月次報告書 2017-03
プロフィール
学科
アジア言語学科
学年
3年
専攻
韓国語専攻
留学期間
2017-03-01 ~ 2019-02-28
留学種別
交換
生活編
韓国での大学生生活スタート

私は二月の半ばから韓国に滞在していましたが、ついに韓国での大学生活が始まりました。まず、ルームメイトに日本人がいたことに安心して会ったその日から夜遅くまでおしゃべりをしました。もう一人のルームメイトは台湾人ですが、全員韓国語ができるということで部屋では韓国語で会話をしています。三人部屋は多少狭いと感じるかもしれませんが、特にこれといった支障はありません。シャワーとトイレが一体になっている洗面所ですが、清潔ですし、慣れてしまえば特に不便に思うこともなくなります。寮にはウォーターサーバーも電子レンジもありますが、冷蔵庫がないためそれだけが残念です。大学生活が始まって最初の難関はやはり、授業申請でした。やり方も日本とは違って早いもの順なので、取りたいものが取れなかったり、確認を取るのにもやり方がよくわからなかったりと苦労しました。次に、お金の問題です。学費や寮費を納めるために通帳を作るところから始めて、日本からの送金を受け、それを指定口座に収めるという過程を数日間にわたり行いました。そこまで終わってからは比較的穏やかな学校生活です。私は学食の食券を購入しなかったため、食事は寮の一階にあるフードコートを利用したり、外に食べに行ったりしています。また、三月は新入生歓迎パーティーなどもあり日々楽しく過ごしています。ダンスサークルにも入ってすでに相当な練習をこなしているので体力的には少しつらいです。授業、食事、人間関係を通じて日々日本との文化の違いを感じながら過ごしています。

住居形態
学生寮
無線LAN(Wi-Fi) 有線LAN その他 ポケットWi-Fi
月額費用
韓国 ウォン
0.1円
内訳 費用(現地通貨) 日本円換算
家賃 20,200 2,020円
水道光熱費 0 0円
学費・教材費 125,700 12,570円
交通費 0 0円
通信費 0 0円
食費・その他 240,000 24,000円
合計 385,900 38,590円
授業編
Korean Popular Culture
韓国大衆文化
講義(地域言語)
600分
全体的に外国人が多い授業です。教授は明るい性格の方で、生徒の側に立って考えて下さります。授業はパワーポイントを用いて行われ、資料に教授が補足説明をする形で授業が進行します。3月は、まず「大衆文化」とは何か、文化・大衆の概念、大衆文化はどのように形成されているのかという所から始まりました。その後は、近代初期の大衆の誕生とマスメディアの登場から、音楽・新聞・劇・映画・ラジオ・テレビなどの大衆文化が時代を追ってどのように変化してきたのかを学びました。時代背景は、主に近代初期から1950年代の解放期と、1960年代から1970年代の産業化・近代化の時期です。音楽はその時代ごとの音源を流してくれるため、変化を感じやすく理解しやすいです。
Foreign Language Acquisition
外国語習得論
講義(英語)
525分
外国人は少なくほとんどが韓国人です。他学科からとっている人も多いようです。週一回の講義は英語で行われます。しかし、比較的優しい英語を用いて離されるため、専門用語さえわかってしまえば理解するのはそこまで難しくないです。内容的にも興味深いです。週にもう一つある講義は、韓国語で講義の補足説明や、理解度を上げるための討論が行われます。自分が実際に外国語を習得してきたため、自分を客観的にみているようで面白いですし、実際に考えを共有することでより深く考えることができます。三月は、簡単な序論から入り、母国語習得の理論と、母国語習得理論における行動主義・生得主義・相互主義と第二言語習得までを学習しました。難易度でいえば、韓国人からしても理解が難しいところがあると聞きますが、一度理解してしまえば納得できますし、教授が質問に親切に答えてくれるため消化しやすいです。
Korean Morphophonology
韓国語形態音韻論
講義(地域言語)
600分
先輩方が全員取っているため日本人が多めなクラスです。「韓国語音韻」から韓国語を考えるという授業です。授業は教科書をもとに行われ、教授が図などを用いてわかりやすく説明してくださります。時々考えなどを聞かれることもありますが、それ以外は教授の解説が主となります。三月は、音韻論の理解のために、発音器官・音声と音韻・音素と韻素といった基本的な知識を身につけ、子音とその調音位置・方式、母音・半母音・長短・抑揚などの音韻体系を学びました。専門用語など覚えることが多く少し大変です。
Theories in Korean Vocabulary Education
韓国語語彙教育論
講義(地域言語)
600分
外国人が割と多めの授業です。教授法の観点から語彙の教育を中心に学習していく授業で、教材は教授が教科書から必要な部分を抜粋してまとめたものを用います。授業では教授がホワイトボードに板書したものを写しながら、教授の発言で必要だと思ったことは自分でメモを取り、授業後は改めてノートをまとめます。後日ノートの確認提出があるそうです。三月は、基礎となる教授法の種類から学び、語形と語彙、語彙部理論、語根・接辞などの形態素、単一語・複合語・派生語・略語といった単語の形成、語彙の意味関係、語種までの範囲を学習しました。教授が外国人を教えたりもする方なので、説明がわかりやすく非常に丁寧で聞き取りやすい韓国語を話す方なので、授業を受けるのが楽しいしです。
Reading Korean Film
韓国映画講読
講義(地域言語)
600分
外国人専用授業です。授業は二週間をかけて行われ、一週目に韓国の映画作品を一つ鑑賞します。そして二週目に映画の時代背景や登場人物セリフや服装、場面から読み取ることのできる韓国の文化を細かく見ていきます。実際には生徒が自分たちで発表をする形で解説が行われますが、最初の投票の時点で誰も立候補者がいなかったため、三月は教授が解説を行いました。今月は二つの作品を見ましたが、一つは朝鮮戦争が舞台の話で、少し残酷なシーンが多めでしたが、それでも同じ民族間で戦争をするという世界史的にみても稀な韓国の歴史を学べる作品でした。もう一つは、韓国の農村男性たちが外国人の奥さんを探すために奮闘するというお話でしたが、農村に嫁ぎたくないという韓国女性の結婚願望と、そんな女性たちに気後れしてしまう農村男性の文化的性格を知ることができましたし、一部脱北者の実態なども垣間見ることのできる作品でした。ただし、二つとも方言を用いてのセリフだったので韓国方言聞きなれていない外国人学習者にとっては少し難しかったのではないかなと思います。教授の解説は簡潔にまとめられていて、実体験なども語ってくれるためとても面白いです。
Japanese Translation and Interpretation
日韓通訳・翻訳演習
講義(地域言語)
600分
日本語学科の授業で、日本人が何人か受けています。最初の二週間は、教授が資料に従って役をしていき、要所々々で生徒に適当な訳を聞くという形式でしたが、後の二週間はグループに分かれて一つの資料を翻訳するという活動形式になりました。グループ構成は基本的に三人一組で、韓国人二人に日本人一人です。各自訳してきたものを授業内で確認・議論をして一つの翻訳文を完成させ期間内に提出します。日本で韓国語を適切な日本文に訳す時とは違い、感覚的にどのように訳せばより自然な韓国語になるのかということがわからないので、グループの人の話を聞くのはとても面白いですし、また、韓国人には理解の難しい日本語の説明を求められるときには、それまで知らなかった日本語独特の表現を発見することができ、同時に自分があまり理解できていなかった日本語を見つけることもできます。資料は量が多くすべてを訳すとなると大変なこともありますが、その分吸収できることも多い授業です。