ベトナムに来てから驚いていたバイクの量も、突然の雨の大きさも、日常になってきました。 すべて日本を基準に考えていたからバイクは危ないと考えていたし、雨も大きいと感じていましたが、 ベトナム目線になると逆に日本が安全すぎるし、天候もかなり安定していると感じます。 日本に来る前はベトナムの生活について少し怖い部分もあり、 逆にその怖い部分が楽しみでもありました。怖かった理由の一つに、社会主義がありました。 ベトナムはベトナム社会主義共和国な訳であって、共産党一党独裁なんですよね。 日本に住んでいると、社会主義とか共産党一党独裁とかと聞いた時少し身構える人も多いのではないでしょうか。その政治的思想を否定するわけでも肯定しているわけでもないですけどね。 Đổi mới(ドイモイ政策)後、ほぼ完全に市場経済が流通しているとはいえ、ベトナムのことを勉強していて 実際のところの生活はどうなのか、勉強していることは本当なのか、とずっと気になっていました。 しかし、住んでいる分には全く支障はないし、今のところ全く問題ありません(日本人として)。 逆に少し残念、もっと社会主義を感じたい!!(私自身は社会主義とか右寄りとか左寄りとかなく、ただ異文化・様々な考え方を感じたいだけ)と思った時に決まって行く場所があります それはCộng cà phêというカフェです。 Cộng cà phêは 1975年の南北が統一される前の北ベトナムがコンセプトのカフェで、 Cộngは"Cộng hoà xã hội chủ nghĩa Việt Nam(ベトナム社会主義共和国)"の略です。要は、「ベトナム社会主義共和国カフェ」ということです。最初は驚きました。もし日本だったら「大日本帝国カフェ」みたいなことですよね。 思想強めなカフェだなあと思っていましたが、「思想強め」という考え方自体が日本人だからこそで、 社会主義の国で社会主義がコンセプトのカフェをしてなにが悪いってことですよね 店内も古き良きハノイが意識された内装で、ひっそりと暮らす隠れ家感があります。 そしてなんと店員さんの制服は北ベトナム軍の軍服をモチーフにしているそうです。 ここの空間だけ時代が 1960〜70年代に止まっていて、 急発展するベトナムとは逆行した雰囲気を楽しむことができます。 日本や韓国でも最近レトロ感が流行っているせいか観光客も多いです。 店舗ごとに内装も工夫してあり、本当に面白いです。 以前行った店舗の本棚をぼーっと眺めていたらレーニンやマルクスの本がたくさん並んでいました。 店内の明かりも電球で、貧しい生活ながら耐え難きを耐えた北ベトナム時代を表しているのがよく分かります。 とにかく全てにおいてのディテールが本当に作り込まれていて、 ディズニーに行った時に時代考証の作り込まれた異世界に入り込んで探索している時と同じ感覚です。 サイゴンには18店舗あるそうですが、既に10店舗ほど訪れています。留学中にすべて制覇したいです。 またこれはcộng cà phêに限らないことですが、街中にはプロパガンダアートなどもあります。 元々私はアメリカの 2000年以前くらいの現代アートに少し興味があって、たまに東京や横浜の美術館に見に行くこともありますが、社会主義とはそもそもアメリカの真反対にある存在であって、アメリカの現代アートには反社会・反共産主義などの政治的意図が含まれたアートやリベラリズム的な表現が多いんですよね。 だからこそ社会主義のプロパガンダアートはいつもと真逆の立場から見ることができてすごく面白くて、刺激的です。 これまでそういう作品を第三者のような目線で見ていましたが、いざ目の前にすると当事者になったような気分になることができて、留学ならではの経験だなと感じます。 写真はcộng cà phê店内の様子(一枚目)と Việt cộng(北ベトナム軍)の軍服をモチーフにしている店員さんの制服(二枚目)です
内訳 | 費用(現地通貨) | 日本円換算 |
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家賃 | 10,000,000 | 60,000円 |
水道光熱費 | 800,000 | 4,800円 |
学費・教材費 | 0 | 0円 |
交通費 | 1,600,000 | 9,600円 |
通信費 | 0 | 0円 |
食費・その他 | 6,000,000 | 36,000円 |
合計 | 18,400,000 | 110,400円 |