月次報告書 2024-09
プロフィール
学科
イベロアメリカ言語学科
学年
3年
専攻
スペイン語専攻
留学期間
2024-08-01 ~ 2025-05-31
留学種別
交換
生活編
9月 懐古、異国のフリーダとアヤソフィア ケサディージャは信じるな

気候について: 9月の始まりは雨だった。降ったり止んだりの日がほとんどで、一時晴れ間が見えつつも、遠くでは雨雲が山に見え隠れするような空模様だった。そんな日は肌寒くなり、裏起毛のパーカーなどを着て過ごした。雨が降った直後は、日本と似たようなじめっとした空気があるが、しばらくすれば再びカラッとした空気が漂う。到着した7月がピークのようにも感じられたが、晴れた日の暑さはまだまだ続きそうである。モンテレイは盆地なので、他の地域と比較するとかなり暑い地域と言える。 日本とメキシコ: UDEMには、日本語を勉強する学生がかなり多いと感じた。上記のモンテレイの環境について教えてくれたのは彼らであり、日本人の先生と、日本の大学からインターンシップに来た学生と、日本語を勉強する現地学生の会合に参加した。留学生として常に何か知識や情報を与えてもらってばかりだったので、自分が持っている何かを提供できる絶好の機会をありがたく利用させていただき、有意義な時間を過ごした。 寮のキッチンで料理をしていると、使っている食材や料理から立ち昇る匂いなど何から何まで人からは珍しく見えるようである。日本人だと名乗るとアニメやポップ音楽、具体的な料理の名前や日本庭園などに興味があると言われることが多かった。利用者たちと何日か会って話をするうちに、キッチンでは「召し上がれ」に対応するスペイン語の表現“aprovecho“と相性がいい「いただきます」が広まり始めた。 独立記念日について: 9月16日は、月曜日だった。土日月と三連休になるので、友人たちは帰省したり、旅行に行ったりというようなさまざまな過ごし方が見られた。独立記念日の重要なイベントDa el gritoを見に行くため、寮に残っていた友人を誘って近くの公園に向かった。夜10:00頃から12:00頃まで人々が叫び始めるのを待っていたが、到着した時点でその時間は終わったという。人々の叫んでいる姿を目にすることは叶わなかったが、屋台の食べ物と、マリアッチや歌手の華やかなパフォーマンスを楽しんだ。その日は9月の中でも特に天気が悪い日で、バケツをひっくり返したような大雨にもかかわらず大勢の人が集まっていた。親子三代で参加する家族も多くいて、さながら日本の夏祭りのようである。テンガロンハットをかぶっていたり、メキシコらしい意匠を凝らしたドレスなど思い思いのファッションが見受けられた。仲良くなった寮の掃除のおばちゃんに、メキシコカラーのリボンをもらったので、それをつけて参加した。夜の9:00頃に突然誘って、天気の悪い中ついてきてくれた友人の寛容さとフットワークの軽さに深く感謝した。 休日について: 9月初旬はテストがあり、学生は皆一層勉強に励んでいた。自分もまた例外ではなく、夜は同居人の睡眠を妨げないように寮の自習エリアに移動し、普段と変わらない分量の課題とテスト勉強に取り組んだ。寮主催の独立記念日のレクリエーションで仲良くなった友人に、朝食に誘ってもらった。メキシコの家庭料理などを振る舞ってもらい、別の日に自分はオムライスを振る舞った。和気あいあいと話をしながら料理をして、レストランに行くだけではわからない食事の様子を垣間見ることができた。他の日には友人の家に食べ物を持ち寄ってお酒を飲みながら話をしたり、I-Link(留学生を支援する団体で、留学生一人一人につくバディたちで構成される)主催のイベントに参加した。同じ日にバリエーション豊富なイベントが開催され、どれか一つを選んでいくのか、早朝から夕方までのすべてを網羅するのか性格によって楽しみ方は人それぞれである。自分はあまりにも高いパーティーの開催頻度に気疲れし、そのイベントの中でも以前から行きたいと考えていたParque Fundidoraでのアイススケートと、メキシコの工業発展を支えたという溶鉱炉をリノベーションした博物館の見学に参加した。 コミュニケーションについて: キッチンでの料理や英会話クラブへの参加がルーティン化することで、いつも〇〇にいるでしょ、スペイン語上手だね、と声をかけられることが多くなった。最初の30分は英語で、残りの30分はメキシコの文化をテーマに、スペイン語での会話を行う計1時間の英会話クラブに参加することで、初めて会話というものをこなせている感覚がある。聞き手に回るだけでなく相手の話に対応した返答などができるようになったことで、モチベーションの向上や会話への慣れを実感している。普段の生活や授業の中で、発音が比較的容易なスペイン語はやや伝わるものの、自分の英語はかなり伝わりづらいと感じた。以前の自分であれば伝わらない会話はすぐにやめて相手の話を聞くことに集中していた。しかし今月は諦めずに伝わるまで話を続ける努力ができたと思う。時には翻訳アプリなども使って自分の話したいことを完結させることができたので、コミュニケーションも以前よりは取れるようになってきたと感じる。

住居形態
学生寮
無線LAN(Wi-Fi)
月額費用
メキシコ ペソ
7.2216円
内訳 費用(現地通貨) 日本円換算
家賃 0 0円
水道光熱費 0 0円
学費・教材費 0 0円
交通費 177.95 1,285円
通信費 710.56 5,131円
食費・その他 9,608.53 69,389円
合計 10,497.04 75,805円
授業編
Vida y Cultura de México
メキシコの生活と文化
講義(英語)
