルに届くまでにどれほどの努力が必要なのか、日本でもブラジルでもどれほど努力を積み重ねてきたのか、想像もつかないほど大きな存在である。もう一人は、自分にはできないような生き方を自然に楽しみながら、語学力やコミュニケーション力を生かして道を切り開いている人である。自分はその二人の姿に影響を受けて、ポルトガルではなくブラジルに行くことを決めた。 ただ、留学生活の半分が過ぎた今でも、自分はその二人にまだ遠く及ばないと感じている。むしろ、実際にブラジルで生活してみたからこそ、自分に足りないものの多さを以前より強く感じるようになった。最近は、残りの時間でどうすればもっと変われるのかを真剣に考えることが増えている。この悩みも含めて今の自分の正直な留学の姿だと思うので、残りの期間で少しでも成長し、帰国前に自分なりの答えを出せるようにしたい。 【① 学校生活と学習面】 6月は、長く続いていたストライキが終了し、授業が再開されたことが最も大きな出来事だった。これまで対面授業がほとんど行われていなかったため、大学生活のリズムがようやく戻り始めた一か月だったと感じている。一方で、再開後もしばらくはオンラインと対面が混在しており、完全に通常どおりに戻ったというよりは、変化の大きい状況に対応しながら過ごした印象が強い。久しぶりの対面授業では、日本文学で7月にディスカッションが予定されていることを知り、自分の語学力や発言力の不足に不安を感じた。また、地名学では留学生向けに別の評価方法を検討してもらえることになり、授業ごとに事情や配慮の仕方が異なることを改めて実感した。 今月は授業再開に加えて、自主的な学習にも力を入れることができた。オンラインでTOEICを受験し、良い結果を得られたことは大きな自信になった。また、食品分野に関する講座である Introdução à Vigilância Sanitária と Boas Práticas de Manipulação em Serviços de Alimentação にも取り組み、修了証明書を発行できたことから、自分の関心のある分野を少しずつ形にできている実感があった。語学だけでなく、将来の進路や専門性にもつながる学びを並行して進められたことは、今月の大きな成果の一つだったと思う。 加えて、日本食や食文化に関する研究も少しずつ進め始めた。日常生活の中でブラジルの食に触れるだけでなく、それを研究として捉え直そうとしたことで、普段の経験が学問的な関心と結びついていく感覚があった。留学生活の中で自分が日々感じている違和感や発見を、そのまま学びの材料にできることに面白さを感じている。 一方で、授業再開後の学習は決して順調なことばかりではなかった。再開した授業の中には依然として負担の大きいものもあり、ディベートでは内容も議論の流れも十分に追えず、自分の力不足を強く感じた。また、オンライン授業の中には内容面で気持ちを維持しにくいものもあり、学業に向き合う姿勢を保ち続けることの難しさも実感した。それでも、授業が戻ったことへの安心感は大きく、再び大学生活の中心に学業が戻ってきたことを前向きに受け止めたいと感じている。 【② 自主学習と将来に向けた取り組み】 6月は、大学の授業以外にも、自分自身の将来に向けた学習を強く意識した一か月だった。資格試験への挑戦に加え、CELPE-Bras や企業研究、面接対策など、やるべきことが多く、自分の中で優先順位を考えながら進める必要があった。授業が再開したことで大学生活のリズムは戻ってきた一方、空き時間や夜の時間には将来の準備について考えることも多く、留学生活が単なる経験の場ではなく、その先の進路にも直結していることを改めて意識した。 また、資格試験については、うまくいったものもあれば、予定どおりに進まなかったものもあった。特に、夜間に受験しようとした試験ではシステム上の問題で受験ができず、準備していた分だけ落胆も大きかった。しかし、そのような経験も含めて、海外から資格試験を受けることには日本にいるときとは違う難しさがあると実感した。通信環境や試験時間、運営システムなど、勉強以外の要素にも左右される点は、今後の計画を立てるうえで注意すべき点だと感じている。 このように今月は、大学の授業だけでなく、自分の進路や関心のある分野に向けた学習を同時に進める必要があり、時間の使い方について多く考えさせられた。授業がある生活に戻ってきた安心感がある一方で、自由時間が減り、自分のやりたいことに使える時間が限られてくることへの複雑な気持ちもあった。それでも、今しかできない学びを少しずつ積み重ねていくことが重要だと感じている。 【③ 生活環境と日常の発見】 6月は、サンパウロの気候がこれまでよりもはっきりと涼しくなり、生活面での感覚も少しずつ変わってきた。朝方には気温が10度を下回ることもあり、これまでの服装では対応しきれず、厚着の必要性を実感することが増えた。特に早朝の移動時には寒さが想像以上で、日中との気温差も大きいため、持ち物や服装を事前に考えて準備することの大切さを感じた。 また、授業や外出の合間には、カフェやショッピングモール、学食など、日常的な場所で過ごす時間も多かった。USPのパーカーを購入したことや、久しぶりに学食で友人たちと食事をしたことは、授業再開とともに大学生活が戻ってきたことを感じさせる出来事だった。加えて、試験や勉強に追われる日もある中で、カフェや食事の時間が良い気分転換になっていた。 生活面では、旅行の準備を進める中で、現地で必要な日用品や携帯用の生活用品をそろえることの難しさも感じた。小さなサイズの生活用品がなかなか見つからないことなど、日本ではあまり意識しない部分で不便を感じることもあり、細かな準備の大切さを改めて実感した。こうした些細なことも、留学生活では意外に大きな要素になると感じている。 また、今月は食事を通して日常生活の豊かさを感じる機会も多かった。