私が今のシェアハウスの家に住み始めてから早くも3ヶ月間が経ちました。今月は、私たちルームメイト同士、以前よりも何となくお互いの性格を理解できてきた時期でした。私はとても運が良く、陽気で優しくとても楽しいルームメイトたちに恵まれ、もはや本当に血の繋がった家族のようになりました。というか家族です。お互いがそう思えた頃になったので、私も以前は言葉に出しづらかったことも、積極的に言えるようになったのですが、時に小競り合いになったことがありました。きっかけは家事に関する素朴なことばかりでした。例えば、使い終わった食器をほぼ全員が汚いままほっぽらかしにし、いつも台所のシンクがいっぱいになっていたり、ゴミ箱の袋を誰も新しいものに変えなかったり、明らかにゴミや汚れで床が汚くなっているのにみんなそれを放置したり、みんなで楽しんだFiesta(パーティ)を行った後の掃除を誰も手伝ってくれなかったりなどと言ったような内容でした。最初は、日本でアルバイトをしていた時5時間ぶっ続けで皿洗いをしていたこと、片付けるように言うより気づいた自分が片付けた方が早かったことなど理由に、「まあ、いいか」と1人で済ませていました。けれども、だんだんと、みんなで共有しているものなのになぜ私だけが後片付け、掃除をしているのだろうかと不思議に思えてきて、自然に納得がいかなくどんなに小さいことでも、すぐにご機嫌斜めになってしまいがちになりました。それをきっかけに時に口げんかをしたことも度々ありました。この現象はシェアハウスでよく起きることで、特にアジア人とラテン人が住んでいる家では頻繁に問題になるようです。少なくとも日本人は一般的に、幼い頃から、使った物は最後にきちんと片付け、汚した物は自分で綺麗にするようにと言われ、また他の国の人々と比べ、身の周りにある自分が好まないことに対して、「納得いかない」とはっきり強く思いがちな種族であると思います。一方私が一緒に住んでいる4人のメキシコ人と4人のコロンビア人は、別に多少の汚くても特に害はない、綺麗になることに越したことはないけど汚くした人がやればいいから、まあとにかくなんとかなるだろう、と楽観的な考えを持っていました。 けれども、彼らは悪い人ではなく、序盤で申し上げた通り、陽気で優しく、とても楽しい人たちであることは良く分かっており、彼らのことが他の誰よりも好きでした。ですから、例えこのような形で口げんかになっても、お互いを好きでなくなったり、兄弟のように思えなくなってしまったりすることは決してありませんでした。そこで私はよく考えたところ、あることに気づきました。それは、私がメキシコにいるのにも関わらず、「過剰に日本人過ぎたこと」でした。私が今まで主張し続けていたことは飽くまで、私が自分の国で常識として貫いてきたことです。しかし、実際に私が今どこにいるのかと言うと、メキシコであり、日本ではありません。私は家の中で唯一の日本人、アジア人です。私が集団の中で少数派であるが故に自分の気持ちを抑え付けて我慢しなければならないという訳ではなく、それが故に私が、外の国の習慣を受け入れ、彼らが大切に守ろうとしている「尊厳」を傷つけないように、他の8人のルームメイトたちより多くの努力をしなければいけないということです。むしろ、彼らの尊厳を受け入れ、心底理解しようとすれば、必ず今よりも更にお互いを分かり合える時間が増えるはずです。 ですから、これからは今までよりも更に、日本で10何年以上かけて学んでき自分の国の大切な尊厳も大切にしつつ、他の国から来た人たちが大切にしている彼らの尊厳も理解するように努めます。特に私の目標であるプロ野球の「通訳」とは、国境を越える理解者でありますので、この力を身につけ、磨き続ける必要があります。ひょっとしたら、他の国の言語を身につけるよりも更に複雑で容易に育めることではないかもしれませんが、特に留学、外国に旅行している限りは他のどんなことよりもスポットライトを当てて、頑張るようにします。
内訳 | 費用(現地通貨) | 日本円換算 |
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家賃 | 1,800 | 14,148円 |
水道光熱費 | 50 | 393円 |
学費・教材費 | 1,700 | 13,362円 |
交通費 | 500 | 3,930円 |
通信費 | 200 | 1,572円 |
食費・その他 | 6,000 | 47,160円 |
合計 | 10,250 | 80,565円 |