720分
テストは資料を参考に記述を行うものが多く、古代文明の文化が現代の生活にも受け継がれている例やメキシコの気候などさまざまな分野から問題が出る。しかし難しいものでもなく、授業を聞いていればわかるものが多かった。 同じクラスの学生が現地の学生がほとんどであることと、使われる資料や動画がスペイン語であることが理由で、英語の授業でありながらスペイン語でのラリーが飛び交う面白い授業である。長文の資料を読みマインドマップを作成する課題には手こずるものの、画像を探したり、どの地域で発展した文明なのかなど自分の言葉でまとめ上げることで、メキシコの文化について理解が深まりやすい。旅行が好きな友人ができ、おすすめの旅行先を教えてもらったり、勇気を出して自分から、授業後にもっと話そうと誘い一緒にコーヒーを飲んだりした。他のクラスメイトも英語が流暢で、あえてスペイン語で話すようにお願いしつつもわからなければ英語で教えてくれるなど親切である。その英語がわからなくても、丁寧に説明してくれるので、勇気を出して聞き直すことで取り残されずについていくことは可能である。
Society and culture of Asia
アジアの社会と文化
講義(地域言語)
720分
テストはやはり主要な3国の内容がほとんどで、今までに習ってきた歴史の授業を思い出すことで対応できた。それ以外のアジアの国々や経済の分野については勉強不足であまり得点できなかったものの、日本の茶道や武士道(武家諸法度?)などについては、日本史を日本で勉強してきたアドバンテージがあるのでびっちり書いたところ、他の問いと比べてだいぶ点が良かった。 授業では北朝鮮と韓国のつながりを強固にするにはどうしたら良いか?という質問に対して、ペアになって解決案を出すという内容もあった。少々お節介な提案だと感じつつ、いくつか案を出した。しかし自分が思いつく案は人も思いつくもので、なかなかオリジナリティのあるものは出せなかった。同じクラスの友人たちは親切で、メキシコのおすすめ料理などについて教えてくれた。印象深いのが、「ケサディージャはsin quesoだからcon quesoで頼むといいよ」というアドバイスだった。その前の日に、同じくメキシコへの留学を経験した友人からもケサディージャにはチーズが入っていないのが普通と言われたので、思い込みは絶対ではないということを感じた。その他にも、食べかけのブラウニーや辛いグミを分けてもらったり、日本語で「がんばれ」とお互いに励ましあったりした。授業終わりに途中まで一緒に帰るモンテレイ育ちの友人の、驚異的な会話のスピードについて行くことに苦戦している。メキシコの伝統的なお菓子を買ってきて手紙をつけてくれたり、毎日新しいスペイン語の表現を教えてくれるとてもいい友人である。
Español Intermedio Alto
中上級スペイン語
語学(地域言語)
720分
テストの内容はリスニングや作文、過去形など単語の活用を問うもので、今まで日本語で点過去、過去完了と呼んでいたものを改めてスペイン語で何と呼んでいるのかその場しのぎで覚えたことで、自分の中ではかなり上出来だった。途中で次の授業の学生が入ってきたことで視線が気になり不安に感じつつ選択肢を選んで退室したところ、クラスメイトもまた「他の人の視線が気になって出てきてしまった」という感想だった。同じ不満を共有し距離も縮まった上、お互いに納得のいく結果だった。 次のユニットは接続法で、espero queから続く文章とojalá queから続く文章のニュアンスの違いを学習した。リスニングのパートが多く、長文のリスニングにも挑戦している。
History of universal architecture
世界の建築の歴史
講義(地域言語)
720分
事前にテスト中に翻訳アプリが使用可能か確認したところ、今学期履修しているすべての授業で使用可能だったので、この授業でも使用した。しかしこの授業だけは専門用語が多いので、翻訳アプリを使ったところでわからなかった。主要な単語だけは頭に入れて臨んだので、何を問う質問なのかはある程度把握していたつもりだったが、1問5点のテストで65点だったので、悔いの残る結果となった。しかしやれることはやったので、自分の学習には満足している。 中間テストが終わりユニット3に入った。ユニット3ではローマ分裂後の東ローマで発展したビザンツ様式に焦点を当てる。この様式が使われた建築の例として、アヤソフィアが取り上げられた。以前トルコを訪れた際に、行ったことがあったので何か言いたい気持ちはあったものの、何を言っていいかわからなかったので、スライドを静かに眺めながら歯痒い思いをしていた。来月からは自分の知っている内容については何か言えるように、手を挙げたりなどできるようにしたい。
Effective communication in English for business
ビジネスのための効果的なコミュニケーション
講義(英語)
720分
テストではなく、プレゼンを行った。先月学習したボディーランゲージと注目を集めるためのキーワードを交えながらプレゼンを行なった。かなり意識して、大袈裟なくらいボディーランゲージを組み込んだのでいい評価だった。 週2回のうち1回を、アメリカにある大学とzoomで連携をとり、自分たちの国の文化について紹介するプレゼンテーションを作成するという時間に充てている。重要な出来事や人物、場所や地名などを挙げ説明する。同じチームのメンバーの出身国であるアメリカ、メキシコ、アルゼンチンと自分が担当する日本のパートでは、広島と長崎での原爆投下、杉原千畝と東京、京都の二つの都について紹介するスライドを作成した。