学食のような日常的な食事に加えて、うどん、鍋、麻辣湯、カフェのスイーツなど、日本食や他国の料理に触れる機会もあり、サンパウロの多文化的な食環境を改めて実感した。現地の食文化に触れながらも、時折日本に近い味に出会えることは、留学生活の中で精神的な安心感にもつながっていると感じた。 【④ 異文化理解と交流】 今月は、授業再開に加えて、人との交流の中から多くの学びを得ることができた。特に、日本語を教える活動では、学習者の日本語力の上達を感じる場面があり、自分の働きかけが少しでも役に立っているのではないかと思えたことが印象に残っている。自分が外国語を学ぶ立場である一方、教える立場にもなることで、言語を通じた相互理解の大切さを改めて感じた。 また、友人たちとブラジル式と日本式の要素が混ざったバーベキューを楽しんだり、日本代表の試合を一緒に観戦したりする中で、ブラジルでは大人数で集まり、食事や会話を共有する時間そのものが大切にされていると感じた。特にサッカーの試合の日には、町中で多くの人がユニフォームを着ており、授業の予定にも影響が出るほどサッカー文化が生活に深く根付いていることを実感した。日本とブラジルの試合を皆で観戦した際には、競技そのものの面白さだけでなく、ブラジルの人々の熱量の大きさにも圧倒された。 さらに、Ibirapueraで開催されたコーヒーフェスティバルにも参加し、ブラジルにおけるコーヒー文化の広がりと奥深さを改めて感じた。さまざまなコーヒーを試飲し、自分の好みに合うものを見つけて購入することができ、ブラジルらしい大規模なイベントの魅力も実感した。コーヒーそのものを楽しむだけでなく、生産地や風味の違いに注目しながら味わう文化が根付いていることも印象的だった。こうした体験を通して、異文化理解とは授業の中だけで得られるものではなく、日常生活やイベントへの参加の中でこそ深まるものだと感じた。 また、友人の家での集まりや食事の時間を通して、ブラジルでは人と一緒に過ごすことそのものが生活の中心にあるように感じる場面が多かった。食事や会話の場に自然と人が集まり、その時間を長く共有する文化は、日本とはまた違った人間関係の築き方だと感じている。こうした違いに触れることで、自分のコミュニケーションの取り方についても考え直すきっかけになった。 【⑤ 旅を通して得た学び】 今月は Lençóis Maranhenses を訪れる機会があり、これまで見たことのない景色と地域文化に触れることができた。広大な砂丘とオアシスが広がる風景は非常に美しく、これまでの人生で最も印象に残る景色の一つになった。ツアーを利用して砂丘や水辺を巡り、夕景も楽しみにしていたが、天候の影響で思い描いていた景色を完全には見ることができなかった。それでも、全体としては天候に恵まれ、自然の壮大さを十分に感じることができた。 また、この旅行を通して、ブラジル国内でも地域によって発音や人々の雰囲気が大きく異なることを実感した。特に Nordeste では、サンパウロとは異なる発音や言葉の響きがあり、同じポルトガル語でも慣れない部分が多かった。一方で、人々は非常に親切で温かく、地域による文化の違いを肌で感じることができた。サンパウロとは異なる空気感や生活リズムがあり、同じ国の中でもこれほど違いがあるのかと驚かされた。 食文化の面でも、この旅行は非常に印象深かった。魚料理を中心としたサンパウロとは異なる味に出会うことができ、自分にとってはとても魅力的な経験だった。特に、白身魚とエビを使った料理は、これまでサンパウロで食べてきたものとは異なる味わいで、地域ごとの食文化の豊かさを感じた。また、おかず系のクレープなど、その土地ならではの食べ方にも出会うことができ、食文化への興味がさらに深まった。 さらに、移動や宿泊の中では、時間管理や交通手段の確認の重要性も強く感じた。長距離移動では小さな確認不足が大きな影響につながることもあり、旅行は楽しいだけでなく、計画性や柔軟な対応力も試されると実感した。今回の旅は、観光としての楽しさに加えて、ブラジルという国の広さと多様さを深く知る貴重な機会になった。 【⑥ 総括】 6月は、ストライキ明けで授業が再開したことにより、ようやく大学生活が動き出した一か月だった。そして同時に、留学生活が折り返しを迎えたことで、自分がこの留学で何を得たいのか、残りの時間をどう過ごしたいのかを改めて考える時期にもなった。一方で、授業が戻ったことへの安心感だけでなく、自分の時間が減ることへの複雑な気持ちもあり、学業と自分のやりたいことの間で揺れる場面も多かった。しかし、資格試験や研究、旅行、交流の場を通して、自分の関心や進みたい方向を改めて見つめ直すことができたと感じている。 また、今月は授業、資格、研究、異文化体験がそれぞれ独立したものではなく、互いにつながっていることを実感した。学内の学びだけでなく、食文化への関心や各地での体験、人との交流の中から得た気づきも、自分にとって大切な学びになっている。授業が再開したからこそ、限られた時間の中で何を優先して取り組むのかをより意識するようにもなった。 来月は授業期間と休暇期間の両方があるため、まずは授業にしっかり向き合い、そのうえで現地ならではのイベントや自分が受けたい資格にもできるだけ挑戦していきたい。今後も、限られた留学期間の中で、自分にできることを一つずつ積み重ねていきたいと思う。
| 内訳 | 費用(現地通貨) | 日本円換算 |
|---|---|---|
| 家賃 | 4,050 | 126,385円 |
| 水道光熱費 | 0 | 0円 |
| 学費・教材費 | 0 | 0円 |
| 交通費 | 70 | 2,184円 |
| 通信費 | 55 | 1,716円 |
| 食費・その他 | 5,085 | 158,683円 |
| 合計 | 9,260 | 288,968円 |